赤坂遺跡第4次発掘調査の成果報告会(長岡市上桐地区)「虫の目、鳥の目で探る赤坂遺跡」
新潟県中央部の長岡市和島地区は、1990年に「沼垂城」と記された木簡(もっかん)が出土し話題となった国指定史跡・八幡林(はちまんばやし)官衙(かんが)遺跡をはじめ、縄文時代から古代、中世にかけての遺跡が密集しており、新潟県のみならず日本の歴史研究において大変重要な地域です。
本学人文学部考古学研究室では地元の皆様のご協力のもと、実習教育の一環として島崎川流域における遺跡の調査・研究を進めており、今年度で7年目を迎えました。昨年9月下旬に実施した赤坂(あかさか)遺跡(弥生時代の終わり頃の高地性集落)の第4次調査では、これまでの調査で確認されていた環壕(かんごう)(集落の周囲をかこむ溝)の延伸と、環壕の内外のようすを明らかにするため、3か所の調査区を設定して発掘調査をおこないました。その結果、環壕の延伸部にあたる南西側の崖に近い調査区で、上端部幅約3.2m、深さ約1.2mの断面「L」字形の溝を発見しました。環壕は赤坂遺跡北端部の東西約40m以上の範囲にわたって延伸すること、地形にあわせて溝の断面のかたちを変えて掘られていたことがわかりました。溝に埋まった土からは弥生土器や石器がわずかに見つかったほか、炭化したコムギが水洗選別により1粒見つかりました。
さらに今回の調査では、ドローンに搭載したレーザスキャナを用いて赤坂遺跡全体と周辺の地形を上空から計測し、得られたデータからCS立体図という地形図を作成しました。これにより、赤坂遺跡が立地する丘陵の細かな土地の起伏が理解しやすくなり、土地利用のうつりかわりを考えるうえで有意義な情報が得られました。さらに、いくつかの塚(つか)(墳墓とみられる人工的な盛土)が確認できたことも特筆されます。
本報告会では、赤坂遺跡の発掘調査の成果についてご報告するとともに、出土品の内容についてわかりやすく解説したいと思います。ぜひお気軽にご参加ください。
日時: | 2025年5月31日(土曜日)13:30 ~16:00(13:00開場) |
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開催場所: | わしまコミュニティセンター多目的ホール(長岡市小島谷3434番地4 長岡市和島支所3階) |
内容: | 基調報告:森 貴教(新潟大学人文学部・准教授)「赤坂遺跡第4次発掘調査の概要」 調査報告1:新潟大学人文学部考古学研究室・学生「虫の目で探る赤坂遺跡」 調査報告2:森 貴教・村上拓彦・宮﨑太梓「鳥の目で探る赤坂遺跡」 ※基調報告と調査報告1の間に、出土品の解説時間を設ける予定です。 |
対象者: | どなたでもご参加いただけます。 |
定員: | 100名(事前申し込み不要) |
参加費: | 無料 |
共催 | 新潟大学人文学部考古学研究室、わしまコミュニティ協議会 |
本件に関するお問い合わせ先
わしまコミュニティセンター
電話:0258-74-3300