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ヒト正常子宮内膜と子宮腺筋症病巣の3次元構造を解明

2021年03月16日 火曜日 研究成果

本学大学院医歯学総合研究科産科婦人科学分野の榎本隆之教授、吉原弘祐講師、本学医歯学総合病院総合周産期母子医療センターの山口真奈子特任助教らは、本学脳研究所システム脳病態学分野の田井中一貴教授との共同研究により、ヒト子宮組織の透明化と3D画像解析を行い、正常子宮内膜や子宮腺筋症病巣の3次元構造を解明しました。この発見によって、内膜腺管は百年来一本ずつが独立して存在していると組織学の教科書では記載されていましたが、実は基底層でいくつかの腺管同士が繋がり、ネットワークを形成していることが明らかとなりました。正常子宮内膜の立体構造の解明は、組織学の教科書を書き換えるだけでなく、受精卵の着床機序や子宮内膜がんの発生機序の解明に繋がる重要な知見です。本研究結果はCell Press社の科学雑誌iScienceに掲載されました。

本研究成果のポイント

  • これまで2次元画像によって理解されてきたヒト子宮内膜の構造を3次元で観察することにより、ヒト子宮内膜の基底層には腺管の網目構造(地下茎)が存在し、複数の腺管が地下茎を共有していることを明らかにしました。
  • 子宮腺筋症(子宮内膜組織が異所性に筋層内で増殖する疾患)の病巣の3次元構造解析に成功し、内膜組織が子宮筋層内に入り込んで蟻の巣のようなネットワーク構造を形成していることを明らかにしました。

研究内容の詳細

ヒト正常子宮内膜と子宮腺筋症病巣の3次元構造を解明(PDF:1.4MB)

論文情報

【掲載誌】iScience
【論文タイトル】Three-Dimensional understanding of the morphological complexity of the human uterine endometrium
【著者】Manako Yamaguchi, Kosuke Yoshihara, Kazuaki Suda, Hirofumi Nakaoka, Nozomi Yachida, Haruka Ueda, Kentaro Sugino, Yutaro Mori, Kaoru Yamawaki, Ryo Tamura, Tatsuya Ishiguro, Teiichi Motoyama, Yu Watanabe, Shujiro Okuda, Kazuki Tainaka, Takayuki Enomoto
【doi】10.1016/j.isci.2021.102258

本件に関するお問い合わせ先

広報室
電話 025-262-7000

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