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学長メッセージ「この秋に卒業・修了する皆さんへ」2021年9月

学長メッセージ「この秋に卒業・修了する皆さんへ」

新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、2021年9⽉21⽇(火)に予定していた令和3年度秋季卒業式は中止となりましたが、式典の開催に代わり卒業生・修了生へ向け、キャンパス風景や行事の写真を織り交ぜた学長メッセージ動画を制作し、本学WEBサイト及びYouTubeに公開しました(公開期間:9月21日~10月31日)。動画の公開期間は終了しましたが、その際の学長メッセージを以下に掲載いたします。

 


この秋に新潟大学を卒業する学部生の皆さん、そして研究科を修了する大学院生の皆さん、卒業・修了、誠におめでとうございます。新潟大学を代表して、心よりお祝いを申し上げます。

例年は、秋季卒業式をライブラリーホールで開催することにしており、皆さんに集まっていただき、私もアカデミックガウンを身に纏い、お祝いを述べることになっていました。しかし、今年もまだ新型コロナウイルスCOVID19のパンデミックが収まらないことから、私からのお祝いも、このビデオメッセージにさせていただきます。皆さんにとって、人生の大きな節目でもある卒業に際し、直接お会いしてお祝いできないのは大変残念ですがどうぞご理解ください。

コロナ禍のため、この1年半の授業はほとんどオンラインになってしまいましたが、皆さんの新潟大学での学生生活はいかがだったでしょうか?コロナ禍という制限された状況であったとしても、皆さんが友人たちとの絆を保ち、知的好奇心を失わずに勉学に励み、有意義な大学生活を送ってくださったのではないかと願っています。

卒業に際して、今一度、新潟大学の理念についてお話ししたいと思います。皆さん、新潟大学の理念を覚えているでしょうか?それは「自律と創生」です。

文字通り、「自律」は自分自身で立てた規範に従って行動すること、「創生」は新たなものを作り出すことです。新潟大学で学んだ皆さんは、他人の真似ではなく、「常に自分で自分の規範を立てる習慣」を養ってくれたと、私は信じています。

すなわち、それは、自分自身で物事をよく見聞きし、事実を自分の目で見極めて、判断していく、そういう習慣です。この「自律と創生」の理念で培った力は、新潟の街のシンボルである「柳」の枝のように、しなやかで折れない「真の強さ」となり、皆さんの将来を照らしてくれるに違いありません。

さて、コロナの波が何度も押し寄せていて、だんだんその波も大きくなり、出口が見えない現在ですが、このコロナ禍が終わった後には、どんな世界が皆さんを待っているのでしょうか?

コロナ禍において、オンライン化が一気に進みました。授業のオンライン化は皆さんにとって最も現実的なことでしたが、様々な会議もすっかりオンライン化し、学会活動もオンラインとなりました。当然のことながら、外国との行き来も難しい状況ですが、インターネットのおかげで、国際会議や海外との交流もオンラインで行われるようになってきています。コロナ禍のこうした変化は、コロナ禍が過ぎても、きっと様々な形で受け継がれ、新しい形のコミュニケ―ション社会がつくられていくものと思います。その意味で、皆さんのこのコロナ禍の経験が生かされるものと思います。

デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉も現実味を帯びてきました。DXの定義は「デジタル技術を社会に浸透させることで、人々の生活をよりよいものへと変革させること」だそうです。まさに、このコロナ禍の中で、デジタル技術が私たちの生活の中に、どんどん浸透してきています。しかし、それが我々の生活をより良いものに導かなければ DXとは言えないでしょう。インターネットが普及し、世界のニュースをネット上でリアルタイムに知ることができるようになりました。しかし、一方で、フェイクニュースが横行したり、SNSを介した誹謗中傷が、「炎上」という形で暴力的に行われたりするようにもなりました。こうした複雑な社会で、新しいモラルを作ることができるのは、今の時代を生きている皆さんです。

コロナはやがて必ず収束します。その時に見えてくるこうした新しい時代を、コロナ禍に暮らし、コロナ禍に耐え、コロナ禍で考え、コロナ禍を乗り切った皆さんに切り拓いていってもらいたいと願っています。そして、特に、新潟大学を巣立つ皆さんには、新潟大学の理念「自律と創生」を胸に、このコロナ後に広がる未来の社会を切り拓くフロントランナーとして活躍してください。

卒業・修了に向けて、皆さんに三つのお願いをします。

一つ目は「知的好奇心を生涯持ち続けてほしいこと」。
二つ目は「学び続けてほしいこと」。
そして三つ目は「皆さんが抱いている夢を生涯忘れないでほしいこと」です。
知的好奇心は創造力の源です。そして継続は力です。また、夢は皆さんが生きていく上の道しるべです。卒業後・修了後にどんな道に進むとしても、どうか「自律と創生」を胸に刻み、自分自身でよく見聞きし、事実を自分で見極めて判断しながら、「知的好奇心」を失わず、「学び続けること」を忘れず、様々なことに挑戦し、自身の「夢」に忠実に進んでもらいたいと願っています。

新潟大学は皆さんの母校であり、ふるさとです。新潟大学で学んだ誇りをもって、未来への一歩を踏み出してください。そして、皆さんが、新潟大学で知り合った仲間たちとつながり、また新潟大学とも引き続き絆を深めながら活躍してくださり、輝きを増していただきたいと願っています。そして、さらには皆さんの後に続く未来の学生たちの目標となり、道しるべとなることを大いに期待しています。

卒業・修了おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。最後に皆さんへのはなむけに、私の好きな言葉、ドイツの詩人フリードリヒ・フォン・シラーが残したとされる言葉をお贈りします。

Stay true to the dreams of thy youth!

未来に幸多かりきことを!

令和3年9月

新潟大学長 牛木辰男

英語・中国語版学長メッセージ

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