本学理学部のMADHUSOODHAN SATISH KUMAR教授が日本鉱物科学会論文賞を受賞しました
本学理学部理学科・地質科学プログラムのMADHUSOODHAN SATISH KUMAR教授が、日本鉱物科学会論文賞を受賞しました。
同賞は、鉱物科学およびその関連分野における優れた研究論文の筆頭著者に対して与えられる賞です。
当該論文はおよそ5億年前のゴンドワナ超大陸形成に伴う大陸衝突帯の一部であった東南極リュツォ・ホルム岩体において、多様な岩相を有する変成岩中のグラファイトの産状と炭素同位体組成を精査することで、大陸衝突帯での炭素循環におけるグラファイトの役割・挙動の実態を明らかにしたものです。大陸衝突の際、堆積岩中に普遍的に含まれる有機物の炭素と無機物の炭酸塩岩が、どのようにグラファイトとして大陸地殻に固定されるのか、その過程で長期間(億年単位)の炭素貯蔵庫になりうるのか、を議論する論文であり、近年の人類の課題である地球温暖化と表層炭素循環のモデルにも影響する内容です。
受賞論文
【論文タイトル】Carbon isotopic composition of graphite in metamorphic rocks from Lützow-Holm Complex, East Antarctica: Implications for carbon geodynamic cycle in continental crust
【掲載誌】Journal of Mineralogical and Petrological Sciences (2023)118 :S017
【doi】10.2465/jmps.230401
MADHUSOODHAN SATISH KUMAR教授のコメント
本論文は、日本の南極観測隊(第46次・夏隊)の隊員として参加した初めての外国人研究者(当時)としての成果であり、地質学分野にとって、野外での観察がいかに重要であるかを、日本鉱物科学会に認められたことが大変うれしく思います。
写真左 井上徹教授(日本鉱物科学会会長)、右MADHUSOODHAN SATISH KUMAR教授
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