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水と空気から消毒液を生成-新潟大学大学院生らがナノ技術で-

2023年04月19日 水曜日 研究成果

本学大学院医歯学総合研究科微生物感染症学分野の滝澤史雄歯科医師(大学院生、新潟大学フェローシップ生(注))と土門久哲准教授・寺尾豊教授らは、空気から生成したオゾンをナノ技術で水に長時間浮遊化させることにより、安全安心かつ安価な消毒液が作成できることを報告しました。また、歯学部生の清水香奈さんも、歯学研究演習授業の一環として研究に参画し重要な解析を担当しました。本研究成果は、2023年4月12日、国際科学誌PLOS ONEの電子版に公開されました。

本研究成果のポイント

  • 新型コロナウイルスや抗生物質の効かない細菌に対しては、感染してから治療するよりも消毒などで感染予防を行うことが大切である。
  • しかし、エタノールやヨード系消毒液には、アレルギーの心配がある。また、バイオエタノール製造には、途上国の食料供給の悪化や森林伐採による環境破壊などが伴い、SDGsの観点から解決できない課題もあり、供給不足に陥ることがある。
  • 消毒効果を持つオゾンは、水に溶かしても短時間で空気中へ移動し、消毒効果が持続しない課題があった。そこで、ナノ技術を用いて長時間オゾンを水中に溶かすことで、薬剤耐性菌や食中毒原因菌などに対しても、実用レベルで消毒効果を発揮させることに成功した。
  • この消毒液の素材は、水とオゾン(空気から生成し、時間が経つと酸素になる)のみであり、安全・安心・安価なことが既存の化学薬品ベースの消毒液とは異なる。
【用語解説】

(注)新潟大学フェローシップ生
新潟大学フェローシップ事業(科学技術振興機構(JST)「科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップ創設事業」採択事業)の支援対象者として採用された大学院博士(後期)課程学生。フェローシップ生には研究専念支援金と研究費が支給されるとともに、多様なキャリアパスが選択できるような育成プログラムが提供される。

研究内容の詳細

水と空気から消毒液を生成-新潟大学大学院生らがナノ技術で-(PDF:1.0MB)

論文情報

【掲載誌】PLOS ONE
【論文タイトル】Ozone ultrafine bubble water exhibits bactericidal activity against pathogenic bacteria in the oral cavity and upper airway and disinfects contaminated healthcare equipment
【著者】Takizawa F, Domon H, Hiyoshi T, Tamura H, Shimizu K, Maekawa T, Tabeta K, Ushida A, Terao Y
【doi】10.1371/journal.pone.0284115

本件に関するお問い合わせ先

広報事務室
E-mail pr-office@adm.niigata-u.ac.jp

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