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自然科学研究科生命・食料科学専攻基礎生命科学コース(博士後期課程)の三つのポリシー

ディプロマ・ポリシー

人材育成目標(修了生が身に付けるべき資質・能力)

このプログラムでは、生化学、分子遺伝学、分子生物学、細胞学、発生学、生理学、免疫生物学、海洋生物学の各分野を有機的に結合し、さらに先端的な解析技術を取り入れ、基礎から先端的内容までを含む幅広い教育・研究を行うことで、さまざまな生き物の示す多彩な生命活動を、分子から個体のレベルにわたって各種の視点から解明し得る、高度な資質・能力を備えた人材を育成します。

この人材育成目標に対応して養成する以下の能力を修得し、本学に当該プログラムの修業年限以上在学し、所定の授業科目19単位以上を修得した者で、下記の能力を有すると認められる者に、博士(理学)又は博士(学術)の学位を授与します。

【知識】

  • 生物の基本構造と機能、生体分子の性質、細胞内における化学反応のしくみに関する幅広い知識を有する。
  • 遺伝子の機能と遺伝のしくみに関する幅広い知識を有する。
  • 生物の発生、進化、多様性、環境適応能力にに関する幅広い知識を有する。
  • 生物学以外の自然科学に関する幅広い知識を有する。
  • 社会のしくみや文化など、人文社会分野の基礎理解や語学を含む幅広い教養を身につけるとともに、それを実践、応用できる。

【能力】

  • 生命現象の理解・解明に必要な実験技術の基礎を身につけるとともに、新たな問題解決のために活用できる。
  • データを定量的に取り扱い、その意味を論理的に判断するとともに、、新たな問題解決のために活用できる。
  • 専門的情報や文献、を入手して、読解・整理し、新たな問題解決のために活用できる。
  • 現前の事象を観察し、問題点やその解決策を見いだすことができる。
  • 研究成果や自分の意見について、文章や図などよって正確かつ論理的に説明できる。
  • 目標の達成に向けて計画を立て、継続的に努力するだけでなく、得られた成果をもとに新たな目標を設定し努力することができる。
  • 他者の意見を聞き、適切に議論するとともに、成果を正確に言語化して発信することができる。

プログラムの到達目標(目標としての学修成果)

知識・理解

  • 生命現象の基盤となる生体分子の性質と、細胞内における化学反応を詳細に理解、説明できる。
  • 細胞とは何か、どのようにして機能が維持されるかを詳細に理解、説明できる。
  • 遺伝子の機能と遺伝のしくみを、遺伝現象を支える生体分子の特徴とともに詳細に理解、説明できる。
  • 個体がどのようにできあがっていくか、生物がどのようにして進化し、多様な生物種ができたかを詳細に理解、説明できる。
  • 動物や植物の体の構造と機能を詳細に理解、説明できる。
  • 生物がどのように環境に応答しながら恒常性を維持していくかを詳細に理解、説明できる。
  • 自然科学の複数分野の基礎知識を進んで理解、統合することができる。
  • グローバル世界における経済、社会、文化について進んで理解を深めることができる。

当該分野固有の能力

  • 生物の構造を観察し、正確かつ詳細に記録・説明することができる。
  • 生体物質を分離し、その性質を正確かつ詳細に説明することができる。
  • 遺伝子組換えなどの実験技術を適切に取り扱うことによって、遺伝のしくみと遺伝子の機能を正確かつ詳細に明らかにすることができる。
  • 遺伝子組換えなどの実験技術を適切に取り扱うことによって、生体内外の環境変化に対して生物がどのように反応するかを正確かつ詳細に明らかにすることができる。

汎用的能力

  • 現前の事象を観察し、問題点やその解決策を自律的に見つけ出すことができる。
  • データを定量的に取り扱い、その意味を論理的に判断した上で正確かつ詳細に提示することができる。
  • 専門的情報や文献を自律的に入手して、読解・活用できる。
  • 自分の意見を整理して文章や図、言葉によって正確かつ詳細に説明できる。
  • 他者の意見を聞き、その内容を正確に理解するとともに、適切かつ積極的に議論することができる。
  • 理学の素養と専門的技能を基に、物事を正確かつ詳細に表現し、自律的にコミュニケーションを取ることができる。

態度・姿勢

  • 身近な生物、全ての命を積極的に大事にする態度を示すことができる。
  • 様々な課題に関心を持ち、その解決に自律的に取り組むことができる。
  • 継続的かつ自律的に実験や資料解析を行うことができる。
  • 目標の達成に向けて計画を立て、他者と協力しながら積極的かつ自律的に努力することができる。
  • 日常生活における生命科学の関連知識を理解し、その意義について客観的かつ理性的に判断した上で、積極的に議論、意思表明することができる。

カリキュラム・ポリシー

到達目標に達するための教育課程

カリキュラム編成

基礎生命科学コースは3年制です。
必修科目として、第1学年では、生命・食料科学博士セミナーⅠ、生命・食料科学博士特定研究Ⅰ、外国語論文解説・討論Ⅰ、第2学年では、生命・食料科学博士セミナーⅡ、生命・食料科学博士特定研究Ⅱ、外国語論文解説・討論Ⅱ、基礎生命科学(博士)演習(中間報告)、第3学年では、生命・食料科学博士セミナーⅢ、生命・食料科学博士特定研究Ⅲ、外国語論文解説・討論Ⅲ、研究発表(博士)演習(学会発表含む)を履修します。

学修内容・方法

生命・食料科学博士セミナーⅠ〜Ⅲでは、主に博士学位論文作成に向けた研究計画の立案や関連情報の調査研究を行います。生命・食料科学博士特定研究Ⅰ〜Ⅲでは、研究計画に基づき、継続的に実験とデータ解析を行い、その評価を行います。また定期的に成果発表の機会を設け、進捗状況を振り返るとともに成果発表のスキルを磨きます。外国語論文解説・討論Ⅰ〜Ⅱでは、研究テーマに関連する様々な文献(原著論文)を通読し、その内容を集約・発表することによって情報収集とプレゼンテーションの能力を高めます。第2学年修了時には基礎生命科学(博士)演習(中間報告)を履修します。第2学年までの学修成果を取りまとめ、発表会で口頭発表および質疑応答を行います。また第3学年の研究発表(博士)演習(学会発表含む)では、学会発表を実際に行い、成果発表までのプロセスやプレゼンテーションのテクニック、学会での討論について実践的に学びます。
選択科目として、免疫細胞生物学特論、細胞分化制御学特論、糖鎖科学特論、タンパク質・核酸化学特論、胚発生学特論、植物機能制御論Ⅰ、植物機能制御論Ⅱ、植物機能制御論Ⅲ、適応統合生物学、植物分子遺伝学特論Ⅱ、進化発生生物学特論Ⅱ、水圏生物環境学特論を履修できます。これらの選択科目を履修することによって、免疫、生体分子・超分子、胚発生、オルガネラの構造と機能、遺伝、進化発生、海洋生物の各分野の先端的かつ実践的な知識を学ぶことができます。
また、外部講師が担当する先端科学技術総論を履修することによって、基礎生命科学コースがカバーし得ない他分野の先端的生物学研究について学ぶことができます。

一連の研究活動で新たに得た成果は、査読制度のある学術雑誌に学術論文として投稿し、掲載(あるいは掲載を受理)されなければなりません。そして第3学年修了時には、3年間の学修成果を学位論文に取りまとめて提出するとともに、口頭発表および口頭試問を行わなければなりません。

学修成果の評価方法

各科目の学修成果は、試験、レポート、発表資料、プレゼンテーションによって評価し、講義・実験科目の評価には授業担当教員が、演習科目の評価には主指導教員1名、副指導教員2名からなる研究指導委員会があたります。

アドミッション・ポリシー

入学者に求める資質・能力と入学者選抜方法

(1)入学者に求める資質・能力(求める学生像)

現代生命科学の高度な専門知識や先端技術を備え、今後社会が直面する食や健康、環境などの幅広い課題の解決を牽引する人材を育成するために、以下のような資質・能力を有する学生を求めます。

  1. 生化学、分子遺伝学、分子生物学、細胞学に関する基礎知識を身につけている人。
  2. 生化学、分子遺伝学、分子生物学、細胞学、発生学、生理学、免疫生物学、海洋生物学に関する科目を一つ以上履修した経験があり、その専門知識を身につけている人。
  3. 生化学、分子遺伝学、分子生物学、細胞学、発生学、生理学、免疫生物学、海洋生物学のいずれかに関する実験、研究を実施した経験があり、その知識・技術を身につけている人。
  4. 修士学位論文もしくはそれに類する報告書を作成した経験があり、その内容および成果を説明できる人。そして、十分な研究遂行能力を有している人。
  5. 外国語(英語)の文献を収集、精読し、その内容を正確かつ詳細に理解、表現することができる人。
  6. 多様な人々と協働して課題に取り組む上で、必要なコミュニケーション能力を十分に有している人。
  7. 研究者や専門的職業人を志し、専門分野に対する明確な動機や意欲を十分に有している人。

選抜方法

博士課程前期(修士課程)修了レベルの基礎学力を持つとともに、基礎生物学の分野に対する高度な知識と十分な研究遂行能力、コミュニケーション能力及び高い勉学意欲を有する学生を以下の方法により選抜します。

一般選抜

本選抜では、専門分野に関する学力及び英語の能力を筆記試験により評価する。さらに、これまでの研究実績、研究成果の理解度、研究計画の妥当性ならびに発展性、生物学へ意欲や関心などを口述試験により評価する。

社会人特別選抜

本選抜では、本コースでの学修に支障のない基礎学力、研究遂行能力、コミュニケーション能力及び勉学意欲を有するかを、口述試験及び出願書類によって評価する。

外国人留学生特別選抜

本選抜では、本コースでの学修に支障のない基礎学力、研究遂行能力、コミュニケーション能力及び勉学意欲を有するかを、筆記試験、口述試験及び出願書類によって評価する。