c-Jun N-terminal Kinaseによって制御される新規経路による軸索誘導を発見しました
c-Jun N-terminal Kinase(JNK)は幅広く保存されているタンパク質リン酸化酵素であり,遺伝子発現を制御する事によって多くの生命現象に関与している事が知られています。JNKは軸索誘導においても機能している事が知られていますが,その下流で機能する因子はほとんど解明されてきませんでした。
本学テニュアトラック脳病態解析分野の杉江淳助教,新田陽平研究員は,ショウジョウバエの三次嗅覚中枢であるキノコ体をモデルとして,軸索分岐制御因子として報告されているDISCO Interacting Protein 2(DIP2)がJNKの下流で軸索誘導を制御している事を明らかにしました。
また,このJNKによるDIP2の発現制御はAP1非依存的である事も明らかとなりました。
これらの結果は,JNKによる軸索誘導機構の一端が明らかにされただけでなく,DIP2が軸索分岐だけでなく様々な神経発生において役割を有している事を示しています。
本研究成果は,平成29年5月20日に専門誌Biochemical and Biophysical Research Communicationsに掲載されました。
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