ディプロマ・ポリシー

人材育成目標（修了生が身に付けるべき資質・能力）

コンピュータ、インターネットの著しい発展により社会における情報工学の重要性が高まっており、環境問題、食糧問題等の様々な社会問題の解決に向けて、人工知能やデータサイエンスを含む情報工学の最新技術により対応することの必要性が指摘されています。当プログラムでは、こうした状況を踏まえ、情報工学（情報システムの原理・仕組み・構築法）に関する高度な専門知識と周囲とのコミュニケーションに関する素養、高度職業人ならびに研究者に必要な研究倫理と未解決の問題に主体的に取り組む実践能力を備え、企業や行政の現場において地球・人間・社会の中で生じる様々な課題を自ら発見し課題解決を牽引し得る人材を育成します。

本学に当プログラムの修業年限以上在学し、所定の授業科目及び38単位以上を修得した者で、下記の能力を有すると認められる者に、修士（工学）又は修士（学術）の学位を授与します。

プログラムの到達目標（目標としての学修成果）

知識・理解

• 数学、物理学などの自然科学に関する高度な理論を理解している。
• 情報一般の原理の高度な内容を理解している。
• コンピュータで処理される情報の原理の高度な内容を理解している。
• コンピュータのソフトウェア・ハードウェアに関する高度な知識を理解している。
• 社会において情報を扱うシステムを構築し活用するための高度な技術を理解している。

当該分野固有の能力

• 情報の構造の設計、計算の設計・表現、巨大なデータの処理を高度に行うことができる。
• 形式的なモデルのもとでの演繹、情報を扱う機械の作成・運用を高度に行うことができる。
• システムの体系・構造を高度に理解し表現することができる。
• 社会において情報を扱うシステムを高度に作り運用することができる。
• 複雑なシステムの作成を高度に管理することができる。
• 社会において情報に関わる高度な問題を発見し解決することができる。
• 情報一般の原理を自覚して情報社会に高度かつ積極的に参画することができる。
• 個人及び社会に対する情報の意義や危険性を高度に読み解くことができる。
• 社会においてルールを遵守しつつ情報を高度に利活用することができる。

汎用的能力

• 研究や実践によって新たな概念や視点を獲得することができる。
• 論理的思考により、対象のモデル化、抽象化を行うことができる。
• 問題を発見し、解決することができる。また、問題解決のためのシステム思考、批判的思考ができる。
• 英語で書かれた科学技術分野の論文・マニュアルなどが理解でき、また、正しい技術文書を書くことができる。
• 専門家に対して、資料に基づき、発表できる。
• 専門分野において世界で活躍するために必要な英語の読み書き及びコミュニケーションができる。
• 議論において自分の考えを的確に伝えられると共に、他人の主張を正しく理解できる。また、高度な倫理観を持ち、共同作業を円滑に進めることができる。

態度・姿勢

• 技術者としての倫理・責任を自覚し、積極的に地域 ・世界に貢献する態度・姿勢を備えている。
• 研究や実践によって新たな知及び価値を創造するために、自主的、継続的に学修や問題解決に取り組む態度・姿勢を備えている。
• 複数の領域を横断するような広い学識を持ち、多種多様な考え方を結びつけて考える態度・姿勢を備えている。

カリキュラム・ポリシー

到達目標に達するための教育課程

カリキュラム編成

博士前期課程では、情報工学の専門的知見を有するとともに、情報工学研究を行うための素養を備え、情報システムと地球・人間・社会との関わり合いの中で生じている様々な課題など今後直面する諸問題に対処するような課題解決能力とコミュニケーション能力を備えたグローバルに様々な領域でリーダーとして活躍できる研究者ならびに高度職業人を養成する目的に対応したカリキュラムが編成されています。主に「達成目標（A）」に対応する科目群では、情報工学に必要な態度・姿勢を修得します。「達成目標（B）」に対応する科目群では、コミュニケーション能力を含む情報工学に必要な汎用的能力を修得します。「達成目標（C）」に対応する科目群では、課題解決能力を含む情報工学に必要な分野固有能力を修得します。「達成目標（D）」に対応する科目群では、情報工学に必要な知識を修得します。

学修内容・方法

具体的には、情報工学分野として、特に情報通信、ソフトウェア工学やデータサイエンスなどの情報処理、情報数理に対する専門性を高めるための講義、演習の提供に加え、グローバルに多様な分野に関する知識の深化に向けて、他専攻教員による「自然科学総論」の必修化と他専攻科目の選択必修化を行い、一部講義は英語での提供も行われています。

学修成果の評価方法

上記のようなカリキュラム編成のもと、学位授与方針に従い、ディプロマ・ポリシーに示す能力の評価について、修士論文での審査に加え、講義や演習での試験やレポートでの評価、1年次の中間発表、特定研究を行った専門分野における外部発表、修士論文発表会での口頭試問を通じて評価します。

アドミッション・ポリシー

入学者に求める資質・能力と入学者選抜方法

入学者に求める資質・能力（求める学生像）

情報工学分野において、グローバルに様々な領域でリーダーとして活躍できる研究者ならびに高度職業人を養成するために、以下のような資質・能力を有する学生を求めます。

1. 情報工学に関する学部卒業程度の基礎学力を有する人。
2. 技術者や研究者として高度な専門的能力と見識、論理的思考力を身に付け、情報工学を通して社会に貢献しようとする人。
3. 専門分野における新たな知識を、自主的かつ計画的に学ぶ意欲と能力を有する人。
4. 社会が直面する諸問題に関心を持ち、技術者・研究者として高い倫理感を持って問題の解決を目指す人。
5. 学んだ知識とコミュニケーション能力を活用し国際的に活躍することを希望する人。

（2）選抜方法

学部卒業レベルの基礎学力、専門分野に対する知識、コミュニケーション能力、専門分野に対する明確な動機や意欲のある学生を以下の方法により選抜します。

一般選抜

本選抜では、大学卒業レベルの基礎学力を持つとともに、専門分野に関連する科目への高い理解度を持つ学生を以下の方法により選抜する。情報工学を学ぶ上で基礎となる事項への理解度を専門科目（形式言語とオートマトン、プログラミング、情報理論、線形代数）の筆記試験によって評価する。外国語（英語）の能力については、公的語学検定の結果によって評価する。また、研究計画や意欲を面接によって評価する。

社会人特別選抜

本選抜では、大学卒業レベルの基礎学力を持つとともに、専門分野に関連する科目への高い理解度を持つ社会人学生を以下の方法により選抜する。入学者の選抜は、小論文、面接及び出願書類を総合して選抜する。小論文では、これまでの業務実績及びこれからの勉学の計画について評価する。面接では、専門的職業人としてのキャリアアップや自然科学・技術の新たな分野に挑戦する勉学意欲を評価する。

外国人留学生特別選抜

本選抜では、大学卒業レベルの基礎学力を持つとともに、専門分野に関連する科目への高い理解度を持つ外国人留学生を以下の方法により選抜する。大学卒業レベルの基礎学力を持つとともに、専門分野に関連する科目への高い理解度を有し、日本語あるいは英語による必要最小限のコミュニケーション能力を有する人を選抜する。選抜は、個別学力検査、面接及び出願書類を総合して行う。個別学力検査の専門科目（形式言語とオートマトン、プログラミング、情報理論、線形代数のうち2科目選択）では、コースでの学修に支障のない基礎学力（当コースに対応する学部卒業以上の資格あるいはこれと同等以上の学力）を評価する。面接では、勉学の計画や意欲について評価する。