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学長メッセージ

令和4年度入学式 学長告辞

新入生の皆さん、新潟大学へのご入学、誠におめでとうございます。新潟大学を代表し、心からお祝いを申し上げます。また、新入生の皆さんのこれまでを支えてこられたご家族、関係者の皆様方にも、心からお慶びを申し上げます。

この度、新潟大学に入学を認められたのは、学士課程2,385名、大学院修士課程605名、大学院博士課程115名、大学院専門職学位課程15名、養護教諭特別別科48名、の総計3,168名です。

新潟大学の入学式は例年、この朱鷺メッセでご家族もお招きして開催していましたが、3年前の12月に中国武漢で発生した新型コロナウイルスによる感染症COVID-19の世界流行、すなわちパンデミックにより、一昨年、昨年と開催を取りやめてきました。パンデミックは3年目を迎え、いまだ感染が収まらないままではありますが、その中で感染予防対策を取りながら、このように入学式を全学合同で開催できますことを主催者として大変うれしく思っています。ただ、ご家族の皆様には、オンラインという形での参加にさせていただきましたこと、大変残念で申し訳なく思いますが、どうぞご容赦ください。

さて、入学生の皆さんは、昨年に引き続き、コロナ禍という厳しい状況の中での大学入試となりました。皆さんにとって、さまざまな不安を抱えた、緊張に満ちた大学受験だったと思います。私たち大学関係者も、昨年同様に緊張に満ちた特別な入試の年でした。

そうした厳しい状況の中で、受験勉強の日々を乗り越え、入学を果たされて、さぞかしホッとされていると思います。そして、待ち望んだ大学生活に向けて喜びと期待がいっぱいのこととも思います。また、その一方で、まだ止まぬコロナ禍の中の大学生活に不安と戸惑いも多いのではないのでしょうか。

実際に、もう少しコロナ禍の中での感染予防対策を行いながらの大学生活が続くことになります。こうした中で、どのように大学生活を送るのか。それが入学に当たり皆さんが一番最初に向かい合わなければならない出来事です。

さて、そのことを考える前に、まずは皆さんに新潟大学の理念についてお話したいと思います。

新潟大学の理念は「自律と創生」です。文字通り、「自律」は自分自身で立てた規範に従って行動すること、「創生」は新たなものを作り出すことです。

新潟大学は、この「自律と創生」の教育理念のもとで皆さんに接し、新潟のシンボルでもある柳のように、あの柳の枝のようにしなやかで折れない「真の強さ」を持った人材が育つことを願っています。入学にあたり、ぜひこの言葉を胸に刻んでいただきたいと思います。

すでにお話ししたように、これから始まる大学生活は、コロナ禍が続く間は、いろいろな制約があることと思います。しかし、コロナは必ず収束します。そして、皆さんが卒業を迎えるころには、きっとコロナ禍を乗り越えたあとの新しい時代が訪れているに違いありません。

したがって、皆さんには、今、この制約の中で何ができるか、あるいは制約を逆に生かして何ができるか、そして、それをコロナ後に生かすことができないか、というように、どうか物事をポジティブにとらえて、皆さんの好奇心の翼を最大限広げながら、実りある大学生活を送っていただきたいと願っています。

そして、コロナ禍でどう生きるかを、他人の受け売りではなく、自分で考えてみてください。そのために、自分の規範を自ら立てて、物事を考える習慣を養ってもらいたいと思います。自分自身で物事をよく見聞きし、事実を自分の目で見極めて、判断していく、そういう力です。それが、新潟大学が皆さんに求める「自律と創生」です。

新潟大学は大規模総合大学です。さまざまな学問分野のエキスパートが集まった「知の拠点」です。したがって、皆さんは自分の専門分野はもちろんですが、そこに限らない様々な学びを得ることができます。また、机から離れたフィールドワークもあるでしょう。コロナ禍が落ち着いてくれば留学という機会も出てくるでしょう。もちろんコロナ禍の今にあっても、オンラインを用いて、さまざまな活動が行われ、海外の学生や研究者との交流も行われています。最初に自分で自分の枠を決めてしまわないで、大学にいる間に、多様な出会いの経験をしてもらいたいと思います。それがきっと皆さんの大きな力になるでしょう。

また、大学の学びにおいては、高校までの試験問題のような、答えのあるものばかりではなくなります。むしろ、答えのない課題や問題に出会うことが多いでしょう。しかし、未来に立ち向かう力は、そうしたことに真摯に向き合うところから始まります。「答えのない問題に立ち向かう勇気と、それを克服する根気」を大学生活の中で養ってもらいたいと思います。

少し話が変わりますが、新潟大学は昨年2月末に10年後を見据えた将来ビジョンを策定しました。そこでは、直近の未来である2030年に向けて、新潟大学が果たすべきミッションを、「未来のライフ・イノベーションのフロントランナー」となることと定めています。

ここで新潟大学が定義する「ライフ・イノベーション」とは、単に「医療・健康・福祉分野」に留まらず、21世紀を生きる我々の「生命」、「人生」、「生き方」、「社会の在り方」、「環境との関わり」と、それらの土台となる「地球」や「自然」についての新たな価値と意味を生み出すための革新を指しています。そして、新潟大学は、未来の人間社会に資する研究と、未来の社会に活躍する人材の育成を進めたいと考えています。

どうか、入学に際して、新潟大学の理念を胸に刻み、そしてこの新潟大学の将来ビジョンを私たちと共有して、新潟大学での学生生活を知的に、そして有意義に過ごしていただきたいと思います。知的好奇心をつねに持ち、学ぶことの楽しさを忘れないで、そして入学時に抱いた夢を忘れずに、その夢に向かって進んでいってください。

社会は常に変化しています。突然訪れたコロナ禍は、私たちが日常と思っていたことが、実にもろく崩れやすいことに気づかせてくれました。そして、日常の中に大切なものがたくさんあることに気づかされました。そしてまた、緊迫するウクライナ情勢も我々の社会を大きく揺さぶっています。

このように、社会は現在も未来も常に変化し続けています。この予測不能な社会を生き抜くための基礎力を、この新潟大学で養ってください。

改めて、皆さん、入学まことにおめでとうございます。心からお祝い申し上げます。そして、卒業時に、大きく成長した皆さんにお会いできることを楽しみにし、私の告辞とします。

令和4年4月4日
新潟大学長 牛木辰男