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自然科学研究科数理物質科学専攻化学コース(博士前期課程)の三つのポリシー

ディプロマ・ポリシー

人材育成目標(修了生が身に付けるべき資質・能力)

顕在化するエネルギー・環境問題を科学の視点で捉え、その解決に向けて科学技術および社会的な仕組みを実現する必要性が指摘されています。
また、現代社会で深刻化するさまざまな疾患や感染症に対処するため、科学者への期待は益々高まっています。
当プログラムでは、こうした状況を踏まえ、化学に関する高度な専門知識と自然科学全般に関する素養、および課題を解決するための実践能力を備え、企業や行政の現場において、今後社会が直面するエネルギー・環境・資源・医療などの課題解決を牽引し得る人材を育成します。
具体的には、さまざまな物質の性質や反応機構の解明と新素材・新物質の探求により最も基本的レベルから教育研究を行い、科学技術上の課題に自ら能動的に対処できる幅広い見識と独創性に富んだ能力を身につけることを人材育成目標とします。

本学に当プログラムの修業年限以上在学し、所定の授業科目及び38単位以上を修得した者で、人材育成目標に係る下記能力を有すると認められた者に、修士(理学)又は修士(学術)の学位を授与します。

プログラムの到達目標(目標としての学修成果)

知識・理解

  • 無機化学、分析化学、物理化学、有機化学、生化学の分野についての専門知識を修得している。
  • これらの分野における研究の現状と今後の発展の方向性について理解している。
  • 現代社会における化学及び化学的思考能力の必要性および有効性について理解している。
  • 自然科学の他の分野について、研究手法や研究の現状についてその概略を理解している。
  • 技術者・研究者の倫理とは何か、何が要求されているかを理解する。
  • 関連法令を遵守し、化学薬品を適切に保管、使用できる。

当該分野固有の能力

  • 無機物質の反応と構造について原子・分子レベルから理解し解明できる。
  • 分子間相互作用や電磁波と物質の相互作用に基づいて物質を同定・定量できる。
  • 有機化合物の合成法と機能・構造・反応機構を理解し解明できる。
  • 各種化学反応について、量子状態ごとの基礎過程を理論的実験的に理解し解明できるとともに、データ解析法について理解している。
  • 物質の構造や相転移をメゾスケールで理解し解明できるともに、データ解析法や数値計算技術の開発について理解している。
  • 生体高分子の分子機能、ゲノム情報に基づく機能解析を理解し解明できる。

汎用的能力

  • 自然・社会・人類に対する倫理的な判断能力を身に付けている。
  • 課題を発見し、解決する能力を身に付けている。
  • 英語や学会発表を含むコミュニケーション能力を身に付けている。
  • 定められた期間で報告する能力を身に付けている。

態度・姿勢

  • 様々な見地の人々と積極的に意見交換を行い、協働で課題解決に取り組む態度を備えている。
  • 社会や自然界の多様な問題に対して、専門的見地から主体的に取り組む態度を備えている。
  • 科学的根拠に基づき、論理的に意思決定を行う態度を備えている。

カリキュラム・ポリシー

到達目標に達するための教育課程

カリキュラム編成

当プログラムでは、学部教育において修得した無機化学、分析化学、物理化学、有機化学、生化学など基礎知識の積み上げを踏まえて、化学の様々な研究分野に関する専門知識を修得するとともに、化学研究を行うための素養を備え、エネルギー・環境・資源・医療など今後直面する諸問題に対処するような課題解決能力とコミュニケーション能力を持つ人材の養成を目的としたカリキュラムが編成されています。

「科目群A」では、自然科学他分野の専門的知見を修得します。
「科目群B」では、化学研究を行うための素養を身につけます。
「科目群C~E」では、課題解決能力、コミュニケーション能力を修得します。

学修内容・方法

第1期は、リサーチワークに加えて、必修科目「自然科学総論」や「先端科学技術総論」の履修を通して自然科学研究の現状を把握し、一般知識を修得します。
選択・選択必修科目「共通科目B-1~B-5」および他専攻共通科目の履修により、化学分野の研究手法についてその概略を理解し、専門知識を習得します。
課程共通科目「薬品安全管理技術」や「大型機器分析技術」などの履修により、技術者・研究者の倫理とは何か、大型機器を使用するうえで何が要求されているかを理解するとともに、関連法令を遵守し、化学薬品を適切に保管・使用する能力および機器を適切に管理・使用する能力を修得します。
第1期末には研究の初期成果をまとめます。

第2期では、リサーチワークが中心となり、第1期・2期を通じて「数理物質科学特定研究IおよびIIA、IIB」、「数理物質科学演習I」などの履修により、各分野特有の実験や解析技術に習熟すると同時に、化学に関する専門知識の獲得や理解を深めます。
「科学技術英語」、「コミュニケーション演習」などの履修を通して、自分の意見を正確に表現するために必要な英語や学会発表を含むコミュニケーション能力能力・技術を身につけます。
他大学・他研究機関の学生・研究者と、一定期間、協働作業を体験したり、成果を発表しあう場をもつことで、様々な見地の人々と積極的に意見交換を行い、協働で課題解決に取り組む態度や社会や自然界の多様な問題に対して、専門的見地から主体的に取り組む態度や科学的根拠に基づき論理的に意思決定を行う態度を身につけます。
最終的に研究成果を取りまとめ、修士論文を作成し、修士論文公開講演会でのプレゼンテーション及び質疑応答により、論理的に説明する能力や、定められた期間に与えられた課題を解決し成果を報告できる能力を身につけます。

学修成果の評価方法

講義科目や科学演習では、各授業担当者ごとにレポートあるいは試験、演習・プレゼンテーション・質疑応答などに対する個別評価を行います。
特定研究では、修士論文に向けた技術習熟度や(英語を含む)情報収集能力を、研究進捗や論文執筆過程、中間発表会などを通して、研究指導委員会で適宜判断します。
最終的には、修士論文の内容および最終発表会でのプレゼンテーション、質疑応答などにより、理論または実験的研究を実行し結果を論理的に説明する能力や、定められた期間に与えられた課題を解決し成果を報告できる能力、質問者の疑問を的確に理解し議論できる能力などを主査および副査が判定します。

アドミッション・ポリシー

入学者に求める資質・能力と入学者選抜方法

入学者に求める資質・能力(求める学生像)

化学分野において、先端研究を行うための素養を備え、エネルギー・環境・資源・医療など今後直面する諸問題に対処するような課題解決能力とコミュニケーション能力を持つ人材を養成するために、以下のような資質・能力を有する学生を求める。

  1. 研究者を志す探究心に富んだ人
  2. 最新の研究を的確に把握できる能力かつ実践できる能力を身につけている人
  3. 教育、科学技術行政に携わる意欲のある人
  4. 化学コースに対応する学士課程卒業レベルの基礎学力を修得し、十分な英語力(科学・技術情報の収集・解析・発信のための基礎的スキル)を有する人

選抜方法

研究者を志す探究心に富み、最新の研究を的確に把握できる能力かつ実践できる能力を身につけていることに加え、教育・科学技術行政に携わる意欲があり、化学コースに対応する学士課程卒業レベルの基礎学力と十分な英語力を有する学生を、以下の方法により選抜します。

一般選抜

本選抜では、学士課程卒業レベルの基礎学力を有しているかを筆記試験(物理化学、分析化学、無機化学、有機化学、生物化学から選択)および英語(TOEICまたはTOEFL)の成績によって評価する。また、研究者を志す意思およびコミュケーション能力を面接によって評価する。化学系の学部教育における成績上位の学生は、筆記試験が免除され、専門分野の高度な知識と研究遂行能力、研究者を志す意思およびコミュケーション能力を口述試験によって評価する。

社会人特別選抜

本選抜では、専門分野に対する高度な知識と十分な研究遂行能力、およびコミュケーション能力に加え、社会人としてのキャリアを基礎に新しい知識を学び、これを積極的に活用して自然科学・技術の新たな分野に挑む意欲を小論文、面接および出願書類によって評価する。

外国人留学生特別選抜

本選抜では、一般選抜の事項に加え、日本語あるいは英語による必要最小限のコミュニケーション能力を面接によって評価する。