「肝臓オートファジーの役割とその異常と肝疾患」に関する包括的な総説を発表しました
英国科学誌「Nature Review Gastroenterology & Hepatology」 (Impact factor: 14.435) オンライン版に、本学大学院医歯学総合研究科分子遺伝学の小松雅明教授と順天堂大学医学部の上野隆客員教授が「肝臓オートファジーの役割とその異常と肝疾患」に関する包括的な総説を発表しました。
掲載ページはこちら(doi: 10.1038/nrgastro.2016.185)
オートファジーは細胞内の分解小器官であるリソソームにおいて細胞質成分を分解する機構と定義されています。
本年度のノーベル生理学・医学賞は「オートファジーの分子メカニズムの解明」で大隅良典栄誉教授(東京工業大学)に授与されたことからもわかるように、オートファジーの生体における重要性が明らかになってきました。
本総説では、
1. 1960年代のラット肝臓を用いたオートファジーの発見
2. ラット肝臓を用いた初期オートファジー研究がもたらした知見
3. 大隅博士らによるオートファジー関連遺伝子群ATGsの同定によるブレイクスルー
4. 糖新生、β酸化といった基本的な肝代謝におけるオートファジーの役割
5. 様々な転写因子による肝臓オートファジーの時空間的制御機構
6. 肝オートファジーの異常と非アルコール性脂肪性肝疾患や肝細胞がん発症
等から構成されており、オートファジーの歴史に加えて、最新の肝臓オートファジーの生理的役割、そしてヒト疾患との関わりを解説しています。
研究内容に関する問合せ先
大学院医歯学総合研究科 分子遺伝学分野
教授 小松雅明
E-mail:komatsu-ms[at]med.niigata-u.ac.jp([at]を@に換えて送信してください。)
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