北京型結核菌の人での高い突然変異率を10年間の感染追跡とゲノム解析で実証しました
北京型結核菌は東アジアに多く、他系統の結核菌よりも病原性や薬剤耐性率が高く問題となっています。本学大学院医歯学総合研究科細菌学分野、呼吸器・感染症内科学分野の袴田真理子医師(大学院生)、同研究科呼吸器・感染症内科学分野の菊地利明教授、同研究科バイオインフォマティクス分野の瀧原速仁研究員、奥田修二郎准教授、同研究科細菌学分野の松本壮吉教授らは、神戸市環境保健研究所の岩本朋忠博士、大阪健康安全基盤研究所の田丸亜貴博士との共同研究を実施し、高い病原性や薬剤耐性率の要因と考えられるゲノム変異率が、実際に人に感染した北京型結核菌で、高いことを実証しました。また潜伏感染時には、酸化ストレスに依存する変異が多いことも明らかにしました。
この高頻度のゲノム変異が、北京型結核菌の適応能や薬剤耐性化率の高さの要因と推測されます。本研究成果は、系統別の結核対策の提案など、今後の対策において重要な情報となります。
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