新潟大学経営戦略本部 男女共同参画推進室

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女性の活躍推進

第9回トップ懇談会開催報告(後半)

ダイバーシティ推進のメリットはマジョリティに還元される

トップ懇談会

(教員) 前職場のことですが、私が働き始めた17年前に比べて、現在はすごく働きやすい環境になったんです。それはなぜかというと、マイノリティの方が働きやすかったり、学びやすかったりする環境は、マジョリティにとっても、働きやすい環境になっていったからなんです。実際に女性の子育て世代や介護の必要な人が増えてきて、いろんな人が働きやすい職場環境を整えていこうとなって、IT環境面のシステムが、どこからでもアクセスできたりとか、外国人スタッフのために多言語化が進んだりと整っていきました。また、業務も在宅勤務とかフレックス通勤とか、いろんな環境を最初はマイノリティのために整え始めたのです。そうすると、会社ではマジョリティである男性の方も、家庭での子育ての分担とか、親の介護、ご自身の病気という、自分がマイノリティ側に片足を突っ込んだときに、まだ仕事が継続できる、全員が働きやすい職場環境になっていったというところがあります。
(学長) ダイバーシティというか、偏見を取り除く、偏見がない社会というのは裏返すと思いやりのある社会ですよね。自分だけではなくて、他人のいろいろな価値観を思いやれるかということ。本当はみんながそんなふうに考えていたら何も問題ないし、そもそもダイバーシティという言葉も出てこないはずです。でも、やっぱり世の中にはいろいろな偏見があったり、今までの長い歴史があるわけです。そういう中でどうするかを、われわれは考えなければならないですよね。
(教員) マイノリティだけにフォーカスして話すと反発を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、それが最終的にはマジョリティ全員が働きやすくなる環境につながっていくというところを明確にしながらどんどんと進めていただけると、すごくいい大学になっていくのだろうなと思います。
(学長) こういう社会になりたいと夢を持つのも大切ですね。こういう社会にしたい、こういうふうにしようというのを一緒に想像する、共有することが大事だと思います。ぜひみんなで考えてほしいですね。そうして、いろんな提案をしてもらうといいと思います。それをどう実現するかが私の仕事だと思うので。

コロナとダイバーシティ

トップ懇談会

(司会) 次の話題に入りたいと思います。コロナ禍でいろいろな学生支援が展開されていますが、長期化する自粛生活に学生の健康を心配する声や、マイノリティそれぞれの状況に配慮したきめ細やかなケアを求める声などもあります。
(学長) コロナで何が起きたかというところから話しますが、学生には非対面のオンライン授業、職員にはテレワークをお願いしました。そこで分かったのは、何とかできたのはよかったんだけれども、いろんな不備も見つかったということです。それをこれからどうするか。でも、だからといって、戻らないようにしないといけない。
(学長) テレワークや遠隔授業の中で、障がいとか育児とか、いろんな視点を含めた仕組みを、今後、変えられる可能性が速くなったなと思っています。
(教員) 先ほどからのダイバーシティのお話の中で、マイノリティは自ら声を出しにくい存在であるという指摘があったと思います。大学全体の雰囲気が声をあげやすいものではない限り、マイノリティの人たちは声をあげにくい。もちろん全員に対するコロナの支援が重要なのですが、その学生たちの中に声をあげづらい人たちがいるかもしれないと考えたとき、もうちょっと積極的に大学側から声をあげやすい仕組みをつくってあげる必要があるのかなと思うのですが。
(学長) もちろん、そうだと思います。窓口は2つ必要だと思っていて、まず1つは各学部や指導教員。もう1つが、そういうところでは言えないことを拾い上げるところだと思って、大学として「コロナ何でも相談窓口」をつくりました。ホームページに載せて1週間ぐらいで200件近い相談が来ました。学生のみなさんは、ちゃんと見ていて、そっちに行きたい人はそっち、こっちが良いと思う人はこっちと、選んで来ているということだと思います。
(学長) 私自身は、一番心配しているのは1年生です。入学してまだ同級生の顔もよく分からない状態になっている。だから、授業の方針は非対面型だけれども、1年生については、少人数のグループで、何らかの形で会う機会をつくってくれませんか、ということを学部長には伝えています。こうした、現場の教員と学部と大学の3つがうまく回転しないといけないのではないかと私は思います。

学生の状況を把握し、必要な情報を届けるために

トップ懇談会

(理事) 学長がおっしゃったように、経済支援も最初は見える化することが大事だということで表に出しました。結構、相談は来ています。給付のあり方も、給付型と貸付型とか、額もいろいろにして、細かな手立てを打っているのですが、一番の問題といえばそれが周知されないところにあります。
(学長) もちろん、ホームページに載せていますし、それを各学生にメールで配信していて、学部からも伝えてくださいねと、こちらとしてはさまざまな手を使っているのですが、どこまで見てくれているかはいつも心配しています。例えば、学生全員に、今どこにいますか、というアンケートを2回くらいやっているんです。それから、心のケアについては、保健管理センターから個別にメールを出してチェックしている。でも、戻ってくるのは6割くらいです。
(教員) 私は、6月からずっと週に3、4回、1年生を対象に、任意で集まりたい人は集まっておしゃべりをして、新入生のお互いの顔を知ってもらう情報交換をしています。そこで出てくる話を聞いていると、彼らが情報を一番チェックしている手段はメールではない。メールはいろんなものがあるので結構見落としが多い。情報収集の手段としては、やっぱりツイッターかLINEを一番使っているんです。
(学長) オフィシャルにツイッターを使うと、情報セキュリティの問題がいろいろ出てくるんですよね。でも、学生は絶対そうですよね。私もそう思います。考えると難しいですね。
(司会) 何かほかに、アイディアや手段をご存知の方はいらっしゃいますか。
(教員) お金に関することであれば、親に連絡が行くシステムが早いんじゃないかと思いますが。
(学長) それは学部にもよるかもしれませんね。
(教員) そうですね。医学部では、結構な年齢で入学する場合もあって、そういう人の親御さんは相応にご高齢で、逆に心配をさせるだけかもしれないので難しいのかなと思います。
(学長) このコロナの状況はあと1年半ぐらい続くので、この間、われわれが生き延びるとともに、どうやって自分たちをアクティブにしていくかが大事です。それは私自身も考えなければいけないことだと思っています。

改めて、ジェンダーダイバーシティに向けて

(教員) 新潟大学は今、女性教員比率が2割いかない、管理職が3割いかない、努力してもなかなか上がらないという状況にあります。先ほどのお話の中で、脳を解剖すると男女の違いがあるというのがありましたが、女性教員が増えればまた大学の研究の文化も変わると思います。今後、女性がやりやすい研究文化ができてくると、大学院生がロールモデルを見て増えてきてという、ポジティブなスパイラルに入ると思うのですが、その最初を押し出す方法について、学長のお考えを伺えますか。
(学長) 学問分野についても、今までどおりの学問が同じ形であと10年、20年すべて続くわけではないと思います。より学際的・融合的になっていく中で、女性が活躍しやすくなったり、登用の機会も増えたりするのではないかと思います。
(学長) 実は今回、人事ポイント制の学長裁量ポイントについても、若手と女性で出してくださいと、そこだけは譲らないと言ってお願いしました。
(教員) それなんですが、若手×女性にはしないでほしいです。女性は結局、研究者でも育児や出産など、キャリアを中断しなければいけない時期があります。それを年齢で区切られてしまうと、そこから外れてしまう女性がすごく多いと思うんです。先ほどのように多様性のある社会を、ということであるなら、年齢を問わず、まずは女性比率を重視していただきたいです。
(学長) 若手×女性という気はまったくないです。もう一方で、このことについては、まずは数を増やすというのが1つの見方であると、私も思っています。だからといって、誰でもいいわけではないので、能力のある人をどう見つけるかが大事ですね。

トップ懇談会

(学長) 若手で言うと、本当は、将来どうなるか分からない無限の可能性を秘めているからこそ面白いのだと思っています。その点で、できあがった若手を採っても意味がないと考えると、若手の評価や採用の仕方が難しいですね。女性については、採用の仕方というよりも、出産や育児などのライフイベントで中断する可能性があるけれども、こういうものをどうサポートできるかという点も絶対忘れてはいけないと思います。女性に限らないですよね。男性でも出産はないけど育児はあるし。介護は男性でも女性でもあり得るわけだから。そういう中で仕事ができるというのはやはり大学として大事だと思います。

(終了)
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