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可視光を吸収する新たな有機分子触媒の開発-光触媒活性を有する補酵素NAD+模倣分子-

2023年05月31日 水曜日 研究成果

持続可能な社会形成に貢献するグリーン・サステイナブルケミストリー1は、現代化学の中核に位置付けられています。クリーンエネルギーである光が駆動する酸化還元触媒による有機物質変換は、有機合成化学分野の一大潮流になっています。特に、金属元素を含まない有機分子光触媒の開発は大きな注目を集めています。本学大学院自然科学研究科大学院生の宮島亮と大江裕貴、本学自然科学系(理学部)の長谷川英悦教授(研究当時)、三浦智明助教、生駒忠昭教授、岩本啓准教授および東京大学大学院総合文化研究科の滝沢進也助教(本学理学部卒業・本学大学院自然科学研究科博士前期課程修了)は、電子ドナー・アクセプター連結構造を有する新しい有機分子を設計・合成し、分光学的測定と理論計算結果から光励起により長寿命電荷シフト状態を生成し、有機物質の還元的変換を可能にする光触媒として機能することを明らかにしました。この研究は、食料やエネルギー問題の解決に繋がる人工的な光合成(二酸化炭素還元による有機物合成や水からの水素製造)への応用が期待されます。

本研究成果のポイント

  • 電子ドナー・アクセプター連結有機分子光触媒の開発
  • 分子内光誘起電子移動による長寿命電荷シフト状態の発生
  • 可視光利用による還元的有機物質変換の達成
  • 人工光合成および発光材料への応用
【用語解説】
  1. グリーン・サステイナブルケミストリー:人と環境に調和し持続可能な社会を支える化学。1992年の国連環境開発会議(地球サミット)における「アジェンダ21」の合意が契機。「新化学技術推進協会グリーン・サステイナブケミストリーネットワーク」および本学「ユビキタスグリーンケミカルエネルギー連携教育研究センター」参照。

研究内容の詳細

可視光を吸収する新たな有機分子触媒の開発-光触媒活性を有する補酵素NAD+模倣分子-(PDF:0.6MB)

本研究成果情報について一部誤りがありましたので、2023年6月6日に下記のとおり訂正しました。

Ⅴ.研究成果の公表  1行目

(誤)2023 年5⽉1⽇
(正)2023 年5⽉2⽇

論文情報

【掲載誌】Journal of the American Chemical Society
【論文タイトル】Triarylamine-Substituted Benzimidazoliums as Electron Donor−Acceptor Dyad-Type Photocatalysts for Reductive Organic Transformations
【著者】Ryo Miyajima, Yuuki Ooe, Tomoaki Miura, Tadaaki Ikoma, Hajime Iwamoto, Shin-ya Takizawa, Eietsu Hasegawa
【doi】10.1021/jacs.3c01264

本件に関するお問い合わせ先

広報事務室
E-mail pr-office@adm.niigata-u.ac.jp

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