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2019年4月 学長メッセージ

1.はじめに

国立大学法人新潟大学長に就任して早5年が経過し、私の在任期限の令和2年(2020年)1月31日まで1年を切りました。これまで、学長就任直後に「姿デザイン-環東アジア地域を基点に世界を見据えて-」 を、次いで就任4年目の平成29年には、学長メッセージ「ともに築く。現在から未来への道のり」 をホームページに掲載し、私のヴィジョンを述べてきましたが、これがおそらく任期中最後のメッセージになるかと思います。
すでに何度も述べてきたことですが、新潟大学は本州日本海側ラインに立地する大規模総合大学です。その特性を踏まえつつ、分野横断的な教育研究拠点として、地域貢献を視野に入れ、本学の強み・特色ある分野の課題に重点的に取り組むことが、新潟大学の使命だと私は考えます。
そこで、日本海側広域の課題への貢献を通じて地域社会における国立大学の役割を積極的に果たすこと、さらに対岸アジア社会を基点とした国際交流のネットワークを強化し、そこで得られた多様な成果を地域社会へ還元することを基本戦略とし、これまでその実現に向かって取り組んできました。
ここでは、これまで5年間の在任期間を振り返り、第3期中期目標期間(平成28~33年度)中に掲げた「国立大学法人新潟大学 将来展開に向けた機能強化基本戦略・中期経営基本戦略」 を中心に、特に重視した取組をまとめてみます。また、その中で、残りの期間に成し遂げたいことを述べ、さらに今後の展望と次期学長に託したいことに触れることにします。

2.教育関係の取組(戦略1:人材養成システム改革)

(1)学部改組

①創生学部の設立

平成29年度から、「創生学部」が新入生を迎え入れました。新潟大学にとって37年ぶりの新学部です。自ら到達目標を創生する学位プログラムにより、22分野の「領域学修科目パッケージ」の中から選択して学修を進めることができる画期的なカリキュラムです。柔軟な文理融合の教育体制と教育環境の中で、到達目標を学生自身が創生します。また、全学的なクォーター制の導入により、創生学部初年次の夏季休業前には学生全員が長期(4週間)の学外学修(フィールドスタディーズ)に出かけます。
企業や自治体の教育力によりフィールドスタディーズの成果も順調に出ており、学生も確実に成長しています。第1期生はいよいよ3年次を迎え、専門領域を学修する2年目になりました。学生のさらなる成長を大いに期待していますが、一方で、引き続き創生学部としての一体感を維持できるかが大きな課題でもあります。学長として、学生皆さんの意識の継続と、教職員の皆さんの努力を大いに期待しています。

②自然科学系3学部の改組

創生学部の設置と同時期に、理・工・農学部の自然科学系3学部の改組も行いました。各学部を1学科体制(理学部理学科・工学部工学科・農学部農学科)とし、各学部内に複数の専門領域プログラムを立てて教育を行うものです。これにより、学科の縦割り感がなく、関心ある他学問領域も自由に学ぶことが可能になりました。
たとえば、理学部と農学部の2分野横断型の「フィールド科学人材育成プログラム」は動植物生態学や災害科学、気象科学等の複合課題について学ぶことができます。工学部においては、建築、情報通信、材料科学等の伝統的な工学領域はもちろん、芸術・スポーツ等を科学する「人間支援感性科学プログラム」やビジネスリーダーを養成する「協創経営プログラム」が用意されています。技術や知識に加えて感性や経営力を備えた人材の育成を目指しています。
いよいよ新年度から第1期生が3年次生となりますが、これらのプログラムから、次の時代に適応できる優秀な専門人材が育つことを大いに期待します。

③人文社会科学系の学部改組

学部改組で最後に残ったものとして、人文社会科学系学部の改組があります。こちらも現代社会から近未来社会まで対応可能な人材、汎用的能力の高い高度専門職人材を育成できるものになるよう鋭意検討してきましたが、ようやく令和2年度(2020年度)に新入生を受け入れる体制整備をするまでに至りました。これからが正念場ですが、是非ともこの改組を達成させたいと思います。

(2) 大学院改組

大学院改組は、高度な人材育成という観点のみでなく、研究力の向上にも関係しており、学部改組に並ぶ、あるいはそれに勝る、重要な課題です。残念ながら、学部改組に連動したため少し遅れてしまいましたが、任期中最後の最優先課題の一つとして、全力で取り組む所存です。
これには、Society 5.0、超スマート社会に対応可能な知のプロフェッショナル養成を意識し、高度専門職業人と次世代研究者を養成する大学院、社会人の学び直しにもフィットするプログラムを目指します。また、創生学部や自然科学系学部改組による卒業生が大学院に入学する令和3年度(2021年度)に新入生を受け入れる体制整備を目指しています。
現在、この大学院改組の中核的な構想として、文理融合の融合プログラムを実現できる環境と体制づくりを進めています。特に、卓越大学院プログラムへのチャレンジを通じて、既成の大学院の枠組みの中で、人文社会科学系、自然科学系、医歯学系が協働して融合的なプログラムを築き、大学の質の保証と、国際性、文理の垣根を越えた未来志向のプログラム、学生に魅力的な大学院プログラムを可能にすることを進めます。

(3)長期学外学修プログラムの充実

初年次の夏期休業前(第2ターム)等、入学後の早い段階から企業や自治体において実習を行う長期学外学修プログラムを積極的に取り入れてきました。すでに、創生学部においては、すべての学生の必修としていることを述べましたし、全学の1、2年生を対象とした長期・企業実践型プログラムでは、夏期休業中の3~5週間に企業等における実践的な課題に取り組むなど、以前から先行実施してきています。学生たちの学外学修後の成果発表を聞くと、大学生としての自覚に目覚め、積極的に学ぶ姿勢を持つようになり、確実に成長していることを実感します。改めて、企業や社会の教育力に感謝したいと思います。今後さらに多くの学生たちが、参加できる体制を目指します。企業や自治体との関係を良好に保ち、積極的に協力していただける関係を構築するために、私も学長として努力しますが、学生や教職員の皆さんの協力もどうぞよろしくお願いします。
なお、本学独自の学外学修であるダブルホームも、学外社会(地域)の教育力を活用した取組です。10年以上前から実施されており、私もこれを引き継いで推進してきました。その結果、今では県内外17か所の地域を対象として、学生たちが現地を訪問して地域の行事や農業等に関わりながら人々と交流を深め、多様な学びを得ることができています。また、参加学生たちが主体的に運営するシンポジウムも10回を数え、地域住民の方々の積極的な参加も得て、ますます有意義な教育プログラムになっています。今後もこのダブルホームの継続を期待しますが、一方で、今後はマンネリ化を避けるためにも新たな地域の開拓も必要です。これまでは中山間地域を中心に行ってきた活動を、新潟市等の都市部を舞台として実施することで、古町の空洞化の問題など、重要かつ多様な新たな課題が見つかるのではないかと思います。

3.社会との連携(戦略2:社会貢献システム確立)

(1)環東アジア地域教育構想

日本海側ラインの中心新潟から「環東アジア」地域へ、環東アジア地域から新潟へ社会還元型の相互連携強化を目的として、環東アジア地域教育研究ネットワークと環東アジア研究センターを立ち上げました。

①環東アジア地域教育研究ネットワーク(EARNet機構)

https://www.earnet.niigata-u.ac.jp/

新潟大学が育んできた、環東アジア地域における文化・歴史、政治・経済、医学・医療、産業技術等に関連する教育研究成果は多数ありますが、これまでこれらをまとめて発信する仕組みがありませんでした。こうした研究や教育の取組を外から目に見えるようにするためには「ショーウィンドウ」のようなものが必要です。こうした理念からできたのが「EARNet機構」です。まだ、十分な機能を果たしているとは言えませんが、今後このホームページを充実させ、世界に発信できるコンテンツとしていくことで、新潟大学のステイタスを高め、さらには、環東アジア地域と新潟との連携を深めるためのプラットフォーム機能を強化していきます。

②環東アジア研究センター

一方で、新潟大学の環東アジア研究の要となる研究組織を「見える化」することも重要です。その観点から、平成30年10月に「環東アジア研究センター」を全学共同教育研究組織として創設しました。このセンターでは、グローバリゼーション諸相と共生、文化の継承と交流、食と健康を基本テーマとし、スタート時には、(i)モンゴル史研究によるユーラシアにおける文化と人の流動性、(ii)アニメアーカイブ研究、(iii)中小企業ナレッジネットワーク研究を主軸に、本学の環東アジア地域における研究活動が一層活発になることを目指します。

③世界展開力事業

文部科学省「大学の世界展開力強化事業」が、平成26年度から環東アジア地域を対象とした取組を中心に4年連続で採択され、本取組を加速してくれています。即ち、①日露の経済・産業発展に資するグローバル医療人材育成フレームワークの構築プロジェクト(平成26年度~)、②トルコとの経験・知恵と先端技術の融合による防災を意識したレジリエントな農学人材養成(平成27年度~)、③メコン諸国と連携した地域協働・ドミトリー型融合教育による理工系人材育成(平成28年度~)、④北海道大学と新潟大学を中心とした日露経済協力・人的交流に資する人材育成プラットフォーム(平成29年度~)の4事業であります。
学長就任直後に「スーパーグローバル大学」事業に採択されなかったことは非常に残念でしたが、その後のこれらの強化事業により確実に国際交流は活発になっています。今後は、環東アジア研究センターを核とした更なる発展を大いに期待し、是非とも、そうしたアプローチを進めてもらいたいと思います。

(2)海外大学との交流協定とリエゾンプロフェッサー制度

https://www.niigata-u.ac.jp/campus/international/internationaldata/partner/

海外の大学との交流協定は、部局間協定と比べて大学間協定が極端に少ないのが本学のグローバル化推進の大きな課題でした。平成25年度までは部局間協定181に比して大学間は32校のみでした。そこで平成26年より部局間協定から大学間協定への整備を積極的に進めたところ、平成30年度末までに78校まで増やすことができました。国際共同研究や学生交流の活発化、キャンパスのグローバル化に繋がると期待するものです。
また、国際交流の更なる発展を目指し、本学の卒業生・修了生を中心とした海外の大学等に勤務する教員・研究者で、本学の国際交流に大きく貢献されている方に「リエゾンプロフェッサー」の名称を付与するという制度を設けました。平成28年度には10名、平成29年度に7名、平成30年度に1名の計18名に付与し、名称付与の際には本人を新潟大学に招へいし、「アセンブリー」と称した会合を開催しています。これにより、各国の「リエゾンプロフェッサー」が、本学の国際ネットワークの構築・推進を強力にサポートしていただけると大いに期待し、その活動を学長として推進していきます。

(3)自治体、企業等との連携協定とサポーター倶楽部の設立

県内自治体との連携は、今後の大学にとって極めて重要です。そこで、その連携を深めるために、平成28年から30ある新潟県内全市町村を私自身ですべて訪問し、各自治体の首長と面談してきました。さらに民間企業も多数訪問して、新潟大学の改革の方向性と取組、産学連携・共同研究、社会貢献への意欲について理解と協力を得るよう努めてきました。
また、学長就任後、新たに包括的な連携協定は14件締結しました。内訳は、国・地方公共団体と7件、民間企業と4件、その他の機関との3件です。
このように、社会と繋がった新潟大学になるよう努めた結果、平成29年度に日本経済新聞「大学の地域貢献度調査」において全国11位にランクインしたことは、大変に嬉しいことでした。さらに、意欲ある女性が働きやすい環境づくりを積極的に行っている企業を評価する「Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2018」において、企業部門・従業員数1,000名以上の部において、本学は第7位に入賞したこともうれしいことです。
https://www.niigata-u.ac.jp/news/2018/50855/

4.研究関係(戦略3:イノベーション創出環境醸成)

(1)若手研究者の活性化

https://www.niigata-u.ac.jp/contribution/research/yw_support/
https://www.niigata-u.ac.jp/news/2018/50775/

若手研究者の研究力活性化は、大学の発展のための最重要課題です。そこで、平成26年度より学長賞(若手教員研究奨励)を設置しました。毎年度、顕著な研究成果を上げた若手の研究者5~6名を選考し、顕彰と奨学金を授与していますが、彼らは受賞後も順調に優れた業績を上げてくれていて、頼もしい限りです。
また、異分野連携・融合研究を支援する交流イベント「U-goサロン」を平成28年度より年2回のペースで開催してきました。これにより、若手研究者を中心に、自然科学系から人文社会科学系まで様々な分野の研究者が集まり、活発な討論が行われていることは大変うれしいことです。また、ここから、いくつかの融合研究の芽が生まれ始めていることも、将来を期待させてくれる出来事だと思います。

(2)三つのセンターの設立

「新潟」という地域の国際的な優位性を基盤とした、本学に特徴的な研究の推進のために、環東アジア研究センター、佐渡自然共生科学センター、日本酒学センターの設立と推進をしてきました。このうち、環東アジア研究センターについてはすでに述べたため、ここでは残りの二つのセンターとさらなる展開について触れたいと思います。

①佐渡自然共生科学センター

佐渡には新潟大学理学部附属臨海実験所、演習林、朱鷺・自然再生学研究センターが存在します。これらの3施設を統合し、平成31年4月に、全学共同教育研究組織として、「佐渡自然共生科学センター」を開設しました。これにより、自然共生社会の実現に向けた多様な研究の展開を図り、市民と大学が協働する研究拠点をつくります。これにより、超高齢化・人口減少社会における持続可能な社会のモデル構築を大いに期待したいものです。

②日本酒学センターの設立

https://www.niigata-u.ac.jp/news/2018/40588/

平成30年4月に「日本酒学センター」を立ち上げました。先立って、醸造試験場を所管する新潟県及び新潟県酒造組合との連携協定を締結しました。日本酒学センターでは、日本酒に係る文化的・科学的な幅広い分野を網羅する学問分野「日本酒学」を構築し、国際的な拠点の形成とその発展に寄与することを目的とします。これにより、教育、研究、情報発信、国際交流に関する事業展開を目指しています。すでに、学内の学生向け講義だけでなく、一般向けの公開講座・体験講座等々、いずれも非常に多くの参加者を得て極めて好評であり、今後の発展を大いに期待しています。
また、日本酒学センターとの連携研究機関として、ブドウ・ワイン科学研究所(Institute of Vine & Wine Science:ISVV)を有するフランスのボルドー大学と大学間交流協定を本年1月に提携しました。
https://www.niigata-u.ac.jp/news/2019/51614/
これにより、醸造学の分野での共同研究・学生交流のみならず、新潟を日本酒の銘醸地として世界的に広めてゆくための多様な取り組みを進めようとしています。さらに日本酒学研究会を立ち上げ、他大学の参加も促すなど、さらにチャレンジしていきたいと思います。

③さらなる展開として

このほか進めているものに、燕三条エリアのモノづくり企業群との協働があります。日本の産業の根幹は自動車や半導体、ロボットなど高度なモノづくりです。特に金属加工等では、燕三条エリアの中小企業群は、その高い技術力から国際的な評価を得ています。しかし、一方で国内での「モノづくり」離れが進む中で、新たな展開が国を挙げて求められているのも事実です。そのような中で、本学が核となった医療への新しい展開、さらにはIoT等のデータサイエンスを活用した新しい街づくりを、地方自治体や大手企業等とも連携しながら推進しようとしています。

(3)寄附講座、共同研究講座の設立

これからの大学が社会との連携を持ちつつ、研究体制を拡張していくためには、寄附講座や共同研究講座の拡充は欠かせません。現在本学には19の寄附講座がありますが、このうち17講座は平成26年の学長就任後に立ち上げたものです。寄附者は各種民間企業、新潟県厚生農業協同組合連合会、新潟県や市町村の自治体になります。また、共同研究講座の設立も必須です。現在、旭町地区の旧歯科診療棟跡地の再開発として、企業とのオープンイノベーションスペースの設置も予定しています。この活性化をさらに進めたいと思います。

5.経営基盤の強化

上記のような教育・研究・社会貢献といった国立大学のミッションを遂行するためには、経営基盤の強化は欠かすわけにはいきません。そのためには予算・人材・ストック資源など学内資源の戦略的配分機能を強化することが重要です。

(1)人件費の抑制

平成16年度(2004年度)の国立大学法人化以降に国立大学の運営費交付金は毎年1%を目途に12年間削減され続けました。平成28年度(2016年度)からはようやく前年度額を維持していますが、人件費や光熱費等の上昇を考えれば実質的には削減が続いている状況と変わりありません。法人化前は、予算の組み方や執行管理、人事管理も、さほどシビアに行っていなかったこともあったかもしれません。削減が続く状況の中で、節約や人事の適正化の努力を続けてきましたが、もはや限界という状況であるのは、どの大学でも同様だと思います。
私の就任時、予算の中で、特に人件費の占める割合は高く、かつ増加傾向にあり、このままでは早々に破綻をきたすことが明らかでした。そこで、平成28年度からの2年間は、教員退職後は原則として後任を補充しない人事管理のいわゆる「短期的取扱い」を実施せざるを得ませんでした。次いで平成30年度からは人件費の抑制・削減が避けられない中でも、教員組織における柔軟で戦略的な教員配置を可能とする「ポイント制」を導入しました。これにより、少なくとも第3期中期目標・中期計画期間中は何とか乗り切ることができる目算となりました。一方で、人件費抑制に留意するあまり、人事の采配が委縮することが生じているのではないかと危惧しています。ぜひ、そうしたことにならないように、各学系においては知恵を絞っていただきたいと願っています。

(2)外部組織との連携強化

企業・行政等との連携協定強化は今後も推進する必要があります。昨今では「産金官学連携」が推奨され、産金官学が連携して新たな事業を創生する、相乗効果を目指す時代となっています。社会との連携強化には、学長のトップセールスが重要であり、同時に学長の意識を学内で共有することが必要です。そこで、私は産業界の集まり等には積極的に参加し、国立大学法人新潟大学の現状を理解してもらえるよう努めてきました。その結果、産金官学全方向性の連携が起こり、共同研究・受託研究の活性化に繋がり始めたと思います。

(3)運営費交付金と科学研究費補助金

国からの運営費交付金については、意欲的な取組により高い評価を得て拡充を図ることが必要です。さらに、学長自らが国立大学振興議員連盟、地元国会議員や県知事、経済界等に、大学の地域や社会における取組を理解してもらうよう努めて、側面からの支援をお願いする必要も感じ、これまで努力してきました。今後はさらなる文部科学省の科学研究費補助金やその他公的な競争的資金の獲得にも努力し、間接経費の増額に努めたいと思います。

(4)寄附文化の醸成

日本には寄附文化が育ち難いと言われてきました。そこで、寄附文化の意識を高めるために「新潟大学サポーター俱楽部」を設立しました。これは、企業もしくは個人を会員として、一口が比較的少額の寄附を複数口、3から5年ぐらいの期間、無理のない範囲で継続していただく仕組みです。平成28年3月に発足し、現在まで120以上の団体・個人に加入していただきました。
その結果、ご寄附をいただけるだけでなく、現在は本学の長期学外学修(長期インターンシップ)への協力や共同研究のパートナーとして真のサポーターとなっていただけていることは嬉しい誤算です。毎年秋に開催する倶楽部の報告会では支援を受けた学生も参加してきましたが、活発な報告と情報交換会により年々盛り上がってきていることも嬉しいことです。
さらに、以前から設置している「新潟大学基金」へのご寄附も続いており、少しずつですが順調に伸びています。経済的に困っている学生を対象とした、税額控除も選択可能な「新潟大学まなび応援基金」を通した学生支援も順調に行われており、こうした土壌をさらに培っていきたいと思います。

6.おわりに

以上、私の学長就任時からの5年間を振り返りながら、残された問題や、将来へのメッセージを述べてきました。
国立大学法人法や学校教育法において、予算・人事を始め、各種権限の学長への集中が進んでいます。これは裏を返せば、責任の集中でもあります。激動する現代社会における厳しい大学経営の現状を考え、同時に近未来を見据えれば、多少の反対があっても断行しなくてはならないこともあります。しかし、その決定には説明責任も伴うことから、私は教育研究評議会、経営協議会、監事等との十分な意見交換の結果でなくてはならないと考えてきました。残りの期間もその様な考えで行動し、本務を遂行して行きたいと思います。
平成もあと少しで終わり、次の令和の時代が始まります。新潟大学が新しい令和の時代にさらに躍進していくために、残りの在任期間、全力で職務を遂行していきます。どうぞ、皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

 

平成31年4月
新潟大学長 髙橋 姿

本件に関するお問合せ先

新潟大学総務部総務課広報室
電話 025-262-7000
FAX 025-262-6539