大学院現代社会文化研究科 研究科の特色
大学院現代社会文化研究科の特色
基本理念
「課題探求能力の育成」
現代の社会は,自己責任型社会へ急速に転換しつつあります。自己責任型社会では,時代の変化に,私たちが主体的に対応できる能力が求められます。それには,自分で学ぶ能力を基礎にして,将来の課題を探求し,幅広い視野から総合的な判断を下すことができる課題探求能力を習得する必要があります。
〈現代性〉と〈共生〉
本研究科の名称は,「現代」と「社会文化」によって構成されています。この名称は,2つの理念を表現しています。 理念のひとつは〈現代性〉です。〈現代性〉とは,課題設定の方法についての理念を示します。学生は,社会と文化の全領域から自分の課題を設定し,その課題の解決の仕方を,「現代」の問題と関連づけて研究します。 理念のふたつ目は,〈共生〉です。〈共生〉とは,課題解決の方向性を示す理念です。「現代」の課題を解決するためには,社会と文化について,人間と人間,人間と自然が共存できるシステムを構想しなければなりません。その理念が〈共生〉です。
課程・専攻
| 現代社会文化研究科 | 課程 | 専攻 | 分野・大講座 | 取得できる学位 |
|---|---|---|---|---|
| 博士前期課程(2年) | 現代文化論専攻 | 情報社会文化論 | 修士(文学),修士(学術) | |
| 現代人間科学 | ||||
| 生活健康行動科学 | ||||
| 共生社会論専攻 | 社会経済ネットワーク論 | 修士(法学),修士(行政学),修士(経済学),修士(学術) | ||
| 法政ネットワーク論 | ||||
| 現代社会ネットワーク論 | ||||
| 社会文化論専攻 | アジア社会文化論 | 修士(文学),修士(学術) | ||
| 欧米社会文化論 | ||||
| 比較社会文化論 | ||||
| 現代マネジメント専攻 | マネジメント | 修士(公共経営学),修士(経営学) | ||
| アカウンティング | ||||
| 博士後期課程(3年) | 人間形成文化論専攻 | 人間文化論 | 博士(学術),博士(文学),博士(法学),博士(経済学),博士(教育学) | |
| 社会統合論 | ||||
| 地域社会形成論専攻 | 地域文化論 | 博士(学術),博士(文学),博士(法学),博士(経済学) | ||
| 地域社会論 | ||||
| 国際社会形成論専攻 | 国際文化論 | |||
| 国際社会論 |
博士前期課程・現代文化論専攻
科学・情報・医療技術の急速な発展および社会や経済のグローバル化とあいまって,人間は現在,これまでになかったような地球規模の文化変容と価値観の変化を経験しつつあります。本専攻は,こうした社会や文化の変容過程を明らかにしながら,現代社会や現代文化がもつ特殊性について考察します。さらに,それら社会や文化の変容にともなう価値観や人間観の変化および人間心理の変容,そして生活・健康環境の変化などの問題について,実証的かつ総合的なアプローチを行います。
博士前期課程・共生社会論専攻
現代社会は,経済・金融のボーダーレス化,情報伝達の世界的拡大と高速化,グローバルな環境・エネルギー・食料・資源等に関する問題の顕在化,平和・人権に関する認識の共通スタンダードの普遍化の現象に見られる通り,極めて強力で緊密な相互依存のネットワークを形成しています。本専攻は,このような状況のもとで,国内はもとより国際的な共生を実現する上で欠くことのできない平和・人権・環境・資源・技術等に関する関心を涵養しながら,国際関係や国際的な経済構造,国際的な技術革新に伴う構造変化,国際組織や国内政治のメカニズム等をリアルに分析・理解する能力の育成を目指します。
博士前期課程・社会文化論専攻
社会や経済や文化のグローバル化が急速に進むなかで,現在,社会や文化間の相互理解が大きな課題となっています。また,地域に立脚することの意味や価値も問い直されています。本専攻では,地域社会の本質や特性を深く理解することから出発して,社会や文化間の比較を行うことによって,これらの問題の解明に取り組みます。とくに,日本や環日本海地域,さらに欧米などの諸地域について,その歴史的形成過程と言語・文化的特性を浮彫りにすることによって,総合的なアプローチを行います。
博士前期課程・現代マネジメント専攻
経済のグローバル化が進展するなかで,社会経済の環境が急速に変化しつつあります。そうしたなかで,企業は,情報技術の最新の成果を取り込みつつ,組織内,組織間,組織と個人,企業と顧客との関係を変貌させつつあります。行政も民間組織における経営戦略や経営手法を摂取した質の高いサービスを提供しつつあります。本専攻は,企業及び行政のマネジメントを総合的・体系的に研究し,より進んだマネジメント・システムを考究します。
博士後期課程・人間形成文化論専攻
人間の発達を広く人間形成として捉え,社会と文化にかかわる課題を総合的に考察する専攻です。人間形成にかかわって,社会が多様化し,様々な問題が顕在化してきています。このような現状に鑑み,家庭・学校教育・地域社会・企業社会などの環境・文化について,人間形成にかかわる諸課題を総合的な観点から分析し,問題点を把握します。さらにそのうえで,人間形成にかかわる課題解決について理論的・実践的に考究します。
博士後期課程・地域社会形成論専攻
グローバル化によって,東アジア・日本・地方など様々なレベルの地域社会がドラスティックに変動していますが,それぞれの地域社会が直面する諸課題は,当該地域の文化・社会の形成から解きほぐしていく必要があります。本専攻では,日本を含む東アジアの地域的特性に視点を据えて,固有文化の形成,近代化と固有文化との相克,地域圏の形成及び地域内交流を人文科学と社会科学にまたがる統合的・学際的なアプローチで考察していきます。
博士後期課程・国際社会形成論専攻
グローバル化する社会の諸課題は,広く国際的視点から国際社会の形成として探求する必要があります。本専攻では,人文科学と社会科学を統合したアプローチで国際社会における社会と文化の問題を歴史的に比較的視点から考察する一方,制度ないしはシステムの面から分析していきます。
教育の特色
(1)課題探求型の総合型大学院
本研究科は,人文科学・法学・経済学・教育科学にまたがる多数の教員を擁しています。学生は,自分の研究課題に沿う指導を受けることができます。
(2)一人ひとりに合わせた指導体制
学生一人ひとりに履修指導委員会(主指導教員1名・副指導教員2名によって構成されます)を設け,学生の研究課題に応じた履修指導と論文指導を行います。
(3)専門型の前期課程,学際型の後期課程
課題を探求するには,専門性と学際性との調和のとれた能力を有する必要があります。
前期課程では,各自の課題を探求するに必要な専門的学力の習得に努めます。そのことから,専門性を主・学際性を副とするカリキュラムを用意しました。
後期課程では,課題解決能力の獲得を目指します。そのことから,学際性を主・専門性を副とするカリキュラムを組みました。教員・学生による研究プロジェクトにも参加します。
(4)課題に応じた学位
本研究科では,各自の研究課題に応じた学位を取得できます。
前期課程では,修士(文学),修士(法学),修士(行政学),修士(経済学),修士(経営学),修士(公共経営学),修士(学術)の7種類から,いずれかの学位を取得できます。
後期課程では,博士(学術)を基本としつつ,博士(文学),博士(法学),博士(経済学),博士(教育学)の5種類から,いずれかの学位を取得できます。
(5)社会人や外国人にも開かれた大学院
社会人や外国人を積極的に受け入れるために,入学試験では,社会人や外国人を対象にした特別入試を実施しています。また社会人学生に対しては,必要に応じて,夜間授業等を開講しています。
(6)学位取得に向けた履修体制
前期課程では2年,後期課程では3年の標準修業年限で学位を取得する履修体制を組んでいます。短期履修(修業年限の特例として,優れた研究業績を上げた者に適用)や長期履修の制度もあります。
研究目的・特徴
現代社会文化研究科では,現代の問題の解決に向けた研究,および,人間と人間,人間と自然の共存のためのシステムの構築に向けた研究を中心とする,現代性と共生を軸にした研究を理念としています。この理念が,研究の高度化を進める際の精神的な土台となっています。
この理念に即した本研究科の研究目的は,第一に,環日本海地域の国際的研究拠点大学として,構成する教員の間で学際的な協力関係を築き,人文社会科学の広い分野で,特色ある高度な研究を発展させることにあり,第二に,地域貢献の一環として,共生を目指し地域社会のシンクタンクとしての役割を担うことにあります。
本研究科では,第一にプロジェクト方式による研究により,学際的で複合的な共同研究の推進と高度化をはかってきました。プロジェクトは,現代性と共生のいずれかあるいは両方を軸としたものです。第二に,本研究科の教員を中心に,新潟大学コア・ステーション(地域文化連携センター,環東アジア研究センター,19世紀学研究所・Institute for the Study of the 19th Century Scholarship)を組織し,国際シンポジウムを主催し,日本語以外での発表を行い,国際的研究拠点の形成と地域のシンクタンクとしての役割を推進させる機能を担ってきています。
こうした研究の特徴により,第一に現代の課題発見に向けた研究,第二に現代の課題解決に向けた研究を推進しつつ,国際シンポジウムに積極的にかかわる若手の研究者(留学生を含む)の間に,共生に向けた問題意識を育み,国際的でかつ複眼的な視野をもたせるよう共同研究を推進させてきた点に研究科としての特徴があります。第三に『ブックレット新潟大学』を刊行し,地域貢献の一環として,高校生や大学生を対象に,本研究科の教員による国際的研究の面白さと知的スリルを知ってもらう事業を推進しています。