このページの本文へ移動

新潟大学発ベンチャー企業

現在の停滞した日本経済の活力を高め、働く人々の雇用の安定を図っていくためには、企業の新分野への展開を支援し、新たな雇用機会を作り出していくことが不可欠となっています。
特にベンチャー企業をはじめとした、新分野展開を目指す中小企業については、多様なニーズに対応した機動性に富む活発な活動により、経済の発展に重要な役割を果たす一方、地域に密着し、小回りがきくという利点を活かして、労働者が個性と能力を発揮できる職場を数多く提供していくことが期待されております。
ここでは、新潟大学が保有する研究成果・新技術から発信した新潟大学発のベンチャービジネスを紹介します。

株式会社ラングテック

株式会社ラングテックは、工学部情報工学科教授宮崎正弘研究室における自然言語処理に関する研究成果を活用し、自然言語処理応用システムの製品開発を行う研究開発型ベンチャー企業として、2006年5月に設立しました。

自然言語処理応用システムとしては、同音語選択に優れUser-friendlyな知的日本語ワープロ、携帯電話などに組み込まれた高品質でコンパクトな日本語音声入出力システム、連想検索・意味検索などによって的確な情報を抽出できる高度な情報検索システム、高品質な訳出ができる機械翻訳システム、人間と自然な対話が行える日本語対話システムなどが考えられます。株式会社ラングテックでは、大学における基礎研究の成果を活用し、IT分野の新しい先端産業としての「言語産業」を確立することを目指しています。

株式会社 ラングテックのサイトはこちら

【自然言語処理応用システムの例】

nlpsystem

【会社設立の背景とねらい】

宮崎研究室では、十数年にわたり自然言語処理基盤技術とそれらを応用した自然言語処理応用システムの研究を進めています。

基礎研究においては、統語や意味の問題に真っ正面から取り組み、時枝誠記氏が提唱し、三浦つとむ氏が発展的に継承した言語モデルをベースに、意味と整合した統語構造を出力することができる日本語解析技術とそれを支える言語知識体系(文法、辞書、シソーラスなど)など高度な日本語解析のための基礎技術の確立に見通しを得ています。現在、意味処理に必要な知識を効率的かつ的確に検索できる連想機能と多くの分類観点をもった多次元シソーラスを融合した連想型多次元シソーラスや認知意味論をベースにした基本語の語義記述法など新しい言語知識データベースの基礎研究やそれらを用いた新しい意味処理の研究に取り組んでいます。

応用研究では、自然言語の解析、生成、変換などのような自然言語処理の様々な基盤技術を統合した総合システムで、意味や文脈を考慮した深い文解析、言語間の表現、発想、文化の相違などを考慮し、原文の意味・ニュアンスを可能な限り正しく伝え、発話の状況にふさわしい訳文や訳語を生成するための文生成や訳語選択のような技術的難易度が高い技術を必要とする高品質な機械翻訳の実現を目指した研究を進めてきました。また、その研究過程で産み出される高度な日本語解析技術を用いた、知的日本語ワープロや高品質な日本語音声入出力システムの実現を目指した研究にも取り組んでいます。

試作システムの実装においては、自然言語処理やその応用システムのソフトウェアはもとよりそれらに必要な文法規則、電子化辞書などのような各種言語知識データベースもできるだけ手作りで試作することにより、実験を通してソフトウェア、各種言語知識データベースの改良・拡張を自分達自身でできるようにしました。

自然言語処理応用システムの製品化においては、単に言語処理の質の高さだけでなく、研究室レベルの試作システムでは軽視されがちな処理の高速性、コンパクトなソフトウェアや辞書の構成、使い易さなども要求されます。辞書などの言語知識データベースも試作システムのような小・中規模なものではなく、実用に耐える語彙セットを網羅した大規模で、内容面で誤りや不整合がない完成度が要求されます。新しい処理方式の実現可能性と有効性の検証を試作・実験を通して行う基礎研究と上記のような要求条件を満たす製品化を分離し、大学研究室と企業がその役割を分担し、連携することにより、様々な自然言語処理を応用した製品を世に送り出したいと考えています。

【業務内容】

1) コンピュータによる自然言語処理応用システム(日本語音声出力システム、日本語音声入力システム、日本語ワープロ、情報検索システム、機械翻訳システム、日本語対話システムなど)の企画・調査、研究・開発、評価・改良・維持管理および販売・賃貸
2) 自然言語処理およびそれに関連したソフトウェアの企画・調査、研究・開発、評価・改良・維持管理および販売・賃貸
3) 自然言語処理用各種言語知識データベース(文法規則、電子化辞書、シソーラス、コーパス、知識ベースなど)の企画・調査、研究・開発、評価・改良・維持管理および販売・賃貸
4) コンピュータによる自然言語処理応用システムの企画・調査、研究・開発、評価・改良・維持管理、導入・運用管理の受託およびコンサルティング
5) 自然言語処理およびそれに関連したソフトウェアの企画・調査、研究・開発、評価・改良・維持管理、導入・運用管理の受託およびコンサルティング
6) 自然言語処理用各種言語知識データベースの企画・調査、研究・開発、評価・改良・維持管理、導入・運用管理の受託およびコンサルティング
7) 前各号に附帯する一切の業務

株式会社オプセル

株式会社 オプセルのサイトはこちら

主な事業概要

開発指向型ベンチャー企業として、光学機器の研究開発を中心に活動しています。工学部機械システム工学科の新田勇助教授が発明したシュリンクフィッタTMによる高精度レンズ締結方法や、複数のレーザー走査ユニットを連結して広い走査幅を達成するマルチポリゴンTM走査方式などの独自の技術をベースに、レーザー関連業界、プリント基板業界、精密測定器業界、印刷業界等における各種光学機器の開発製造および開発受託を行っています。 c8hkde0000002omn製品の一例
(プリント基板用レーザー直接描画装置)

基となった研究ときっかけ

起業化の基となったキーテクノロジーは工学部機械システム工学科の新田勇助教授が発明したシュリンクフィッタによる高精度レンズ締結方法です。シュリンクフィッタとは熱膨張係数が異なる要素同士を締りばめで接合することができる新しい機械要素です。このシュリンクフィッタをレンズと鏡筒の締結に使用することで、複数枚のレンズの芯がそろい高性能でなおかつ環境温度によってもその性能が変化しない優れたレンズ系が実現できます。 c8hkde0000002op8
図 シュリンクフィッタの概念
c8hkde0000002opg
マルチポリゴン光走査装置
このシュリンクフィッタの技術を光学関連に応用するきっかけは、1990年代前半に現社長で光学系専門家である小俣公夫氏とある学会で偶然知り合ったことです。そのときに、シュリンクフィッタが機械と光学の学際領域をうめる新しい技術になると確信したようです。その後は新田助教授と小俣氏が共同で研究を続けてきて、1999年には新田助教授と小俣氏の提案が科学技術振興事業団のプレ・ベンチャー事業に採択され、シュリンクフィッタをコアとしたマルチポリゴン光走査装置を3年間かけて開発しました。それらのプロジェクトでの研究開発成果を基に2002年12月10日に株式会社オプセルを設立しました。新田助教授は新潟大学では初の大学初ベンチャー企業を設立し、開発担当取締役(兼務)として活動しています。