ポリリン酸が引き起こす蛋白質異常凝集体の形成機構を解明しました
本学大学院医歯学総合研究科成田一衛教授は、大阪大学蛋白質研究所、福井大学医学部、ハンガリーのエトヴァッシュ・ローランド大学と共同で、透析アミロイドーシス(アミロイド病)の原因蛋白質であるβ2ミクログロブリンのアミロイド線維形成が、ポリリン酸によって促進されることを発見しました。
ポリリン酸はリン酸が数珠状に結合した生命活動に必須の生体高分子です。また、リン酸は緩衝液としてよく使われる塩ですが、蛋白質の凝集傾向を示すホフマイスター系列※3によると、凝集を誘導する作用が強い塩の一つです。これまでに、ポリリン酸がいくつかのアミロイド線維の形成を促進することが、報告されています。しかし、β2ミクログロブリンのアミロイド線維形成については不明であり、また、これらに共通する促進機構も不明でした。ポリリン酸が引き起こすアミロイド線維の一般的な促進機構が明らかになったことで、高齢化社会の深刻な病気であるアミロイド病の予防や治療の進展につながることが期待されます。
詳しくはこちら(PDF:1.7MB)
本件に関するお問合わせ先
広報室
電話 025-262-7000
FAX 025-262-6539
他のニュースも読む
-
研究成果 2024年05月14日
新規結核ブースターワクチン候補分子の提案-結核菌生来の翻訳後修飾を有する蛋白質の優れたインターフェロンガンマ誘導性-
-
研究成果 2024年04月26日
指定難病「視神経脊髄炎」の炎症を正負に制御する免疫ダイナミクスを発見-好中球とT細胞制御を目指した新たな治療法に道-
-
研究成果 2024年04月26日
難治性卵巣がんの治療抵抗性を引き起こす細胞間の協調作用を発見~「がん関連線維芽細胞」を標的とした新しい治療法開発に期待~
-
研究成果 2024年04月15日
糖尿病性神経障害発症における細胞外基質の役割を解明-コンドロイチン硫酸の発現調節による症状軽減化と新たな治療戦略への期待-