磁場で発光色が変わる特性をジラジカル一分子で実現
研究成果
発表のポイント
- 複数のラジカル[1]が集合した固体中でしか確認できなかったマグネトルミネッセンス(磁場で物質の発光色が変わる現象)の発現を、二つのラジカル部位を含む分子(ジラジカル[2])一つで実現した。
- マグネトルミネッセンス発現に最低限必要なラジカル部位の数が2であることを明らかにし、これまで曖昧だったマグネトルミネッセンスのメカニズムの詳細を明らかにした。
- これらの発現条件・機構に関する知見はマグネトルミネッセンス発現分子を化学的に設計・開発するための重要な指針となる。
概要
分子科学研究所の松岡亮太助教、草本哲郎准教授(現大阪大学教授)、東北大学の木村尚次郎准教授、本学の三浦智明助教、生駒忠昭教授らの研究チームは、磁場で物質の発光色が変わる現象「マグネトルミネッセンス」の発現を、二つのラジカル部位を含む分子(ジラジカル)一つで実現することに成功しました。これにより、曖昧であったラジカルのマグネトルミネッセンスの発現条件やメカニズムが明らかとなり、多種多様なマグネトルミネッセンス発現分子を化学的に設計・開発するための指針が示されました。
本研究成果は学術誌「Journal of the American Chemical Society」に2023年6月14日付けでオンライン掲載されました。
用語解説
[1] ラジカル:「不対電子」を持つ分子の総称。分子中の電子は通常二つずつ対として存在するが、ラジカルには対を作っていない電子(=不対電子)が一つ以上ある。このような分子は一般に不安定だが、条件を満たせば安定化することができる。
[2] ジラジカル:ラジカルの中で、不対電子を二つ有する化学種。
研究内容の詳細
磁場で発光色が変わる特性をジラジカル一分子で実現(PDF:0.4MB)
論文情報
【掲載誌】Journal of the American Chemical Society
【論文タイトル】Single-molecule Magnetoluminescence from a Spatially Confined Persistent Diradical Emitter
【著者】Ryota Matsuoka, Shojiro Kimura, Tomoaki Miura, Tadaaki Ikoma, and Tetsuro Kusamoto
【doi】10.1021/jacs.3c01076
本件に関するお問い合わせ先
広報事務室
E-mail pr-office@adm.niigata-u.ac.jp
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