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学長メッセージ

就任式学長挨拶

就任式

令和2年2月1日付けで新潟大学学長を拝命しました牛木です。2月3日に文部科学省で辞令を頂戴してきました。どうぞよろしくお願いします。

さて、新潟大学の前身は、みなさんご存じのように150 年ほど前にさかのぼることができます。たとえば、明治3年(1870年)に設置された共立病院、明治6年(1874年)に設立された官立新潟師範学校が最も古いものですが、やがて、明治43年(1910年)に官立新潟医学専門学校として開校し大正11年(1922年)に大学に昇格した旧制新潟医科大学と大正8年(1919年)に設立された旧制新潟高等高校が母体となり、これに、三つの師範学校、長岡工業専門学校、新潟県立農林専門学校などが集まって、昭和24年(1949)5月に新制国立大学として発足しました。したがって今年度で、ちょうど70周年の区切りを迎えていることになります。

発足当初は、人文学部、教育学部、理学部、医学部、工学部、農学部の6学部でスタートした新潟大学も、現在は人文社会科学系の人文学部、教育学部、法学部、経済学部、自然科学系の理学部、工学部、農学部、医歯学系の医学部、歯学部に加え、新たな形の創生学部が加わり10学部となり、さらに、人文社会科学系の改組により経済学部が経済科学部として新たなスタートを切ります。

新潟大学は、これら学部のほかに、教育実践学研究科、現代社会文化研究科、自然科学研究科、医歯学総合研究科、保健学研究科という5つの大学院研究科を有するとともに、脳研究所、災害・復興科学研究所という2つの附置研究所をもった研究志向の大学に成長をとげ、さらに医歯学総合病院を有することで、新潟県全域の医療の中核を担っています。

このように、新潟大学は、現在の学生数約13,000人、教職員数約3,000人という、日本有数の大規模総合大学として、地域と世界の発展に資する「知の拠点」の役割を担って邁進してきました。

新潟大学が居を構えるこの新潟市は、本州の日本海側で唯一の政令指定都市です。アルプスの山々の水を集める日本最長の信濃川と、福島県と群馬県に源流を持つ水量豊かな阿賀野川が日本海へ注ぎこむ河口に新潟市はあり、その広大な越後平野がつくる豊かな自然と美しい田園風景に囲まれる魅力を持ちながら、一方で、江戸時代の北前船の重要な寄港地として栄え、また幕末の開港5港の一つとして世界に目を向けてきた歴史があります。

明治時代に日本を旅したイギリスの探検家イザベラ・バードは、明治11年(1878年)に新潟を訪れていますが、当時人口5万人であった日本海側唯一の開港都市の新潟市について、地理的に辺鄙なところなのに、と驚きながら、新潟市が、越後という裕福な地方の主都として、師範学校、英語学校、工学校、医学校など、大学という名に値する学校があることを記し、きちんとして清潔で居心地のよさそうな町と述べるとともに、活気ある町の様子を描写しています。新潟大学は、この豊かな自然と、こうした世界へ開かれた歴史の上に発展をしてきた伝統のある国立大学です。

昨今の国立大学の於かれた現状は、ご承知のように厳しく、大きな変革の中にあり、競争と経営改革の波が訪れています。このような時代には、次世代の「日本の大学」の役割を常に考えながら、明確なヴィジョンと自由な発想のもとに、新潟大学としての「個性と魅力」を見出し、それを強く押し出していかなければなりません。この視点を常に考えながら、
・魅力的な学部教育や、未来社会に資する大学院教育の強化
・特徴ある研究の推進と、より融合的な研究の推進
・産学連携と地域貢献の推進
・医歯学総合病院の健全な経営
・グローバル化の中で大学の個性をさらに伸ばすための国際交流の推進
を目指す必要があります。これを通して、これから訪れるであろう、予測が不能で「不確実な」未来社会を見据えて、国際社会の中で、地域も含めた社会の発展をイメージしながら、そのための高度な人材を社会と連携しながら育成すること、それこそが「知の拠点」「知の自由空間」としての国立大学の現代的な使命、新潟大学の使命だと考えます。全学共同教育研究組織として発足させた、環東アジア研究センター、佐渡自然共生科学センター、日本酒学センターは、こうした理念で社会に開かれた学際的な研究環境の創成を目指すものの代表です。

このように、これからの新潟大学は、日本海対岸のアジアと、その向こうにある世界全体へと開かれた、特色ある日本の「知のゲートウエイ」としての役割をさらに明確にしながら、ますます活発な人材交流と頭脳循環を図り、魅力ある活動を展開していく必要があります。

学生も教職員の皆さまもワクワクするような魅力ある新潟大学になるように、努力したいと思いますので、どうぞご協力のほどをよろしくお願いします。

2020年2月5日
新潟大学長 牛木 辰男