腸内細菌の代謝経路データベース「Enteropathway」を公開-疾患や健康状態と関連する細菌代謝パターンの解明に期待-
ポイント
- 腸内細菌の代謝経路に特化したデータベース「Enteropathway」を開発。
- 他のオミクスデータと組み合わせることで、腸内細菌の遺伝子機能の詳細な解析を実現。
- 健康維持と疾患予防に向けた新たな研究の進展に貢献すると期待。
概要
東京科学大学(Science Tokyo)生命理工学院生命理工学系の山田拓司准教授、情報・システム研究機構データサイエンス共同利用基盤施設ライフサイエンス統合データベースセンターの五斗進教授、本学医学部メディカルAIセンターの奥田修二郎教授らの研究グループは、腸内細菌の代謝経路(用語1)に特化したデータベース「Enteropathway」を公開しました。
腸内細菌の研究は近年急速に進展していますが、その代謝経路に関する情報は限定的でした。そこで研究グループは今回、そうした腸内細菌の代謝経路のデータを網羅的に集めた革新的なデータベース「Enteropathway」を開発しました。
このEnteropathwayは、化合物、酵素反応、代謝経路のデータを統合した、ヒト腸内細菌叢の包括的な代謝データベースであり、研究者や医療従事者が腸内細菌の働きや、その複雑な代謝ネットワークをより深く理解するための貴重なリソースとなると期待されます。
【用語解説】
(用語1)代謝経路
細胞がエネルギーを得て身体機能を果たしたり、タンパク質や脂肪などの分子を構築したり、不要な物質を排泄したりする連鎖的な化学反応
研究内容の詳細
腸内細菌の代謝経路データベース「Enteropathway」を公開-疾患や健康状態と関連する細菌代謝パターンの解明に期待-(PDF:1.0MB)
論文情報
【掲載誌】Briefings in Bioinformatics
【論文タイトル】Enteropathway: the metabolic pathway database for the human gut microbiota
【著者】Hirotsugu Shiroma, Youssef Darzi, Etsuko Terajima, Zenichi Nakagawa, Hirotaka Tsuchikura, Naoki Tsukuda, Yuki Moriya, Shujiro Okuda, Susumu Goto, Takuji Yamada
【doi】10.1093/bib/bbae419
本件に関するお問い合わせ先
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