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人文学部の細田准教授が「2010年度新潟大学人文科学奨励賞 阿部賞」受賞

 人文科学系における顕著な業績をあげた本学の研究者に対し奨励金を授与する「人文科学奨励賞 阿部賞」に,今年度は人文社会・教育科学系(人文学部)の細田あや子准教授が選ばれ,この度,人文学部長室で授賞式が行われました。

受賞対象となった業績は,


細田あや子准教授著 『「よきサマリア人」の譬え 図像解釈からみるイエスの言葉』(三元社,2010年3月,452頁)

です。

 この賞は,2006年度に阿部洋一氏の寄附金を基に人文学部が創設し,今回で5回目を迎えます。

 受賞式では,阿部氏をはじめ,関尾人文学部長,桑原教授(人文学部研究推進委員会委員長)ら人文学部教員が参加し,関尾人文学部長の挨拶の後,阿部氏から細田准教授に目録が授与されました。


受賞の選考理由(人文学部研究推進委員会)

「 細田あや子著『「よきサマリア人」の譬え 図像解釈からみるイエスの言葉』は,著者がハイデルベルグ大学に博士論文として提出し,2002年にドイツ語で出版された書をもとにその後の文献をも考慮し手を加えて出版されたものである。

 本書は,ナザレのイエスが人々に「譬え」を用いて語ったさまが聖書に記されている点に着目し,中でも作例が比較的多く残されている「よきサマリア人」の譬えに注目し,福音書のテクストがいかに画像として表現されたかを問うた大著である。本書の特徴は第一に福音書におけるイエスの譬えを教父時代,中世神学に遡り,文献表現形態を丹念に読み解き,その多義的構造を明らかにし,さらには,それらの画像がどのように伝達され,受容されたかという画像によるコミュニケーションの問題にまで説き及んでいる点である。多くの信者が文字を読むことができなかった時代に「声の文化」のなかで図像が,朗読,身振り,そして視覚によって「身体的に」重層的に理解されたという著書の指摘は鋭い。西欧文化圏のみならずビザンティン文化圏をも包括した多数の図像を緻密に読解した本研究は画期的な業績であり,高く評価できる。

 本委員会は,以上の理由により,細田氏に阿部賞を授与することに決定した。」

阿部氏(右)から目録を授与された細田准教授(左)