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腎臓病の有無にかかわらず、野菜や果物を食べない人ほど死亡リスクが高いことを示唆-保存期慢性腎臓病(CKD)患者や血液透析患者でも関連は同様-

2023年02月21日 火曜日 研究成果

野菜や果物の摂取が少ないと、死亡リスクが高いことが多くの疫学研究で示されていますが、腎機能が低下した人でも同様かは不明でした。野菜や果物はカリウムを含むため、腎機能が低下した保存期慢性腎臓病(chronic kidney disease、CKD)(注1)や血液透析患者では、摂取を控える指導が行われることがあります。そこで、本学大学院医歯学総合研究科臓器連関学講座の若杉三奈子特任准教授らの研究グループは、CKDのない人・保存期CKD・血液透析患者で、野菜や果物の摂取頻度と死亡リスクとの関連が異なるのかをコホート研究(注2)で調べました。その結果、野菜や果物を毎日食べる人に比べて、時々食べる人、ほとんど食べない人の順で死亡リスクは高くなり、この関連は保存期CKDや血液透析患者でも同様でした。野菜や果物はカリウムが多いからという理由で、摂取制限がなされてきた保存期CKDや血液透析患者への指導について、再考を促す成果であると考えられます。

本研究成果のポイント

  • 病院に通院する日本人患者(CKDのない人・保存期CKD・血液透析)を対象としたコホート研究で、野菜・果物の摂取頻度と死亡リスクとの関連について検討。
  • CKDステージ別に検討すると、野菜・果物の摂取頻度と血清カリウム値に関連なし。
  • 野菜・果物を毎日食べる人に比べて、時々食べる人は25%、ほとんど食べない人は60%死亡リスクが増加し、この関連は、保存期CKD、血液透析患者でも同様。
【用語解説】

(注1)保存期慢性腎臓病(chronic kidney disease、CKD)とは、CKD(慢性的に経過した腎臓病)のうち、腎代替療法(透析や腎移植などの腎臓の機能を代わりに行う治療)を行っていない状態を言います。
(注2)コホート研究とは、解析対象となる集団(コホートといいます)を一定期間観察し、病気の発生状況などを調べることで、要因と病気の関連を検討する研究手法です。

研究内容の詳細

腎臓病の有無にかかわらず、野菜や果物を食べない人ほど死亡リスクが高いことを示唆-保存期慢性腎臓病(CKD)患者や血液透析患者でも関連は同様-(PDF:1.0MB)

論文情報

【掲載誌】Journal of Renal Nutrition
【論文タイトル】 Vegetable and fruit intake frequency and mortality in patients with and without CKD: A hospital-based cohort study
【著者】Minako Wakasugi, Akio Yokoseki, Masakazu Wada, Takeshi Momotsu, Kenji Sato, Hiroyuki Kawashima, Kazutoshi Nakamura, Osamu Onodera, Ichiei Narita
【doi】10.1053/j.jrn.2023.01.011

本件に関するお問い合わせ先

広報室
E-mail pr-office@adm.niigata-u.ac.jp

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