このページの本文へ移動
  1. ホーム
  2. ニュース
  3. リボソームの因子結合部位の動的挙動を解明-新規抗生物質開発へのヒント-

リボソームの因子結合部位の動的挙動を解明-新規抗生物質開発へのヒント-

2022年05月19日 木曜日 研究成果

本学自然科学系(理学部)の伊東孝祐准教授、内海利男名誉教授/フェロー、今井大達(研究当時本学大学院自然科学研究科博士後期課程在籍、現琉球大学特命助教)は、香港中文大学(The Chinese University of Hong Kong)のKam-Bo Wong教授らのグループと共同研究を実施し、リボソーム(細胞内でタンパク質を合成する巨大な分子集合体)上で様々な翻訳因子を受け入れる部位(因子結合部位)が驚くほど柔軟で複数種類の因子の受け入れを可能にしていること、そしてその性質は、リボソームがタンパク質合成を行うために必要不可欠であることを明らかにしました。本研究成果は、生体内でタンパク質が作られる動的で神秘的な仕組みの全容解明に貢献するばかりでなく、抗生物質の標的の探索研究に新たな知見を提供するものです。

本研究成果のポイント

  • リボソームの翻訳因子結合部位の構成タンパク質の一つであるuL11の末端は柔軟性に富み運動性がある。
  • uL11は末端の柔軟性に富む領域を介して、因子結合部位の他のタンパク質であるuL10と一過的に相互作用し、形の異なる様々な翻訳因子を受け入れる態勢を整える。
  • uL11とuL10間の相互作用はタンパク質の合成を促進するために必要不可欠である。

研究内容の詳細

リボソームの因子結合部位の動的挙動を解明-新規抗生物質開発へのヒント-(PDF:0.9MB)

論文情報

【掲載誌】Nucleic Acids Research
【論文タイトル】The flexible N-terminal motif of uL11 unique to eukaryotic ribosomes interacts with P-complex and facilitates protein translation
【著者】Lei Yang, Ka-Ming Lee, Conny Wing-Heng Yu, Hirotatsu Imai, Andrew Kwok-Ho Choi, David K. Banfield, Kosuke Ito, Toshio Uchiumi, Kam-Bo Wong
【doi】10.1093/nar/gkac292

本件に関するお問い合わせ先

広報室
E-mail pr-office@adm.niigata-u.ac.jp

他のニュースも読む