AIによる重症薬疹の早期画像診断-スティーブンス・ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死症の新規非侵襲的画像診断法を開発-
本学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野の藤本篤特任講師、阿部理一郎教授、工学部電子情報通信プログラムの村松正吾教授らの研究グループは、東北大学、大阪大学、筑波大学との共同研究で、ディープニューラルネットワーク(注1)を応用したAIによるスティーブンス・ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死症の早期画像診断法を開発しました。本検査法によって皮膚病変部のデジタル写真から致死率の高い重症薬疹を早期に診断できるようになる可能性があります。
本研究成果のポイント
- スティーブンス・ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死症は薬剤投与後に生じ、時に生命を脅かす非常に稀な薬疹で、厚生労働省の定める指定難病です。
- この病気の初期の皮膚症状は、頻度の高い軽症の薬疹(=通常薬疹)と非常によく似ています。このため、見た目から区別することは難しく、早期に診断することが難しいとされていました。
- 今回我々はAI技術の一つであるディープニューラルネットワークを応用することで、皮膚病変のデジタル写真からこの病気を早期に診断する方法を開発しました。
【用語解説】
(注1)ディープニューラルネットワーク:
ニューラルネットワークを多層に結合して学習能力を高めた機械学習の一手法。近年のAIの発展を支える技術的基盤。
研究内容の詳細
AIによる重症薬疹の早期画像診断-スティーブンス・ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死症の新規非侵襲的画像診断法を開発-(PDF:812KB)
論文情報
【掲載誌】Journal of Allergy and Clinical Immunology: In Practice
【論文タイトル】Deep neural network for early image diagnosis of Stevens–Johnson syndrome/toxic epidermal necrolysis
【著者】Atsushi Fujimoto* Yuki Iwai, Takashi Ishikawa, Satoru Shinkuma, Kosuke Shido, Kenshi Yamasaki, Yasuhiro Fujisawa, Manabu Fujimoto, Shogo Muramatsu* and Riichiro Abe* *責任著者
【doi】10.1016/j.jaip.2021.09.014
本件に関するお問い合わせ先
広報室
E-mail pr-office@adm.niigata-u.ac.jp
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