新しいDNA検出技術とイネの遺伝解析への応用〜新品種の開発へ
本学農学部の山崎将紀教授、神戸大学のRym Fekih学術研究員、ユーロフィンジェノミクス株式会社の尾鼻孝浩マーケティングマネージャーらの共同研究グループは、これまで研究が難しいと考えられていた日本のイネにおいてDNAの詳細な解析に成功しました。トヨタ自動車が開発したGRAS-Di(Genotyping by Random Amplicon Sequencing-Direct)と呼ばれる新技術は再現性や正確性が高く、低コストかつ簡便に実施でき、日本のイネの遺伝解析における技術革新になるとともに、他の植物だけでなく、動物や微生物への応用が期待できます。また、現在新潟大学が養成している、大規模な日本のイネ実験集団を使った新品種開発の推進も期待されます。
本研究成果のポイント
- GRAS-Di技術は日本のイネの遺伝子型決定に有効で、再現性や正確性が高く、低コストかつ簡便に実施でき、他の生物への応用が期待できる。
- GRAS-Di技術により、日本のイネを使った解析が加速し、詳細な遺伝解析が可能になった。
研究内容の詳細
新しいDNA検出技術とイネの遺伝解析への応用〜新品種の開発へ(PDF:0.8MB)
論文情報
【掲載誌】Plants
【論文タイトル】High-Density Linkage Maps from Japanese Rice japonica Recombinant Inbred Lines Using Genotyping by Random Amplicon Sequencing-Direct (GRAS-Di)
【著者】Rym Fekih, Yohei Ishimaru, Satoshi Okada, Michihiro Maeda, Ryutaro Miyagi, Takahiro Obana, Kazuyo Suzuki, Minoru Inamori, Hiroyuki Enoki and Masanori Yamasaki
【doi】10.3390/plants12040929
本件に関するお問い合わせ先
広報室
E-mail pr-office@adm.niigata-u.ac.jp
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