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筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因遺伝子を特定

研究

脳研究所の小野寺理准教授,横関明男医師,高橋均教授らを中心とする神経内科分野と病理学分野の共同研究グループは,難病筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因となる新しい遺伝子を発見しました。

ALSは,筋肉を動かす運動神経が減少し,体を動かしたり,呼吸したりすることが難しくなっていく病気で,根治療法がなく,日本では約7千人の患者さんがいるといわれています。多くが非遺伝性であり,1割が遺伝性です。非遺伝性の患者さんの神経細胞にはTDP43という蛋白質が蓄積する,一方,遺伝性の患者さんでは,通常この蓄積が認められず,これまでTDP43の蓄積が結果なのか原因なのかは明らかではありませんでした。同グループは,TDP43の蓄積を認める稀な遺伝性のALS患者さんに注目し,この患者さんのTDP43遺伝子に異常を見いだしました。この研究により,TDP43の異常がALSの原因であることを明らかにすることができました。

TDP43遺伝子に異常のある方はきわめて少数ですが,TDP43の研究により,非遺伝性の方も含め,この病気の治療が可能になることが期待されています。

なお,本研究成果は,2008年4月26日に米国神経学会誌「Annals of Neurology」で公開されました。

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