大学院医歯学総合研究科 研究科の特色

大学院医歯学総合研究科の特色

教育理念

 生命科学や技術の著しい進歩,21世紀の医療課題と多様化するニーズに対応するため,先端的生命科学についての教育・研究に重点を置くとともに,その成果を医療の進展に生かす探索型医療研究を推進し,地域社会と世界の医療に貢献することを理念とします。

課程・専攻(平成22年度現在)

医歯学総合研究科 課程 専攻 講座 取得できる学位
修士課程 医科学 修士(医科学)
博士課程
(前期2年
の課程)
口腔生命福祉学 修士(口腔保健福祉学)
博士課程
(後期3年
の課程)
博士(口腔保健福祉学)
博士課程 分子細胞医学 遺伝子制御 博士(医学),博士(学術)
シグナル伝達
細胞機能
分子情報医学
連携大学院
生体機能調節医学 内部環境医学
器官制御医学
機能再建医学
感覚統合医学
腎科学
可塑性機能制御
地域疾病制御医学 国際感染医学
地域予防医学
総合医療評価学
口腔生命科学 口腔健康科学 博士(歯学),博士(学術)
摂食環境制御学
顎顔面再建学

修士課程・医科学

 医学,歯学及び獣医学部以外の卒業生を対象とし,医学,生命科学を基礎とした医科学教育・研究活動を行い,生命科学の進展・拡大に伴い発現しているテーラーメイド医療,再生医療,情報化社会に適合した地域医療等の課題を探索し,医療・福祉分野での基礎的医学研究者及び高度専門職業人を養成します。

博士課程(前期2年の課程)・口腔生命福祉学

 口腔を中心とした生命医療科学を基盤とし,保健医療福祉制度を含む実践的な社会福祉学領域との統合的・学際的研究を推進するとともに,これらの分野における高度かつ統合的な学識と技術力を持つ研究者及び高度専門職業人を養成します。

博士課程(後期3年の課程)・口腔生命福祉学

 口腔生命福祉学専攻(博士課程後期3年の課程)は,摂食・口腔機能の育成および維持向上,安心・安全な食介護の推進に関し,口腔を中心とした生命医療科学を基盤としながら,保健・医療と社会福祉学領域と学際的研究を推進できる指導的教育研究者及び地域・国際社会において指導的役割を果たせる高度専門職業人を養成します。

博士課程・分子細胞医学

 疾患を分子細胞生物学的手法で解析する研究を行い,疾患の予防法,治療法を開発するとともに,分子細胞医学に関わる先端生命科学,応用専門医学,境界領域医学の研究者及び高度医療専門職業人を養成します。

博士課程・生体機能調節医学専攻

 生体を臓器,器官の面から総合的に捉え,生体機能,病態を解析する研究を行い,疾患の予防法,治療法を開発するとともに,生体機能調節医学に関わる先端生命科学,応用専門医学,境界領域医学の研究者及び高度医療専門職業人を養成します。

博士課程・地域疾病制御医学

 疾病を社会,空間,時間などとの関連から分析する研究を行い,少子高齢化,情報化社会に対応する地域的疾病の予防法,制御法を開発するとともに,地域疾病制御医学に関わる先端生命科学,応用専門医学,境界領域医学の研究者及び高度医療専門職業人を養成します。

博士課程・口腔生命科学

 口腔科学に関する教育・研究に取り組み,自ら研究課題を開拓し,独創的な研究を遂行する能力のある研究者及び科学的基盤をもち超高齢社会で指導者となる高度医療専門職業人を育成します。

特色

 医歯学総合研究科は,従来の医学部と歯学部の壁,講座間の壁を取り払い,医学・医療を取り巻く環境の変化に対応しうる教育や研究を行い,21世紀における先端生命科学研究を担える研究者や,この研究成果に支えられた臓器移植や遺伝子治療などの先進医療を行える医師や歯科医師,地域社会又は国際社会での予防医学的実践活動の出来る公衆衛生実践者などの高度専門医療人を養成します。

 本研究科の特徴として,医学と歯学の統合による学際的教育,国際性,社会人と留学生の積極的な受け入れ,が挙げられます。創意工夫と問題解決能力に富む人材を育成するためには,異分野の複数教員が指導することが重要であるとの観点から,主指導教員と副指導教員による多面的指導体制を導入しています。
 修士2年課程の医科学専攻,博士4年課程の分子細胞医学,生体機能調節医学,地域疾病制御医学及び口腔生命科学の4専攻に加え,口腔を中心に保健・医療と社会福祉学領域などとの学際的研究を推進できる研究者・高度専門職業人を養成することを目的とした口腔生命福祉学専攻(博士前期2年,後期3年課程)を新たに設置しました。医歯学総合研究科では,医歯学系の教員の他,医歯学総合病院,脳研究所,腎研究施設の教員,さらには,総合大学の利点を生かし,大学院自然科学研究科,人文学部,教育学部,法学部,理学部,工学部の教員も協力教員として参加し,多面的な教育・研究を行っています。

 また,地域・国際社会からの要請に応えて,留学生の受け入れを積極的に進め,留学生に対する教育体制を整備しています。さらに,医学・歯学の発展・拡大・多様性に伴って,キャリアアップを目指す様々な職種からの社会人入学生が増加しています。昼間働きながら学習できる環境としてオンライン教育を導入し,標準年限では不足する研究時間に対しては昼夜開講を実施し,より長期の教育にも柔軟に対応できる体制を整えています。

研究目的・特徴

 医歯学総合研究科は,医学及び歯学で本学の特色である世界的にも卓越した研究領域と医学,歯学の学際的先端生命科学を推進し,その成果を先端医療へ応用する探索型医歯学研究に発展させ,究極的には地域住民を含む国民の健康や福祉の向上を図ることを研究目的としています。

 本研究科の特色ある研究領域としては,腎臓・腎臓病研究,神経・脳研究,感染症研究,口腔の健康・生命科学研究があります。

 腎臓・腎臓病研究では,国立大学法人唯一の腎研究施設を持ち,基礎系3分野(構造病理学,機能制御学,分子病態学分野)が基礎腎臓研究を行っています。特に,ヒトプロテオーム機構の国際プロジェクト,ヒト腎臓・尿プロテオームプロジェクトを本学が主導しています。また,腎研究施設,腎臓病の臨床系3分野(腎・膠原病内科学分野,小児科学分野,腎・泌尿器病態学分野),関連する2寄附講座(機能分子医学講座,腎医学医療センター)などが連携して臨床腎臓病研究,探索型研究を行っています。

 神経・脳研究は,本学の附置研究所で国立大学法人唯一の脳研究所と連携した基礎系分野と臨床系分野などが連携して神経の基礎研究から疾患の研究までを広く推進しているのが特徴です。

 感染症に関連する研究は5基礎系分野で行われており,インフルエンザウイルスの薬剤耐性株出現機構,本邦初のGIS(地図情報システム)の医療・医学部門への応用によるインフルエンザの伝播研究,流行把握の国際共同研究などがなされています。

 口腔の健康・口腔生命科学研究では,口腔の健康を「食べる」,「飲み込む」,「話す」,「表情を作る」などの「人間として生きていくために必要な機能の回復・維持にある」という視点で捉え,「歯」だけでなく,口腔機能を中核にすえた「口腔生命科学」として統合的な教育・研究・臨床を推進しています。