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自然科学研究科材料生産システム専攻社会システム工学コース(博士前期課程)の三つのポリシー

ディプロマ・ポリシー

人材育成目標(修了生が身に付けるべき資質・能力)

社会に潜在する種々の課題を顕在化し、その中にある個々の人、組織、地域、国々の特性に沿った最善の解決策を見出せること。ならびに科学・技術的高度専門人材と利害関係者を適切に包含しつつ、自然科学や人文・社会科学、生命医科学、その他の科学的知見に基づいた具体的かつ実施可能な課題解決計画をチームとして立案、実施、そして継続的に改善する能力を有する人材を育成することを目標とします。
本学に当プログラムの修業年限以上在学し、所定の授業科目及び38単位以上を修得した者で、人材育成目標に係る下記能力を有すると認められた者に、修士(学術)の学位を授与します。

(A)科学と技術の成り立ちと実社会におけるそれらの役割を、広範かつ具体的に理解、分析する能力。
(B)経済活動とその基本となる人の行動原理、倫理的規範、法律、制度等を包括的に理解、分析する能力。
(C)有形無形に拘わらず、現代の工学が創造する新たな価値の基本原理を理解し、様々な課題解決に適用する能力。
(D)企業をはじめとする各種組織や自治体、地域コミュニティ等の経営理論を理解し、人類の福祉向上のための具体的かつ実施可能な方策を構想、立案できる能力。
(E)実社会における潜在的課題を顕在化させ、具体的な解決策を提示できること、周囲の理解を獲得し、必要な組織を構築、運営することで解決策を実施できる能力。

プログラムの到達目標(目標としての学修成果)

知識・理解

(A1)自然科学から人文社会科学にわたる広範な基礎知識を修得している

(A3)イノベーションの歴史知識に基づいて未来を展望する道程を理解している

(B1)社会・組織の経済的行動原理を理解している

当該分野固有の能力

(D1)組織の経済的自律と継続的発展原理を理解し運用することができる

(D3)個々の利害と社会全体の便益を相互に調整し最適化することができる

(D2)多様な社会的背景を有する個人や組織どうしの具体的連携戦略を立案することができる

(E1)イノベーション・マネジメントを実践することができる

(E2)科学と技術を基盤として活用する組織を経営することができる

汎用的能力

(B2)明文化された法制度を理解し、実践することができる

(C3)先端技術開発動向を探索し、把握することができる

(C1)科学の深い理解に基づき、工学技術を応用することができる

(E3)目的に応じたチームを構築し、運営することができる

(E4)国境や文化、組織を超えて相互に理解しあい、協力を獲得することができる

態度・姿勢

(B3)社会における新奇技術のあるべき姿を倫理的観点から問い続ける姿勢を備えている

(C2)工学技術と持続可能性に関する洞察力を備えている

(D4)適切な経済的価値の創出と循環によるコミュニティの自律を希求する姿勢を備えている

(A2)科学と工学を常に学び、持続可能な発展に貢献する態度を備えている

カリキュラム・ポリシー

到達目標に達するための教育課程

カリキュラム編成

本プログラムは、工学部工学科に設置された学士課程主専攻プログラムである協創経営プログラムからの接続を前提として2年間4期で編成されます。元来、協創経営プログラムは6年一貫型工学教育課程として構想されており、科学と工学に基づくイノベータ教育を学士課程初年次から連続して実施することで、社会を牽引するイノベーション・リーダーを育成します。
イノベーション・リーダーとして必須の素養は、自然科学と人文・社会科学、生命医科学ほかの広範囲にわたる分野を理解しようとする心構えを持ち、コミュニケーションを通じてチームを構成し、多様な見識を統合して社会の課題に対する解答を提示、実行することにあります。そのため、科学と工学を知識として修得することと、これらの知識を社会において実践的に応用する学修を繰り返し、教員の指導の下に自らの強みと弱みを適切に把握、再構築するサイクルをカリキュラムとして実装します。本プログラムでは「特定研究」を課さず、代わりに前記の実践学修サイクルを企業等との共同で一貫した課題解決に取り組む「技術経営プロジェクト」を軸にコースワークとして構成します。
また時として、先端かつ新奇の科学的知見や工学技術の応用には法的あるいは倫理的な検証が求められます。本プログラム修了者は、人として社会の規範を遵守する精神を身に付けると共に、法体系や行政システムに則ったイノベーション創出環境の構築スキルを修得するものとします。

学修内容・方法

第1期では、自然科学を深く学び続けるための基盤となる知識とスキルを学びます。同時に、組織行動特論やプロジェクトマネジメント演習を履修することで企業等の組織が経済的に意思決定、行動する基本理論を学び、実社会におけるイノベータとしての基本的素養を修得します。
第2期では、第1期で修得した基本的素養に基づき、必修科目である技術経営プロジェクトⅠの履修を通じて社会に実在する具体的課題解決に臨みます。解決策は、実社会においてビジネスを通じて実現されなくてはなりません。そのための基本的知識とスキルの修得を同時に図ります。
第3期から第4期にかけては実践学修サイクルを繰り返しながら、国際的および地域的双方の視点をあわせ持つ体系的知識を修得します。まず第3期においては、産業組織が価値を生み出す理論を技術経営戦略特論、生産マネジメント特論等により体系的に学びます。これに続けて最終コースワークである技術経営プロジェクトⅡを実施し、それまでに学んだ知識とスキルをもって、実際の社会で実現可能な課題解決プロセスを実行します。実施された課題解決の結果が社会に与えた影響は担当教員、学外連携組織と共に学生自らが省察し、何度もPDCAサイクルを経ることによって学修成果の確実な修得を図ります。
なお、本プログラムでは、個々の学生が自らの背景やキャリアプラン、学修目的に応じて適切な基本科目を履修することとし、2年間の在学期間中に担当教員の指導の元で自然科学、人文社会科学等の科目を適時選択し、知識とスキルを補完、補強することで、包括的な視点に基づいた総合的社会システム工学者としての力量を確実に修得します。

学修成果の評価方法

一般の授業科目にあっては期末試験、レポート、授業への貢献により達成度を評価します。本プログラムにおける一貫した集大成科目である技術経営プロジェクトⅠ・Ⅱでは、それぞれ1年次末に中間成果報告書、修了時には最終成果報告書を作成します。加えて修了時には最終成果プレゼンテーションを実施し、いずれもルーブリックに基づき達成度を評価します。評価に際しては、同様にルーブリックを用いた学生自らによる自己評価、技術経営プロジェクト実施先企業等における実施監督者による評価を併せて考慮します。1年次末の評価は中間評価と位置づけ、次年度の科目選択や技術経営プロジェクトⅡの遂行に反映し、学修効果の向上を図ります。修了時の最終成果プレゼンテーションは、プログラム担当の全教員によって構成される学位基準評価委員会において評価します。

アドミッション・ポリシー

入学者に求める資質・能力と入学者選抜方法

入学者に求める資質・能力(求める学生像)

本プログラムにおいて、自ら科学・技術的知見に基づいてイノベーション創出を先導する人材を養成するために、以下のような資質・能力を有する学生を求めます。

  1. 大学自然科学系学部基礎ないし中核水準の各専門および数理学に関する知識を有し、科学・技術の応用・発展科目を学ぶための素養を備えていること。
  2. 人間心理、法律、経済、経営等の人文・社会科学に対する強い関心と、これらを主体的に学ぶ確固たる意思を有すること。
  3. 社会、組織、個人の行動原理に基づき、科学や工学の成果を積極的に社会に還元する強い課題意識を有すること。
  4. 積極的な他者とのコミュニケーションを通じて多様な価値観を受容し、リーダーシップを持って新たな価値観を創造する意欲と姿勢を保持できること。

選抜方法

①学士課程卒業レベルの基礎学力、②複数・融合領域の重要性に対する理解力、③科学と社会との関係構築能力、④イノベーション創出と環境形成に対する強い動機と意欲のある者を下記の方法により選抜します。

一般選抜

本選抜では、①学士課程卒業レベルの基礎学力を有しているかを出願書類(TOEIC、TOEFL等のスコアを含む)によって評価する。また、②分野融合領域の教育研究に関する理解力を面接によって、③科学的かつ社会的課題への関心と理解力を小論文によって評価する。これらに加え、④多様な利害関係者とのコミュニケーションを通じ、科学・技術・社会の関係を構築しようとする明確な意欲と姿勢を面接と小論文によって総合的に評価する。

社会人特別選抜

本選抜では、出願書類、小論文、面接によって、①学士課程卒業レベルの基礎学力、②③④社会システム工学の理解と学修に対する課題意識、意欲等を総合的に評価する。

外国人留学生特別選抜

本選抜では、出願書類、小論文、面接によって、①学士課程卒業レベルの基礎学力、②③④社会システム工学の理解と学修に対する課題意識、意欲等を総合的に評価する。なお、入学後のカリキュラム履修可能性を確認するため、日本語能力試験(JLPT)認定結果及び成績に関する証明書の提出を求めることがある。