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学長メッセージ

令和7年度秋季卒業式 学長告辞

卒業生・修了生の皆さん、卒業・修了まことにおめでとうございます。新潟大学を代表して、心からお祝いを申し上げます。

新潟大学は、昨年75周年を迎えました。創立した1949 年からの卒業生は約16万人になります。卒業を迎える皆さんは、この新潟大学の同窓生の系譜(ファミリー・ツリー)に加わることになります。どうか、その誇りをもって新潟大学を巣立っていただきたいと思います。

新潟大学の理念は「自律と創生」です。この理念については入学時にも皆さんにお話ししました。卒業にあたり、改めてこのことをお話しします。「自律」は、その言葉のとおり、自分自身で立てた規範に従って行動すること、そして「創生」は新たなものを作り出すことです。それは、他人の真似ではなく、自分自身で物事をよく見聞きし、事実を自分の目で見極めて、正しく判断して行動する、そういう習慣を持つことです。そして、新潟のシンボルでもある柳のように、その柳の枝のようにしなやかで折れない「真の強さ」を持つことにもつながっています。私は、ここにいる皆さんが、この「自律と創生」の理念としなやかさ、「真の強さ」を新潟大学で養ってくれたと信じています。

これから皆さんが活躍する社会は、グローバル化が進む一方で、少子高齢化がどんどん進展していきます。その中で、生成系AIなどの新たな技術が急速に発達し、サイバー空間と現実のフィジカル空間が融合した未知の世界が日常になっていくと思います。
一方で、コロナ禍のような事態や、地震のような災害、気候変動や天災の数々と、予期せぬ大きな出来事に見舞われることも何度もあるでしょう。
国際情勢も変化しています。世界で様々な紛争や問題が起こり、国際社会の枠組みもきわめて流動性を増してきています。このように私たちのまわりは常に流動的で、予期せぬ出来事に満ち満ちています。

このように社会も地球もそして宇宙も日々変化しており、未来を正確に予測することは困難です。しかし、そのような中で、もしも未来を切り拓くことができるとすれば、それは「科学」であり「学問」だと私は思います。学問は未来を予測する精度を高めることができます。そして、未来に立ち向かうためには「予測する努力」をすることが極めて重要です。どうか、そのことを忘れずに、いつまでも学ぶことを忘れずに、これからの未来に立ち向かっていってもらいたいと思います。

新潟大学は現在のミッションを、「未来のライフ・イノベーションのフロントランナー」となることと定めています。ここでいう「ライフ・イノベーション」とは、単に「医療・健康・福祉分野」に留まらず、21世紀を生きる我々の「生命」、「人生」、「生き方」、「社会の在り方」、「環境との関わり」と、それらの土台となる「地球」や「自然」についての新たな価値と意味を生み出すための革新を指しています。すなわち、新潟大学が目指す「ライフ・イノベーション」とは、人類を幸福にするための革新のことです。私は、皆さんが、新潟大学を離れても、共に未来のライフ・イノベーションのフロントランナーを目指して活躍してもらいたいと心から願っています。

皆さん、新潟大学は皆さんの母校であり故郷です。新潟大学で学んだ誇りをもって、未来への一歩を踏み出してください。新潟大学はこれからも皆さんを見守っています。卒業後も皆さんが、新潟大学の理念のもとに大いに活躍されることを期待しています。
常に学ぶことの喜びと大切さを胸に抱き、知的好奇心を持ち続け、学ぶことを忘れず、どこにいても新潟大学と絆を結びながら、未来のライフ・イノベーションのフロントランナーとして活躍してください。

おわりに、皆さんの未来が幸多きことを祈り、私の告辞とします。本日はまことにおめでとうございます。

令和7年9月22日
新潟大学長 牛木辰男

学長告辞の写真