令和6年度新潟大学学長教育賞の授与式を行いました
本学は、令和7年5月23日(金曜日)に令和6年度新潟大学学長教育賞の授与式を行いました。
新潟大学学長教育賞は、教育改善に対する意識を高めるとともに、優れた授業方法及び学習支援を全学で共有化することにより、全学的な教育方法の改善に資することを目的に、平成15年創設の「教育褒賞」を発展的に継承し運用しています。平成18年度からは「学長教育賞」と名称を変え、平成30年度からは本学の教育戦略の推進に取り組む教員集団を支援する新たな褒賞制度として「学長教育助成制度」を新設し、その中で特に顕著な功績があったと認められる取り組みを実施した教員集団に対して授与しています。
18回目となる今回は、「生体歯科補綴学分野(医歯学総合病院冠・ブリッジ診療科 秋葉陽介講師(代表者)外2名)」による「知識構成型ジグソー法による専門講義科目の能動的学習化」を、特に優れた成果を挙げた取り組みと決定し、学長教育賞を授与しました。
医療系人材の育成には、膨大な知識を正確に習得することが求められますが、学習者が単独でこれを成すには、教員のサポートがあるとしても相当の困難が予想されます。生体歯科補綴学分野の取り組みは、この困難の解決策として実施された優れた授業実施方法です。
この授業は次の一連の活動で構成されています。学習者はまず全課題の予習をした後、グループ単位で特定の課題の解答を作成するエキスパート活動を行います。次に、グループを再編して各課題にあたりながら異なるエキスパート活動をした者同士で知識の交換・統合を果たします。さらに、元のエキスパート活動に戻った後、当初作成した解答の修正をするという構成です。即ち、一人の学習者は複数の課題がある中で、自らが集中して取り組んだ課題だけでなく、集団活動を通じながら、他の課題に関しても一定程度の知識を獲得し、解決策を提案できるような仕組みが構築されています。
これは学習者集団に知識とその活用方法を身に付けさせる上で、最も効率的な授業方法の1つであると考えられます。生体歯科補綴学という専門分野において試みられたものですが、他の分野への応用可能性が高いこと、知識習得方法としての効率性・効果性があること、さらに学習者の能動的な姿勢や汎用的能力の涵養も期待できることが高く評価されました。また、実施後の成果検証に関して、履修者の満足度や学習の難易度評価、さらには自由記述の内容分析など丁寧に取り組んでいる点も学長教育賞にふさわしい取り組みであると判断され、この度の受賞となりました。

受賞集団代表者の秋葉講師

(左より)吉井学務部長、坂本理事、秋葉講師、牛木学長、福島副学長
本件に関するお問い合わせ先
学務部教務課
電話 025-262-6310