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⻭学部が研究に携わったシャープ(株)咀嚼計bitescanに関する取り組みが「2020年度グッドデザイン・ベスト100」を受賞しました

2020年10月07日 水曜日 トピックス

本学歯学部包括歯科補綴学分野の小野高裕教授と堀一浩准教授が研究に携わった、シャープ株式会社の咀嚼計bitescan(バイトスキャン)に関する取り組み【「噛む」を計り、気づき、行動を変えるヘルスケアサービス「bitescan」】が、このたび「2020年度グッドデザイン賞」(主催:公益社団法人日本デザイン振興会)の「グッドデザイン・ベスト100」を受賞しました。本賞は、グッドデザイン賞受賞対象の中で、審査委員会により特に高い評価を得た100件(全受賞対象の7%)に与えられるものです。

近年、食生活の変化によって噛む回数が減っていると言われています。十分に噛まずに(咀嚼せずに)食べる習慣(いわゆる早食い)は、肥満や生活習慣病につながっているのではないかといわれていますが、科学的に未だ明らかではありません。これは、ふだんの食事の咀嚼回数をはかるためのデバイスがないためと考えられます。

咀嚼計bitescanは、日常生活において食事などでどれだけ咀嚼して(噛んで)いるかを正確に計ることができる耳掛け式ウェアラブルデバイスです。非常に軽く目立たないために使いやすく、スマホアプリと連動して、咀嚼の回数やスピードを表示します。このbitescanを使うことで、自分がどれだけたくさん噛んでいるか、自分がどれだけ早食いかなど、咀嚼行動をモニタリングすることができ、またアプリを工夫することによって咀嚼行動を変容する効果があることがわかっています。それらのことから、大食い防止による生活習慣病の予防や、子供が正しい咀嚼習慣を身につけるための食育指導、高齢者の食事の見守りなどに役立つことが期待されています。小野教授と堀准教授は、bitescanの開発初期段階からハードウェア設計に重要な生体計測や測定精度の検証を行ってきました。

また、本学の歯学部・医学部とシャープ株式会社は、この咀嚼計bitescanを活用したIoTシステムによる新しいヘルスプロモーションの可能性を広げるために、現在、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の委託を受けて、「ウェアラブルデバイスを用いて“噛む”を行動変容することによる食生活の適正化―肥満患者の日常的咀嚼行動のモニタリングと咀嚼行動変容アプリケーションを用いた介入研究―」を行っています。

歯学部とシャープ株式会社との共同研究内容

STEP1 はかる

bitescanにより平均101%の精度で咀嚼回数を計測できる

我々は、既存の下顎運動計測装置と同時計測を行い、bitescanの信頼性を検討しました。その結果、bitescanで計測した咀嚼回数は、下顎運動計測装置で計測した咀嚼回数の平均101.1%であり、精度よく咀嚼回数をカウントできることが明らかとなりました。
(Hori K, Uehara F, Yamaga Y, et. al, J Prosthodont Res, 2020)

STEP2 気づく

おにぎり一つを食べる平均咀嚼回数は215回 あまり噛まない人は肥満の傾向がある

101名の成人を対象に、おにぎり1個(100g)を食べた時の咀嚼回数を調査しました。その結果、平均の咀嚼回数は215回であり、咀嚼回数は、BMIと負の相関が認められました。

STEP3 行動する

アプリケーションを工夫することにより咀嚼行動を変えることができる

新潟大学と共同で開発した咀嚼習慣を変えるためのアプリケーションを1か月使ってもらったところ、被験者の噛むことへの意識が高まり、実際におにぎりを食べる際の咀嚼回数が平均36%増加しました。

 


 

2020年10月5日、報道機関向けに記者発表を行いました。


説明を行う小野教授

実際にbitescanとアプリを用いて説明を行う堀准教授(左)

 

関連リンク

本件に関するお問い合わせ先

広報室
電話 025-262-7000

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