日本在来イネ品種「雄町」の茎の太さに関わるゲノム領域を特定~在来品種の未利用遺伝子の活用で台風に強い食用米、酒米品種開発に貢献~
東京農工大学大学院連合農学研究科 千装公樹氏、同大学大学院農学研究院生物生産科学部門 大川泰一郎教授、本学大学院自然科学研究科 山崎将紀教授らの共同研究グループは、茎の太い日本在来イネ品種「雄町」の茎の太さをもたらすゲノム領域を量的形質遺伝子座解析(QTL解析)により特定することに成功しました。この成果により今後、現代の育種では未利用の在来品種がもつ遺伝子を利用することで、地球温暖化により強大化する台風に耐える茎の強いイネ新品種の開発、米を主食とする我が国を含む東アジアおよび東南アジアや米消費量が増大しているアフリカをはじめとする世界の米生産の増加、気候変動下における米の安定生産が推進できると期待されます。
本研究成果は、「Rice」に2023年1月27日に掲載されました。
研究内容の詳細
日本在来イネ品種「雄町」の茎の太さに関わるゲノム領域を特定~在来品種の未利用遺伝子の活用で台風に強い食用米、酒米品種開発に貢献~(PDF:0.7MB)
論文情報
【掲載誌】Rice
【論文タイトル】Identification of novel quantitative trait loci for culm thickness of rice derived from strong-culm landrace in Japan, Omachi
【著者】 K. Chigira, M. Yamasaki, S. Adachi, A. J. Nagano and T. Ookawa
【doi】10.1186/s12284-023-00621-8
本件に関するお問い合わせ先
広報室
E-mail pr-office@adm.niigata-u.ac.jp
他のニュースも読む
-
研究成果 2025年09月10日
体内栄養状態を感知するmTORC1経路の活性制御機構を解明-リソソーム膜上におけるTSC2の選択的脱リン酸化がmTORC1の活性を厳密に制御する-
-
研究成果 2025年09月05日
「小さな魚から自閉症研究に新展開-自閉症モデルの社会性障害に「環境」が影響-」
-
研究成果 2025年08月27日
河川の乱流制御を可能とする新発見-水害の大幅な削減につながる河道や都市排水施設の設計が可能に-
-
研究成果 2025年08月27日
生きたまま頭蓋骨を透明にする「シースルー法」を開発-頭蓋骨を残したまま、簡便・非侵襲・高精度に脳内をライブイメージングできるようになった!-