子どもの“お口ぽかん”の有病率を明らかに -全国疫学調査からみえた現代の新たな疾病-
本学⼤学院医⻭学総合研究科小児歯科学分野の齊藤一誠准教授らの研究グループは、全国小児歯科開業医会(JSPP)の協力を得て、大垣女子短期大学歯科衛生学科の海原康孝教授および鹿児島大学病院小児歯科の稲田絵美講師らとの共同研究により、日本で初めて“お口ぽかん”(口唇閉鎖不全)に関する全国大規模疫学調査を行い、小児期のお口ぽかんの有病率を明らかにしました。本成果は、2021年1⽉21⽇(英国時間)に国際学術雑誌「Environmental Health and Preventive Medicine」に掲載されました。
本研究成果のポイント
- 日本で初めてお口ぽかんの有病率に関する全国大規模疫学調査を行いました。
- 日本人の子どもたちの30.7%が日常的なお口ぽかんを示していました。
- 日本全国のそれぞれの地域において、お口ぽかんを有する子どもの割合に差は認められませんでした。
- お口ぽかんを有する子どもの割合は年齢とともに増加していました。
- 「唇にしまりがない」、「鼻がつまる」、「音を立てて食べる」など、12の質問項目がお口ぽかんと関連していました。
- 子どものお口ぽかんは、自然の改善が期待しにくい疾病である可能性があります。
研究内容の詳細
子どもの“お口ぽかん”の有病率を明らかに -全国疫学調査からみえた現代の新たな疾病-(PDF:695KB)
論文情報
【掲載誌】Environmental Health and Preventive Medicine
【論文タイトル】Prevalence of an incompetent lip seal during growth periods throughout Japan: a large-scale, survey-based, cross-sectional study
【著者】Yukiko Nogami, Issei Saitoh, Emi Inada, Daisuke Murakami, Yoko Iwase, Naoko Kubota, Yuki Nakamura, Masami Kimi, Haruaki Hayasaki, Youichi Yamasaki, Yasutaka Kaihara
【doi】10.1186/s12199-021-00933-5
本件に関するお問い合わせ先
広報室
電話 025-262-7000
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