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【学生の皆さんへ】学長メッセージ -コロナ禍の第2学期に-

2020年10月23日 金曜日 お知らせ

新潟大学長 牛木辰男

第2学期が始まりました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界的にはまだ猛威を振るっており、大きな第2波が到来している地域もありますが、幸いにも日本はある程度コントロールができた状態が続いています。しかし、この感染拡大が完全に収束したわけではありませんし、日本もこれから冬に向かってまだ予断を許さない状況にあります。したがって、これまでと変わらぬ感染予防対策が求められることから、新潟大学では、第2学期も非対面型授業を主体としたスタートとなりました。

もっとも、今は、今年の春に比べればコロナ禍に過ごす新しい生活様式(ニューノーマル)も定着してきており、社会では経済的な観点から、感染予防対策をとった上での社会活動が少しずつ始まってもいます。その点で、新潟大学の第2学期の授業では、実習や実験など対面が必要な科目については、第1学期の後半と同様に、感染予防対策をとりながら対面授業を行うことを可能にしてスタートしています。また、対面が効果的な内容が含まれる場合は、非対面型の授業と組み合わせた、いわゆるハイブリッド型の授業形式としたものもあります。

第1学期の授業についてのアンケートでは、非対面型の授業形式であったにも関わらず、学生の皆さんからおおむね良好な評価をいただきました。教員側も今年は慣れないオンラインの授業の準備に向けて格闘してきましたので、この点はうれしいことです。第2学期においても、いろいろな制限はあるものの、教育の質を落とすことなく、より一層、効果的で魅力的な授業形式を模索します。なお、第1学年の皆さんについては、入学以降クラスメイトや教員と話す機会がないままで終わることがないように、各学部で対面や交流の機会を作る工夫を続けてもらいます。

第1学期はキャンパスへの入構をできるだけ自粛してもらいましたが、図書館や生協も今は開いています。必要のない入構はまだ控えてもらっていますが、感染予防対策をしっかりしながら、図書館も有効に利用していただいてかまいませんし、課外活動についてもルールを守って行ってもらうことは大いに結構です。

例年、キャンパスで賑やかに開催していた新大祭は、感染予防対策としての入構制限からオンライン開催としましたが、学生の皆さんの創意工夫で、ヴァーチャルリアリティによるキャンパス利用というユニークな内容となりました。これに向けて実行委員会の皆さんは、感染予防対策を守った素晴らしい活動をしてくれました。こんなふうに制限がある中でも、工夫をすることで、以前に増した成果や発見があるのでないかと思います。

冒頭にも少し書きましたが、COVID-19の感染拡大の今後は、まだまだ予測が立ちません。全世界での感染者数はすでに4,000万人を超え、アメリカやインドのように猛威がやまない地域だけでなく、ヨーロッパでは極めて大きな第2波が訪れています。その結果として、たとえばイギリスでは、9月から新学期が始まったばかりの大学の多くで感染が広がり、数千人に上る学生が自主隔離を行う事態になっており、講義もほぼすべてオンラインに戻りました。イギリスの大学生は学生寮に入るのが基本ですが、その寮での感染も深刻です。もちろん、こうした大きな波が日本に訪れるかはわかりません。その行方は、感染予防対策の徹底を行いながらの経済活動がこれからの日本でどれだけきちんとできるかにかかっているでしょう。むやみに恐れる必要はありませんが、皆さんの個々の衛生意識も重要です。

これまでも何度も伝えてきましたが、自分のことや家族のことなどで困ったことが出てきたり、日々の暮らしでストレスや不安を感じたら、いつでも信頼できる人に相談してください。家族や友人、もちろん大学の指導教員や学務係の人でもかまいません。コロナ対策のための緊急学生サポート窓口もあります。決して一人ではないと思って、一人で抱え込まないでください。

やまない雨がないように、コロナ禍もやがて収束していきます。それにはまだ時間がかかるかもしれませんが、その期間を立ち止まっていろいろなことを見直す好機ととらえて、ぜひ実りある時間にしてください。そして、コロナ禍での出来事をばねにして、コロナ後の世界にジャンプアップする力を是非蓄えてください。どんな小さなことでもいいので、この時期にできること、この時期でなければできないことを見つけて、それに挑戦し、有効に時間を使ってもらいたいと思います。それが、コロナの時代に生きた皆さんの真の力になり、新しい時代を切り拓く道につながるのだと、私は信じます。そして、学問への夢と情熱を忘れずに、第2学期を送ってくださることを心から祈っています。

英文メッセージはこちら
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