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日本プロテオーム学会賞受賞について

受賞・表彰

大学院医歯学総合研究科の山本格教授が,これまで進めてきた「ヒト腎臓病研究へのプロテオミクスの応用と国際連携研究ネットワークの構築」で顕著な研究成果を上げ,日本のプロテオミクスの発展に貢献したとして,日本プロテオーム学会賞を受賞しました。

ヒト腎臓病のうち慢性に経過して末期的腎臓機能障害(末期慢性腎不全)に至る慢性腎臓病は主に腎糸球体傷害で発症しますが,その病因や病態の分子機構が 不明な病気です。そのため,進行した慢性腎臓病を治す治療法はなく,患者さんは透析療法や腎臓移植を余儀なくされています。山本教授の研究は,慢性腎臓病 の病因や病態の分子機構を解明するため,慢性腎臓病の腎生検組織の糸球体のタンパク質を網羅的に解析(プロテオミクス)し,糸球体におけるタンパク質の異 常の解明,慢性腎臓病の新規治療法の開発に結び付けようとするものです。個々の腎生検試料の糸球体を切り出し,その微量タンパク質を質量分析計で解析する 効率的な新規手法を開発し,この分野で先端的な研究を行っています。

また,山本教授は2005年に世界の腎臓病研究者と共にヒト腎臓・尿プロテオームプロジェクトを開始し,そのプロジェクトがHuman Proteome Organisation (HUPO) のInitiativeとして取り上げられことに尽力しました。現在,その代表として,尿プロテオミクスの国際ガイドラインの策定などを行い,2010年 にHUPO が開始した国際連携プロジェクト,Human Proteome Project の日本の研究代表,2012年からはHUPOの全Initiativesの推進責任者として,さまざまな分野のヒトプロテオミクス研究者と国際連携した活 動を行っています。

平成24年7月26,27日に日本科学未来館で行われた日本プロテオーム学会2012年大会(10th JHUPO)において山本教授に対し日本プロテオーム学会賞が授与され,受賞の記念講演が行われました。

日本プロテオーム学会は, 2002 年にヒトプロテオーム研究の推進を図るために設立された日本ヒトプロテオーム機構(JHUPO)から,2010年に,すべての分野のプロテオーム研究を包 括する日本プロテオーム学会に発展し,2013年にはHUPO World Congress 2013を日本で主催する学会として活動しています。

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授賞式で他の賞の受賞者と共に撮られた記念写真(一番左が山本格教授)