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集団にマイノリティが一人でもいる確率が大幅に過小視されていることを発見-思考の誤りのパターンを認知心理学で解明-

2024年05月27日 月曜日 研究成果

なぜ私たちは「マイノリティは身の周りにいない」と思いがちなのでしょうか。本学人文学部の新美亮輔准教授(認知心理学)は、学校のクラスや職場のような数十人の集団の中にマイノリティが一人でも含まれる確率を人々がどう判断するかを実験しました。たとえば、人口の3%を占めるマイノリティなら、30人の中に一人でも含まれる数学的な確率は約60%ですが、これは直感に反して高いものです。実際、実験でも9割近くの人が60%より低い確率を答え、最も多い答えは「1%」でした。つまり、大幅に過小視されていました。集団の人数やマイノリティの題材(色覚異常、同性愛者・両性愛者、外国人など)を変えても同様でした。私たちは「集団にマイノリティが一人でも含まれる確率」をうまく考えられないために、実際以上にマイノリティが周りにいないと思ってしまっている可能性があります。

本研究成果のポイント

  • クラスや職場にマイノリティはいない、と考えてしまう理由のひとつを明らかにした。
  • 数十人の集団の中にマイノリティが一人でも含まれる確率を人々に推定してもらうと、数学的に考えられる確率よりも大幅に低く推定された。
  • その原因は、偏見などではなく、人間の一般的な思考のクセだと考えられる。

研究内容の詳細

集団にマイノリティが一人でもいる確率が大幅に過小視されていることを発見-思考の誤りのパターンを認知心理学で解明-(PDF:1.0MB)

論文情報

【掲載誌】Journal of Cognitive Psychology
【論文タイトル】Probability of minority inclusion is underestimated
【著者】Ryosuke Niimi
【doi】10.1080/20445911.2024.2347399

本件に関するお問い合わせ先

広報事務室
E-mail pr-office@adm.niigata-u.ac.jp

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