新規エンテロウイルスD68特異的PCR法を開発-今後の世界的流⾏に備えて-
エンテロウイルスD68は子どもに感染すると喘息に似た呼吸器疾患(強い咳が出る、呼吸がぜーぜーするなど)や、急に手足に麻痺が出て高率に後遺症を残すことがある、とても怖いウイルス感染症です。これまでに有効な治療は見つかっていません。
今回、本学大学院医歯学総合研究科小児科学分野の幾瀨樹(大学院生)、齋藤昭彦教授らのグループは、同研究科バイオインフォーマティクス分野(奥田修二郎教授ら)との共同研究で、これまで標準的に使われてきた方法よりも、エンテロウイルスD68をより正確に検査できる方法を新しく開発しました。今後、流行が心配されるエンテロウイルスD68に対して、このより正確な検査法を用いることで、正確な診断、患者の把握が可能となり、今後の治療法の研究に役立ちます。
研究内容の詳細
新規エンテロウイルスD68特異的PCR法を開発-今後の世界的流⾏に備えて-(PDF:557KB)
論文情報
【掲載誌】Journal of Clinical Microbiology
【論文タイトル】Development of Novel PCR Assays for Improved Detection of Enterovirus D68
【著者】Tatsuki Ikuse, Yuta Aizawa, Hayato Takihara, Shujiro Okuda, Kanako Watanabe, Akihiko Saitoh
【doi】10.1128/jcm.01151-21
本件に関するお問い合わせ先
広報室
E-mail pr-office@adm.niigata-u.ac.jp
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