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【学生の皆さんへ】学長メッセージ -第一学期を始めるにあたって-(2020年4月6日掲載)

2020年04月06日 月曜日 お知らせ

新潟大学長 牛木辰男

新入生の皆さん、入学おめでとうございます。また、在校生の皆さんも新たな気持ちで新学期を迎えようとしているのではないかと思います。そんな期待と希望に満ちた4月となりましたが、皆さんに重要なことを伝えなければなりません。

新潟大学は、新年度の初めに皆さんの感染の機会が高まることのないように、授業の始まりを例年より2週間遅らせて4月20日からにするとともに、第一学期を原則としてすべて「非対面型授業」で行うことにしました。非対面型というのは、従来の講義室での対面による授業を行わないことで、オンラインによる遠隔授業や課題研究による学修によるということです。

 学生の皆さんは、対面によらない授業に対して、大きな不安や負担を感じられていると思います。しかし、ウイルス感染の拡大が今後どのように進むのか極めて不透明な現段階で、皆さんの安全を確保し、学内での感染の拡大を最大限防ぐためには、新潟大学の約13000人の学生の皆さんの接触機会をできるだけ少なくすることがもっとも効果的な方法です。また、この状態で皆さんの学修機会を確保するには、授業のオンライン化を含めた非対面型の授業を模索するしかありません。どうか、このことをよく理解していただき、皆さんのご協力をお願いします。

ご存じのように、昨年末に中国で発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的に感染拡大しています。そのため、新潟大学では、2月末より専門家を加えた新型コロナウイルス対策本部会議を設置し、私の指揮のもとで、学生の皆さんの安全を最重要視した対策をいち早く講じ、すでに卒業式、入学式を始めとして、感染拡大リスクの高い式典や集会の中止の決定をしてきました。

しかし、残念ながら、現在、新型コロナウイルスの感染拡大は日本でも極めて深刻な段階にまできています。(注:4月7日に7都府県に緊急事態宣言が出されました。)この感染拡大は世界レベルの非常事態であり、これを乗り切るためには相当の覚悟が必要です。すでに皆さんは、ヨーロッパ諸国やアメリカが、都市閉鎖や厳しい外出制限をしていることを、さまざまなメディアのニュースで見知っていることでしょう。

新型コロナウイルス感染拡大の緊急事態であるため、大学側の準備も間に合わないことが生じることがあるかもしれませんが、皆さんの勉学の機会をできるだけ快適に確保できるように、最大限の努力と対策を進めていきますので、是非一緒に知恵を出し合い、協力しながら、この困難を乗り越えていきましょう。

 


なお、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためには、皆さんが自分の感染を防ぎ、また他人にうつさないこと、がもっとも重要です。そのための基本的知識を以下に書き足しますので、これについても十分注意してください。また、この期間の心の健康についても最後に触れます。

1)なぜ、感染対策が必要か

新型コロナウイルス感染症は、ウイルスが人から人に感染することにより広がりますから、感染の機会を減らすことが重要です。この感染症は罹患者に接触した後3~14日に発症することが多いことが分かっています。しかも症状がはっきり現れない早期から他人への感染が起こることが知られてきています。したがって、自分が感染していることに気づかないうちに他人にうつしていることが多数起こっていると考えられます。これが、感染を拡大させている一つの原因です。したがって、感染対策としては、
①自分が感染しないように気を付ける
②「もしかしたら自分が感染しているかもしれない」と常に考え、他人にうつさないよう気を付ける。
ことが重要です。以下の内容はすべてそのための対策です。

2)授業開始までの2週間の行動について

すでに、大学からホームページ等を用いて連絡していますが、最低限以下について厳守してください。
①授業開始の2週間前にあたる4月6日(月)以降に、感染が拡大している地域(北海道、東京都、愛知県、神奈川県、大阪府、和歌山県、千葉県、兵庫県、京都府、埼玉県、福岡県)への旅行や移動を自粛してください。
②上記の感染が拡大している地域に居住あるいは一時滞在している学生は、4月6日までに新潟へ移動し、その後は不要不急の外出は控えてください。
これは、皆さんが感染を持ち込み広げるという加害者にならないために守ってほしいことです。授業開始までの2週間は自身の健康チェックをお願いします。もし、その間に、発熱(37.5℃以上)または風邪症状(咳、息くるしさ、強いだるさ)がある場合は、保健管理センター(五十嵐:025-262-6244、旭町:025-227-2040)に電話で相談してください。

3)マスクと手洗いについて

飛沫感染と接触感染を極力避けるために、マスクの着用と手洗いの励行をお願いします。
とくにマスクの着用については、いろいろな意見がありますが、以下の点で重要です。
①「もしかしたら自分が感染しているかもしれない」と常に考え、自分のつばを飛ばさないようにする。
② 他人のつばを直接顔に浴びないようにする。
したがって、せっかくマスクをしているのに、わざわざマスクを外して話すというのは本末転倒です。顎マスクもまったく意味がなく不潔です。きちんとしたマスクの付け方をしてください。また、マスクは自分や他人が感染者である場合は最も不潔なものですから、マスクの裏表を変えるとか、マスクを触ることは、手にウイルスを付着させる結果ともなり、逆に接触感染の原因になる点も注意する必要があります。(出来れば紙マスクは毎日新しい物にし,布マスクも毎日洗濯して清潔なものを使ってください。)

4)日頃の行動の留意事項

そのほか以下の点に気を付けてください。
①不用意に人に接触しないこと。握手やハイタッチはやめてください。
②人と安全な距離を保つこと(1~2メートル)。並ぶ時も前後と距離を置いてください。
③ドアのノブ、テーブルや机など、公共で物を触った後は必ず手洗いをすること。また、その手で自分の顔に触れないようにすること。(トイレに行った後も必ず手洗いをすること。)
手に付着したウイルスは目をこすったり鼻をいじったりすることで感染する可能性もあります。汚い手で物を食べるのも同様です。こまめに手を洗い、顔に触れないことですが、マスクをしていると、意外に顔に手を触れずに済むという効用もあります。

5)3密を避ける

政府の専門家会議の指摘により、密閉、密集、密接の「3密」を避けるように報じられています。これは、こうした環境で感染の確率が極めて高くなり、クラスターという集団感染が生じるためです。接触感染と飛沫感染が、この狭い空間で極めて効率に起こっていることを意味します。この点と、これまで起こった屋内運動施設でのクラスター感染などを考慮し、サークル・課外活動は休止としています。また、当然のことながら、飲み会やカラオケ・ライブハウスへは出入りしないでください。

6)日常生活の精神衛生

「非対面型授業」となると、同級生や教員と直接接する機会がなくなります。親元を離れての初めての一人暮らしとなる新入生は、さぞ心細いのではないかとも思います。我々教員は皆さんと、メールやネットを介してつながる方法を模索しています。決して一人ではないと思ってください。そして、何か心配なことがあればいつでも相談してください。(連絡先等は各学部から通知します)
バランスのとれた食事、適度な運動、十分な睡眠、に心がけ、規則正しい生活をすることが大切です。不要不急の外出は避けてほしいと思いますが、当然のことながら、食品や必要な日用品の買い物は、上記の感染予防に気を付けてくれれば問題ありませんし、晴れた日に、人のまばらな公園や近くを散歩するのは大いに結構です。外のものに触った手で自分の顔を触らないこと、帰ってきたら手洗いをすること、そんなちょっとしたことを習慣つければ、自分の身を守りながら、楽しく過ごすことができるでしょう。

最後に、私の友人の甥でハワイにいる若者のメールの一部を紹介します。

・・・学校はオンライン授業で、スポーツイベントはやっていません。外出する際はマスクを必ずつけて、ハワイに入ってくる人には2週間外出禁止令が出されています。ハワイに住んでいる人も、外で遊んだり暇つぶしのような事はできません。友達の家に遊びにいくのも禁止で罰金5000ドルを払わされることもあります、でも個人で外でトレーニングするのはオッケーみたいです。買い物も大丈夫ですが、social distancingと言って、人から6feet(注:約1.8m)の距離を置くことが勧められています…

世界中、同じですね。世界でみんなが頑張っています。

これもチェック

新潟大学 新型コロナウイルス感染症対策ポスター「かからない」・「ひろげない」ために大事なこと
(PDF:617KB)

英文メッセージはこちら
新型コロナウイルス感染症に関する対応ページへ

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