災害・復興科学研究所の河島克久教授が寒地技術賞(産業部門)を受賞しました
本学災害・復興科学研究所の河島克久教授と福井大学学術研究院工学系部門の藤本明宏准教授が第35回寒地技術シンポジウムで発表した論文「実車試験による大雪時のスタック発生メカニズム及びタイヤチェーン装着効果の解明」が2020年度の寒地技術賞(産業部門)に選定され、2020年11月25~26日に開催された第36回寒地技術シンポジウム(主催:一般社団法人北海道開発技術センター)において授賞式が行われました。
河島教授と藤本准教授は、2016年1月の国道8号(新潟県)、2017年1月の国道373号(鳥取県)、2018年2月の国道8号(福井県)など、近年各地で多発している大雪時の大規模な立ち往生(車両滞留)について、その発生メカニズムや危険度評価に関する共同研究を2018年度から始めました。この研究では、スタック発生の引き金としてタイヤが圧雪路面の窪みに落ちるといった仮説を立て、様々な条件の下でトラックを用いた実車試験を毎冬行ってきました。今回の受賞は、タイヤ・圧雪の接触面における前進力と後退力の大小関係に基づいてスタック発生メカニズムを解明するとともに、タイヤの空転がスタックに及ぼす影響やタイヤチェーン装着効果を物理的に明らかにしたことが評価されたものです。
今冬も12月16~18日に関越自動車道において過去最大規模の立ち往生(車両約2100台、滞留時間約52時間)が発生し、大きな問題となりました。本研究の研究成果は、スタック車両の発生条件の定量的解明と危険度評価につながるものであり、今後の共同研究の進展と研究成果の社会実装が大いに期待されます。
受賞者:藤本明宏(福井大学学術研究院工学系部門 准教授)、河島克久(新潟大学災害・復興科学研究所 教授)
対象論文:実車試験による大雪時のスタック発生メカニズム及びタイヤチェーン装着効果の解明,寒地技術論文・報告集,35,36-41,2019
オンラインで授賞式に参加した藤本准教授(左)
表彰状
本件に関するお問い合わせ先
災害・復興科学研究所事務室
電話 025-262-7051
E-mail nhdr_office@gs.niigata-u.ac.jp
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