10ppb/Kレベルの周波数温度特性を有するバルク弾性波デバイスの開発に成功
本学自然科学系(工学部)の安部隆教授、佐谷元(研究当時、本学大学院自然科学研究科博士前期課程在学)らの研究グループは、支持基板と圧電板からなる複合基板を用いて圧電振動子をリモート励振する技術の開発に成功しました。提案技術を用いて、10 ppb/Kレベルの周波数温度特性を有するバルク弾性波デバイスが可能になりました。温度特性および電気機械結合係数の格段の向上が可能であるとともに、機械的強度が補強された複合基板の研磨による圧電板の薄板化により高周波化が可能であり、高安定・高感度なセンサ・デバイスの実現が可能になります。
本研究成果は、米国物理学協会が発行する雑誌「Applied Physics Letters」に2022年12月21日に掲載されました。なお、本研究は本学単独でなされたものです。
本研究成果のポイント
- 周波数の温度依存性を10 ppb/Kレベルまで大幅に低減、さらなる向上が可能
- 圧電体の薄板を機械的に補強しリモート励振が可能
- 質量・圧力センサ、振動子、フィルターなど多彩な用途への応用が可能
研究内容の詳細
10ppb/Kレベルの周波数温度特性を有するバルク弾性波デバイスの開発に成功(PDF:0.2MB)
論文情報
【掲載誌】Applied Physics Letters
【論文タイトル】Temperature characteristics of a thickness shear mode quartz crystal resonator bonded to a support substrate
【著者】Hajime Satani, Kuraudo Yasuda, Masayuki Sohgawa, Takashi Abe
【doi】10.1063/5.0132804
本件に関するお問い合わせ先
広報室
E-mail pr-office@adm.niigata-u.ac.jp
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