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保健学研究科(博士前期課程)保健学専攻の三つのポリシー

ディプロマ・ポリシー

人材育成目標(修了生が身に付けるべき資質・能力)

21世紀は、人口構造の変動による疾病構造の変化、未知の疾患の発生、自然災害の頻発など人々の健康に影響を及ぼす事態が予想されます。高度先進医療を支え、さらに地域社会の医療・介護サービスの需要の高まりにも対応でき、チームアプローチを実践できる医療従事者が求められています。当プログラムでは、こうした状況を踏まえ、自立した行動が可能で、総合的・包括的・国際的な視点から保健医療に携わることができる高度専門医療職者を育成します。

本学に当プログラムの修業年限以上在学し、所定の授業科目および30単位以上を修得した者で、人材育成目標に係る下記の能力を有すると認められる者に、修士(保健学)の学位を授与します。なお当プログラムは、看護学分野・放射線技術科学分野・検査技術科学分野の3教育研究分野を有しています。

プログラムの到達目標(目標としての学修成果)

知識・理解

看護学分野
  • 看護学における各専門領域の高度な専門知識・技術を修得している。
  • 看護管理者、看護教育者、高度実践者として、国内外の看護保健活動において、指導的立場を担うために必要な知識・技能を修得している。
  • 専門領域と密接に関連する他領域・異分野の専門知識を包括的・多角的に理解している。
放射線技術科学分野
  • 放射線技術科学領域全般の知識及び、特定の専門知識、技術を修得している。
  • 実践医療現場において中心的な役割を果たし、疾病予防、診断及び治療に貢献することができる。
  • 放射線医療技術学の分野における国際的な視点を有し、医療のグローバル化にともなって生じる種々の問題点を明らかにすることができる。
検査技術科学分野
  • 生体機能科学における各分野の高度な専門知識を修得している。
  • 病態と細胞レベル・分子レベルにおける事象との関連について理解している。
  • 専門領域と関連する異分野の研究領域への関心を持ち理解している。

当該分野固有の能力

看護学分野
  • 臨床・地域保健医療活動の場において、最先端の知見にアクセスし、科学的根拠をもって看護を実践することができる。
  • 臨床・地域保健医療活動の場において、問題の本質を見抜き、倫理的・科学的に分析し看護の課題を解決することができる。
  • 保健・医療・福祉の教育・研究機関において、教育・研究を実践することができる。
放射線技術科学分野
  • 放射線技術科学領域全般の知識及び、特定の専門知識、技術を修得している。
  • 実践医療現場において中心的な役割を果たし、疾病予防、診断及び治療に取り組むことができる。
  • 放射線医療技術学の分野における国際的な視点を有し、医療のグローバル化にともなって生じる種々の問題を解決することができる。
  • 新しい知識をもとに、創造的な研究を行うことにより、実践の場を活性化し、指導的な役割を担うことができる。
検査技術科学分野
  • 検査技術科学分野の高度な知識と技術を修得している。
  • 検査技術科学分野における高度な知識や技術をもとに、生体成分の新たな機能解析や検査技術開発に向けた研究に取り組むことができる。

汎用的能力

看護学分野
  • 様々な状況において、自己管理、協働、プレゼンテーションができる。
  • 応用科学である看護学を通して、他領域の専門職者と連携して保健医療の発展に寄与することができる。
  • 学際的、国際的な視点を持ち、地域社会の健康課題解決に向けた異文化コミュニケーションをとることができる。
放射線技術科学分野
  • 論理的な思考力、問題解決能力を身に付けている。
  • 国際社会で活躍できるコミュニケーション能力を身に付けている。
  • 医療における倫理と責任を強く自覚した保健医療分野のリーダーとしての能力を身に付けている。
検査技術科学分野
  • 論理的思考ができ、さまざまな問題を解決できる。
  • グローバルにコミュニケーションできる。
  • 医療における倫理と責任を強く自覚したリーダーシップを発揮できる。

態度・姿勢

看護学分野
  • 対象者の権利を尊重し、個人情報を秘守する態度・姿勢を備えている。
  • 多職種と十分に意思疎通をはかり、連携できる態度・姿勢を備えている。
  • 傾聴や対話を通して対象と共感的なコミュニケーションを行う態度・姿勢を備えている。
  • 課題に対して主体的、客観的、創造的に取り組む態度・姿勢を備えている。
  • 新しい知識や技術を学び看護を探究し続ける態度・姿勢を備えている。
放射線技術科学分野
  • 新しい知識や技術を学び探究することができる態度・姿勢を備えている。
  • 責任感をもって医療を実践することができる態度・姿勢を備えている。
  • 医療の向上のための実践への情熱を持ち続ける態度・姿勢を備えている。
  • 医学・医療技術の進歩に寄与することへの情熱を持ち続ける能力を備えている。
  • 対象者の権利を理解し、尊重することができる態度・姿勢を備えている。
検査技術科学分野
  • 被験者や他の医療職者との十分な意思疎通能力を備えている。
  • スタンダードプリコーション(標準感染予防策)の基礎を備えている。
  • 実験・実習のデータの保守や個人情報の秘守を遂行する能力を備えている。

カリキュラム・ポリシー

到達目標に達するための教育課程

カリキュラム編成

博士前期課程では、保健学の専門的知見を有するとともに、国際医療、情報解析、医療倫理などの幅広い知識と、人々の健康に関する諸問題に柔軟な判断と対応ができる高度医療専門職を養成する目的に対応したカリキュラムが編成されています。3教育研究分野の学生は、それぞれにカスタマイズされた履修プランに基づいて計画的に学修します。

3教育研究分野の共通の科目として、「共通コア科目」である「リサーチ・メソッズ・ベーシック」により保健学研究のスタートラインに立ちます。また「研究支持科目」として保健学の専門的知見・知識を修得します。3教育研究分野それぞれの「共通科目」には、高度医療専門職として基盤となる知識と技術を修得し、「専門科目」では課題解決能力や高度医療専門職としての実践力、研究能力及び論文作成能力を修得します。

学修内容・方法

看護学分野

各専門の学域に共通し、かつ専門的研究を進めていく上で有用な基礎教育科目として看護倫理学、看護教育、看護研究、看護理論、医療ナラトロジー、コンサルテーション論、臨床薬理学、フィジカルアセスメント、病態生理学を開講しています。
各専門領域は、基礎看護学、地域看護学、国際看護学、成人・老年看護学、がん看護学、小児看護学、母性看護学、精神看護学、遺伝看護学で構成されています。共通する教育方針は科学的根拠に基づく看護の知識・技術を患者支援や看護介入に応用・展開する実践的研究、多様な場における援助技術の開発、人間理解に焦点を当てた看護研究を行うことです。
各学域ではこの方針に沿って特論を開講し、基本的事項や最新の知見等、またそれらに自らアクセスし課題解決のための方法等を教授します。特論での講義内容について、演習・実習をとおしてその理解を深め、更に各自に設定されたテーマに関して個別に研究指導をします。
また、日本看護系大学協議会の認定した高度実践看護師教育課程として慢性看護、がん看護、地域看護、遺伝看護の専門看護師教育課程を設置しています。

放射線技術科学分野

放射線技術科学分野共通科目として、医学物理学概論と医用放射線科学概論及び国際放射線医療科学概論を開講しています。
放射線技術科学分野専門科目として、放射線科学の基礎となる理工学を基盤とした放射線物質科学特論及び医用放射線機器科学特論を開講し、放射線機器等で使用する素材の材料物性評価、診断機器装置の全体構造と原理、及び機器の特性評価と品質管理・保証等について広範囲の専門教育を行います。併せて、放射性薬品化学・管理学特論及び生体構造機能解析工学特論等を開講し、臨床診断に用いられる放射性薬剤や放射線の生体への影響及び放射線管理に関する考え方、並びに医療診断装置による生体構造と機能に関する「人間医工学」的解析について教育します。
また、疾病の予防・診断・治療に役立つ専門科目として、医用画像情報学特論や核医学情報学特論を開講し、CT、MRI、超音波などの検査装置で得られる各種の画像情報の成り立ち、処理、特徴、解析や、放射性同位元素を用いたSPECT、PETなどによる生体情報の取得法やその定量的評価法について教育します。併せて、臨床画像医学特論を開講して、各画像検査における解剖学・疾患の所見と臨床像並びに病理形態像との関係等について講義します。更に、放射線腫瘍学特論を開講して、半自動化が進んでいる照射計画システム等を駆使して個々の患者に最適な治療を実現する方法について教育します。
加えて、これらの講義内容を基盤とした演習を通してその応用と実践を教授し、更に保健学特別研究(放射線技術科学)において各自が設定したテーマに関して個別研究指導します。
また、医学物理士養成コースを設置し、一般財団法人医学物理士認定機構が認定する医学物理士を養成します。

検査技術科学分野

検査技術科学分野共通科目として、基礎生体情報検査科学論と臨床生体情報検査科学論及び国際病態検査科学概論を開講し、基礎医学から臨床医学分野に至る広い範囲の最新知見を教授します。検査技術科学分野専門科目として、以下の科目を開講します。
ゲノム検査分子生物学特論では、ゲノム変異解析に関連する技術と理論を、生体情報解析学特論では、生体機能調節機構から特定の情報を引き出す手段と理論をプロテオーム解析も含めて、それぞれ教授します。
また、病原微生物解析学特論では、細菌並びにウイルスの有する遺伝子情報と病原性との関係を教授します。
病態病理検査学特論では、腫瘍の細胞・組織レベルでの診断に加えて組織多様性や人種間異同の分子病理学的解析について教授します。病態生理機能学特論においては、超音波検査装置や心電計等を用いての病態生理検査について教授します。
血液・腫瘍検査学特論では、末梢血並びに骨髄についての先端的検査を解説した上で、白血病・リンパ腫等の腫瘍発症機構及び抗腫瘍免疫反応などに関連する検査・研究手技を教授します。
免疫病態検査学特論では、腎疾患における検査手技並びに腎疾患成立の免疫学的機序について教授します。
これらの特論での講義内容を基盤として、実験・実習においてその応用と実践を教授し、更に特別研究において、各自に設定されたテーマに関して個別研究指導します。

学修成果の評価方法

「共通コア科目」、「研究支持科目」、「共通科目」、「専門科目」(「保健学特別研究」を除く)の学修成果は、科⽬における課題、実習(実験)レポート、試験により⼀定以上の成績を修めることで評価されます。保健学特別研究の総決算としてこれまでの研究成果を取りまとめ修士論文を作成します。学位申請論文(修士論文)の内容、主査・副査による口頭試問を踏まえ、審査委員会により「学位論文審査基準」に基づいて学位授与が決定されます。

アドミッション・ポリシー

入学者に求める資質・能力と入学者選抜方法

入学者に求める資質・能力(求める学生像)

看護学、放射線技術科学、ならびに検査技術科学それぞれの分野において、保健・医療機関で高度専門医療職者として活躍できる人材を養成するために、以下のような資質・能力を有する学生を求めます。

  • それぞれの分野における学問体系の確立と技術の開発に積極的に取り組む意志のある人
  • 保健学専攻博士前期課程の教育を受けるための基礎学力と専門分野に関連する知識・技能を持ち、博士前期課程において幅広い学識と専門領域に関する研究能力を修得する意志のある人
  • 保健医療において指導的・専門的立場から実務を遂行又は医療専門職者の養成に貢献し、自立的な研究を併行して行う資質を修得する意志のある人
  • 国際的な視野を持ち、文化、社会、人間の多様性を認めあうことができるとともに、自ら新たな道を切り開く意志のある人

選抜方法

大学院博士前期課程の学修に必要なバランスのとれた十分な基礎学力に加え、専門分野に関連する科目に対する高い意欲と適性を持つ学生を以下の方法により選抜します。

一般選抜

本選抜では語学力に加え論理的思考力・表現力等を外国語(英語)によって評価する。また、専門分野に関連する知識・技能等を専門科目と出願書類によって評価する。さらに、保健、医療一般に関する基礎知識及び思考力・判断力・表現力等を小論文によって、主体性・多様性・協働性・国際的視野等を面接によって評価する。

社会人特別選抜

(一般選抜と同じ)

私費外国人留学生特別選抜

本選抜では専門分野に関連する知識・技能等を専門科目と出願書類によって評価する。また、保健、医療一般に関する基礎知識及び思考力・判断力・表現力等を小論文によって、主体性・多様性・協働性・国際的視野等を面接によって評価する。