35年間の観察研究から国指定難病の“原発性胆汁性胆管炎”の病態と予後の変遷を明らかにしました
本学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野の寺井崇二教授と高村昌昭准教授らは、関連施設とともに、原発性胆汁性胆管炎(Primary biliary cholangitis: PBC)*の長期(1982年から2016年まで)観察研究を行い、その結果を報告しました。最近の症例は早期に発見され予後良好な軽症例が多く、男性症例・女性高齢診断症例が増加しており、35年間の長期観察で病態が変化してきたことが分かりました。
消化器内科学分野(教室)では、その前身の本学医学部第三内科の初代教授である 故 市田文弘名誉教授が1967年に赴任した時より本疾患に注目し、その後の歴代教授、教室、関連施設をあげて早期診断・治療を行ってきたことが今回の結果につながったものと考えられます。教室の伝統を踏まえた、教室全体の成果です。
*原発性胆汁性胆管炎(Primary biliary cholangitis: PBC)
厚生労働省の難病指定にされており、肝臓の小さな胆管が免疫異常により障害を受ける疾患です。早期では胆汁の流れが少し滞る軽度の胆管炎をきたす程度ですが、進行し多くの小さな胆管が破壊され、胆汁の流れが一層悪くなると肝硬変さらには肝不全に至ることもあります。
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