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抗がん剤の感受性を予測する血液マーカーを確立-シスプラチンの効果を予測するAPM2蛋白の有用性とメカニズムを解明-

2021年03月18日 木曜日 研究成果

本学医学部医学科総合診療学講座の上村顕也特任教授、本学医歯学総合病院魚沼地域医療教育センターの須田剛士特任教授、本学大学院医歯学総合研究科新領域開拓研究センターバイオインフォマティクス分野の奥田修二郎准教授、同研究科消化器内科学分野の青栁豊名誉教授、同研究科消化器・一般外科学分野の若井俊文教授、同研究科消化器内科学分野の寺井崇二教授らの研究グループは、Adipose most abundant gene transcript 2 protein (APM2)という蛋白がシスプラチン(注1)に抵抗して腫瘍増殖を促進するメカニズム及び、血液中のAPM2蛋白の濃度が抗がん剤の一つであるシスプラチンに対する抗腫瘍効果の予測に有用であることを明らかにしました。シスプラチンの効果予測マーカーの確立で、患者さんそれぞれにより最適な治療を選択するための指標になる可能性があります。

本研究成果のポイント

  • シスプラチンは様々な癌に有効で、重要な薬剤です。一方で、腎障害や血球減少などの副作用も出現するので、効果と副作用を慎重に判断しながら使用します。
  • 血液中のAPM2という蛋白の濃度がシスプラチンの効果と関連があることを明らかにし、そのメカニズムを明らかにしました。
  • 血液中のAPM2の濃度がシスプラチンの効果予測に有用であることを明らかにしました。
  • 抗がん治療は日々進歩しており、それぞれの患者さんに適した治療法を選択するための指標になる可能性があります。

【用語解説】
(注1)シスプラチン:シスプラチンは抗悪性腫瘍剤(抗がん剤)のひとつです。白金錯体に分類される抗がん剤で、様々な癌に対する治療に使用されています。DNAと結合してその鎖内に架橋を形成することで抗腫瘍効果を呈します。

研究内容の詳細

抗がん剤の感受性を予測する血液マーカーを確立-シスプラチンの効果を予測するAPM2蛋白の有用性とメカニズムを解明-(PDF:749KB)

論文情報

【掲載誌】Scientific Reports
【論文タイトル】Adipose Most Abundant 2 Protein is a Predictive Marker for Cisplatin Sensitivity in Cancers
【著者】Kenya Kamimura, Takeshi Suda, Yasuo Fukuhara, Shujiro Okuda, Yu Watanabe, Takeshi Yokoo, Akihiko Osaki, Nobuo Waguri, Toru Ishikawa, Toshihiro Sato, Yutaka Aoyagi, Masaaki Takamura, Toshifumi Wakai, and Shuji Terai
【doi】10.1038/s41598-021-85498-7

本件に関するお問い合わせ先

広報室
電話 025-262-7000

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