大学の第三の使命である社会貢献を直接的かつ具体的に行う仕組みである産学官連携は、研究や教育の分野とは“趣き”を異にする多くの関与者と広く協業する中で進められております。これは、存在目的の違う組織同士が同じ目的に向かって活動する中で、様々な相反する事柄に直面する状況が生じる可能性を示しております。また、大学の教職員等がより具体的な社会貢献をすすめるにつれ、本来の責務である教育と学術研究とのバランスが崩れ、無意識のうちに社会的に理解される行動がとれなくなってくる危険性があります。「利益相反」は、大学が社会に対して果すべき責務を推進していく中で必然的に起こってくる、このような状態のことをさしています。
これからの大学に求められる姿勢は、利益相反に対する適切なマネジメント体制整備を通じて、社会的な公器としての役割を明確に示すことであるといえます。利益相反マネジメントはそのためにこそ行われるのであり、大学の構成員である一人一人がその性質や趣旨を正しく理解し、日々の教育・研究・社会貢献の活動の中で、的確な行動がとれる視点を醸成していくことが求められております。利益相反マネジメントの具体的実例を理解するため、次のとおり講演会を開催します。
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