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  • 新潟県健康ビジネス協議会設立総会 10月29日(木)

      このたび,健康ビジネスに関連する新潟県の異業種横断的な組織として「新潟県健康ビジネス協議会」が発足した。 私は,アドバイザーとしてこの協議会の活動に協力することになり,10月29日に開催された設立総会に出席し,ご挨拶を申し上げた。

      健康・福祉・医療の市場は,食,ものづくり,サービス,交流など多様な領域が関連し裾野が広い。 多くの企業,事業者,生産者が地域や自らの強みを活かした,これら「健康ビジネス」に取り組むことは,結果として消費者の皆さんへの健康長寿に貢献することになる。 また健康ビジネスは,高齢化が進む現代社会において,企業,事業者,生産者が持続的な成長を得ることができ,結果,地域社会も活性化する新たな地域振興産業としての期待が大きい。 さらに企業,事業者,生産者に立場では,既存の事業が役割を終えた後,自らの強み,地域の強みを活かした新規事業分野に挑戦する必要があるとき,健康ビジネスは最も優先して挑戦すべき分野の一つに位置づけられる。

      この認識背景のもとに,新潟県内の企業,事業者,生産者らが主体となって個々の力を集結し,新潟県が進めてきた健康ビジネス連峰政策とともに医・学・官で連携しながら,健康ビジネスへの挑戦をするという,全国に先駆けた異業種横断型の健康ビジネス事業者組織である「新潟県健康ビジネス協議会」が発足したのである。 当面は,食品や機械メーカー,観光事業者などが中心となって,内需型産業ビジネス分野において,新潟の産業界が国内外をリードする狙いであるが,大学との連携が必須であることは言うまでもない。

      新潟の地に立地する総合大学としての本学は,地域連携フードサイエンスセンターにおいて,「食品関連分野」の技術者間交流,大学のシーズ提供などの活動を通して「技術革新」と「社会貢献」を目指し,活発な活動を展開中である。 工学系,農学系,医学系,歯学系,教育学系より60名を越す研究者が協力し,多様なニーズに対応する連携体制を整えている。 当センターには,この度発足した新潟県健康ビジネス協議会を通じた新たな役割が求められている。 各種産業が苦戦するなかで,県内の健康ビジネス産業が牽引役となり得るか,本学に寄せられる期待は大きいのである。

    天 地 腎 10月24日(土)

      10月24日,天地人ならぬ「天地『腎』」と題した市民公開セミナーの開催に先立ち,開会の挨拶をした。 新潟大学と新潟市民病院の腎臓専門医グループによる共同企画セミナーであった。 腎臓は身体のバランスの要になる働きをしている。 つまり「腎臓は全身の鏡」といわれるほどに位置づけられるので,腎=人であるといえよう。 ドラマ「天地人」の直江兼続の生き様は「愛と義」と表現できる。 本セミナーでは,医療の一線で活躍している医師,看護師,栄養士らの「愛の心で,人のために尽くすこと」が聴衆に感じてもらえる素晴らしい講演がなされた。

      慢性腎臓病は,その重要性が世界的にも注目されている。 その第一の理由は,増加する透析患者の予備軍としての意義であり,第二は,慢性腎臓病そのものが心・血管系合併症のリスクになる二つの理由が明らかになったためである。 すなわち,慢性腎臓病は透析の予備軍としてだけではなく,心臓・血管障害や死亡などを引き起こす強力なリスク因子であり,人類の健康全般を脅かす重大な疾患である。 慢性腎臓病の多くが,加齢と生活習慣の変化によって増加している糖尿病が原因で起こってくることから,早期のステージから積極的な治療管理をうけることの意義は大きい。 医療経済的にも大きな負担となっている国民病ともいえる慢性腎臓病対策の確立を目指す必要性がある。 しかしながら,腎臓病は症状が乏しく,沈黙の病気ともいわれる。 したがって,これまでの検診では早期発見が困難であり,それだけに市民への啓蒙活動は意義があるし,大切なことであるといえる。

      本学医学部は,腎臓病に関する研究活動が日本でも屈指であるが,学内にとどまらず市民公開講座などを通じた市民向けの啓蒙活動は,高く評価されるものであろう。

    甲府第一高等学校創立129周年記念で講演 10月21日(水)

      母校である甲府第一高等学校の創立129周年記念式典に来賓として出席するとともに,記念講演を行う機会を与えられた。

      記念講演には,全校生徒やPTA役員など約900人からお集まりいただいた。 私は母校で過ごした高校生時代を思い出しながら,生徒の目線で大学生活の一端や私が思う学生生活の心構えを紹介した。
      具体的には,私自身の大学生活の思い出,ヨット部で過ごしたことなどを紹介するとともに,新潟地震と中越大震災・中越沖地震の経験,さらに佐渡での朱鷺の一次・二次自然放鳥と本学の超域朱鷺プロジェクトの概要などを,写真スライドを交えお話しした。
      大学は自ら学び,経験するところ。 自分がどのようなキャリアを積むかという視点で,自分に合った大学を選び,目標に向かってがんばってほしいことを力説した。

      私が甲府一高の生徒であったのは45年前である。 講演を終えて,一生徒からの質問を受けた瞬間に改めて実感した。
      時移り人変わって,学び舎の内も外も見違える様相を呈している甲府一高であるが,そこに学ぶ者に流れる若き血の脈動は,129年の伝統とそこに学んだ人々の誇りと熱烈なる郷愁に励まされ,変わることなく伝えられているのだと。
      「母校は母港なり」
      最後に生徒から花束をいただき,改めて感激した。

    医療技術産業戦略コンソーシアム(METIS) 10月20日(火)

      10月20日に開催された,本年度の第一回の医療技術産業戦略コンソーシアム(METIS)会議に,第4期のMETIS医療テクノロジー推進会議の委員として,出席した。 これまでのMETISの活動報告をもとにした第4期の計画案に対し,私自身の臨床現場からの経験,並びに新潟大学とロシア極東地域諸大学との医学交流・医療技術指導の経験から,コメントさせていただいた。

      我が国発の医療機器を取り巻く環境は厳しい時代になっている。 我が国における医療費抑制政策により,国内医療機器市場は減退している。 また,各国経済のグローバル化の中で,国際競争は激化している。 そのような中,我が国における医療機器開発から臨床試験,製品化までの時間軸は,他国に比べて著しく長時間を要している。

      METIS は,産官学が一体となり我が国の医療機器産業の技術革新と国際競争力を強化する戦略の検討,及び必要なインフラ整備を目的として平成13年3月に設立された。 英語でMedical Engineering Technology Industrial Strategy Consortium との名称から,METISを略称としている。
      METISの活動は,平成21年3月までの第1~3期活動が終了し,本年度から第4期の活動が始まった。 目指すところは,医療機器に限らず,医療のグローバルスタンダードを我が国が積極的に関与し,願わくば世界をリードする役割を担うことである。 結果,我が国における革新的医療技術の実用化と産業基盤整備による成長戦略の推進となることは明らかである。
      このために,産学官が一体で,患者に対する安心・安全を担保した新規医療機器・新薬の創薬などの創出を,早い段階から臨床現場のニーズを取り入れて進めていくのである。

      新潟大学の海外医療技術の普及活動の一端に,「内視鏡の対ロシア戦略」がある。 現在市販されている内視鏡の画質は飛躍的に向上し,画期的な画像処理機能を持った機種が出ており,それらを使った新しい診断・治療の技術も開発されてきている。 しかし,ロシアの内視鏡医の多くは,それを使いこなすための内視鏡の診断・治療に関する基本的な知識や技術が育っていない。 「内視鏡医学研究振興財団」はロシアをはじめ多くの外国の内視鏡医に対する支援を展開している。 本学医歯学総合病院の光学医療診療部(成澤林太郎副部長)には,毎年2~5名のロシアの医師がこの助成金制度を利用して勉強に来ている。 日本の機器は素晴らしい性能を持ち,耐久性に優れているが,その素晴らしい性能を活用するために,各医師は必要な基本的知識の取得と,それを使いこなす技術指導を支援する使命がある。 技術者(専門医)が育つには時間はかかる。 これらの支援活動を地道に着実に続けていくことが,日本の医療機器・技術が海外に普及させる力になるであろう。

    新潟大学「特別飛来学生」飛翔カズミ 10月1日(木)

      9月29日,トキの第二次放鳥がソフトリリース法で行われた。 私は,昨年の第一次放鳥に続いて,トキの第二次放鳥に立ち会う機会を得た。 その際に,トキ交流会館を訪問し,佐渡市の協力を得て開設を計画している「新潟大学朱鷺自然再生学研究センター」の工事の進捗状況を確認した。 その時,7月15日以来,新潟大学五十嵐キャンパス近くを塒(ねぐら)としている一次放鳥トキの個体識別番号13号(カズミチャン)の戸籍謄本を発行していただいた。 高野佐渡市長には,前日夕方に開催された懇談会の際,戸籍謄本発行に対する謝辞を述べさせていただいた。
      帰りのジェットフォイルの中では,2ケ月以上も,五十嵐キャンパス近くを塒にしているカズミチャンは,大学キャンパスの上空を,朝な夕なに飛来し,本学の授業を聴講しているのではないだろうか,そうであれば,特別聴講学生として学生証を出してあげたいと,同行の皆さんと話が盛り上がった。

      早速に,10月1日の秋季入学式に間に合わせるべく渡邉郷史学生支援課長をはじめ関係者のご協力をお願いし,学生証の発行準備に入った。 飛来しているトキの戸籍謄本上の名前は「カズミチャン」である。 しかし,大学聴講生として,「チャン」はふさわしくなく,「チャン・カズミ」や「五十嵐カズミ」,また放鳥トキの先祖は,中国由来ゆえ,新潟大学と中国との友好を表現する意味ある名前など考えられたが,最終的に,夢のある名前として「飛翔」という姓を与えることに決定した。 学籍番号は,2009年の秋季入学の10月1日を示す「091001」とした。 所属は,最初に書いた,超域研究機構の一部を構成する「朱鷺自然再生学研究センター」が適しているが,残念ながらまだオープンしていないため,受講科目である「自然再生学」とした。

      学生証のタイプとしては,正規学生以外では「特別聴講学生」となるが,単位数のことなどの難しい問題が出てくるため,「特別飛来学生証」なるものを特別に発行することとした。 生年月日は,戸籍謄本に記載のとおりである。

      もちろん,この学生証は,まったくの遊び心から発行したものである。 しかし,学生証の発行により本学の周辺にある豊かな自然を守っていくことの必要性や,自然再生学という新しい学問を発信することによって,本学の強調しようとしている環境保全の思想やエコ思想のメッセージと受取っていただけるものと思っている。

    (10月23日追記):この「特別飛来学生証」を学長室に飾って,来訪者に楽しんでもらっていたところ,やがて人の知るところとなり,マスコミ(新潟日報10月21日)により報道された。 10月22日には産経新聞,毎日新聞,読売新聞とともにNHKやNSTなどのTVニュースでも取り上げられた。 とかく暗いニュースが多い中で,明るいニュースとして,私どもの遊び心を受け止めていただくことは,嬉しい限りである。

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