ヒマラヤ山脈で約6億年前の海水と有機物を発見-大気の酸素増加とカンブリア大爆発との関連-
本学自然科学系(理学部)のM. Satish-Kumar教授と自然科学研究科博士後期課程のSasidharan Kiran(大学院生)は、インド理科大学院大学のKrishnan Sajeev教授(新潟大学リエゾンプロフェッサー(注))の研究グループと共同で、ヒマラヤ山脈の高地で、約6億年前の古海洋起源の炭酸塩鉱物に閉じ込められた海水を発見しました。有機物の痕跡を示すストロマトライトを含む炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムの鉱物内に閉じ込められた海水を、スペクトル解析、炭素酸素同位体分析、微量元素組成解析により、地球史上重要なイベントである全球凍結に伴う酸素増加について手がかりを得ました。
本研究成果のポイント
- ヒマラヤ山脈の高地で炭酸塩鉱物に閉じ込められた約6億年前の海水を発見した。
- 約6億年前の全球凍結による過酷な環境下におけるシアノバクテリアの活発な活動の痕跡を明らかにした。
- カンブリア紀の大爆発と大気中の酸素増加の関係を明らかにした。
【用語解説】
(注)新潟大学リエゾンプロフェッサー
新潟大学の国際ネットワークの構築・強化の取組の一環として、海外の大学等に勤務する教員・研究者の同窓生などで新潟大学の国際交流に大きく貢献している方に付与する名称。
研究内容の詳細
ヒマラヤ山脈で約6億年前の海水と有機物を発見-大気の酸素増加とカンブリア大爆発との関連-(PDF:3.0MB)
論文情報
【掲載誌】Precambrian Research
【論文タイトル】Himalayan magnesite records abrupt cyanobacterial growth that plausibly triggered the Neoproterozoic Oxygenation Event
【著者】Prakash Chandra Arya, Claude Nambaje, S. Kiran, M. Satish-Kumar, K. Sajeev
【doi】10.1016/j.precamres.2023.107129
本件に関するお問い合わせ先
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