オオミジンコのオスは水平方向に偏った遊泳拡散をすることを発見し、コンピュータシミュレーションによってその再現に成功
本学佐渡自然共生科学センター臨海実験所の豊田賢治特任助教(研究当時:基礎生物学研究所分子環境生物学研究部門大学院生)と基礎生物学研究所神経生理学研究室の渡辺英治准教授と横浜市立大学大学院生命ナノシステム科学研究科の井口泰泉特任教授(研究当時:基礎生物学研究所分子環境生物学研究部門教授)、宇都宮大学オプティクス教育研究センターの八杉公基特任准教授(研究当時:基礎生物学研究所神経生理学研究室NIBBリサーチフェロー)、愛媛大学農学部環境計測学研究室の鑪迫典久教授の共同研究グループは、淡水性動物プランクトンであるオオミジンコの行動解析から本種のメスが均一で無方向性の拡散を示すのに対して、オスは水平方向に偏った拡散を示すことを発見しました。さらに、コンピュータシミュレーション解析から遊泳時の旋回行動頻度によってオスの水平方向への遊泳拡散が説明できることを明らかにしました。本成果で明らかになったオオミジンコの雌雄で異なる遊泳拡散能は、湖沼生態系においてミジンコ類の遺伝的多様性の創出に貢献している可能性が示唆されました。本成果は2022年4月13日付けでJournal of Experimental Zoology Part A誌に掲載されました。
研究内容の詳細
オオミジンコのオスは水平方向に偏った遊泳拡散をすることを発見し、コンピュータシミュレーションによってその再現に成功(PDF:0.8MB)
論文情報
【掲載誌】Journal of Experimental Zoology Part A
【論文タイトル】Laterally biased diffusion of males of the water flea Daphnia magna
【著者】Kenji Toyota, Masaki Yasugi, Norihisa Tatarazako, Taisen Iguchi,and Eiji Watanabe
【doi】10.1002/jez.2595
本件に関するお問い合わせ先
広報室
E-mail pr-office@adm.niigata-u.ac.jp
他のニュースも読む
-
研究成果 2025年09月10日
体内栄養状態を感知するmTORC1経路の活性制御機構を解明-リソソーム膜上におけるTSC2の選択的脱リン酸化がmTORC1の活性を厳密に制御する-
-
研究成果 2025年09月05日
「小さな魚から自閉症研究に新展開-自閉症モデルの社会性障害に「環境」が影響-」
-
研究成果 2025年08月27日
河川の乱流制御を可能とする新発見-水害の大幅な削減につながる河道や都市排水施設の設計が可能に-
-
研究成果 2025年08月27日
生きたまま頭蓋骨を透明にする「シースルー法」を開発-頭蓋骨を残したまま、簡便・非侵襲・高精度に脳内をライブイメージングできるようになった!-