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急速進行性糸球体腎炎による透析導入率は近年、高齢(70歳以上)で上昇-高齢化に伴い、高齢患者が増加する可能性を示唆-

2024年03月13日 水曜日 研究成果

急速進行性糸球体腎炎は、数週から数か月の経過で腎機能が急速に低下して腎不全に至る予後不良の疾患です。近年、治療の進歩等により、予後の改善が報告されていますが、透析導入(注1)率(人口当たりの透析導入患者数)の経年変化は不明でした。そこで、本学大学院医歯学総合研究科臓器連関学講座の若杉三奈子特任准教授らの研究グループは、2006年から2021年まで、日本の急速進行性糸球体腎炎による透析導入患者数と透析導入率の経年変化を評価しました。その結果、2021年の急速進行性糸球体腎炎による透析導入患者数は2006年に比し、男性で34%、女性で58%増加し、平均年齢も高齢化していました。年齢で調整すると2006~2009年の4年間に比し、2010~2013年は男女とも低下していましたが、その後、増加傾向にありました。年齢別にみると、男女とも70歳以上で透析導入率が近年上昇しており、今後、日本の高齢化に伴い、高齢患者が増加する可能性が示唆されます。

本研究成果のポイント

  • 2006年から2021年まで、急速進行性糸球体腎炎による透析導入率を検討した。
  • 急速進行性糸球体腎炎による透析導入患者数は年々増加し、平均年齢も高齢化している。
  • 年齢調整した透析導入率は、2006~2009年の4年間に比べ、2010~2013年は男女とも低下していたが、その後は上昇傾向にある。
  • 年齢別では、男女とも70歳以上での透析導入率が近年上昇しており、男性では90歳以上、女性は80~89歳でその上昇が顕著である。
【用語解説】

(注1)透析導⼊とは、腎臓の機能が低下した状態(末期腎不全)に⾄ったため、透析療法を開始されたことを意味します。なお、透析療法を経ずに腎臓移植が⾏われる場合もありますが、⽇本では極めて少数例です。

研究内容の詳細

急速進行性糸球体腎炎による透析導入率は近年、高齢(70歳以上)で上昇-高齢化に伴い、高齢患者が増加する可能性を示唆-(PDF:0.6MB)

論文情報

【掲載誌】Internal Medicine
【論文タイトル】Trends in the Incidence of Renal Replacement Therapy due to Rapidly Progressive Glomerulonephritis in Japan, 2006–2021
【著者】Minako Wakasugi, Ichiei Narita
【doi】10.2169/internalmedicine.3343-23

本件に関するお問い合わせ先

広報事務室
E-mail pr-office@adm.niigata-u.ac.jp

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