血液透析患者のALPの国際比較により予後との関連を発見-大規模国際コホート研究DOPPSデータの解析-
本学医歯学総合病院血液浄化療法部の山本卓病院教授、東海大学医学部腎内分泌代謝内科学の深川雅史教授、駒場大峰准教授は、血液透析患者の国際共同研究the Dialysis Outcomes and Practice Patterns Study(DOPPS)に参加し、2005年から2021年の日本を含む9か国28,888人の血液透析患者を調査しました。その結果、血液透析患者の生命予後、心血管疾患、そして骨折にアルカリフォスファターゼ(ALP)(注1)が強く関連していることを明らかにしました。
本研究成果のポイント
- 血液透析患者の死亡、心血管疾患、および骨折に高ALP血症が強く関連していることを示しました。
- 日本のALP値は世界的にみると低く管理されていました。
- ALPを適切に管理することで、血液透析患者の予後を改善することが期待されます。
【用語解説】
(注1)アルカリフォスファターゼ(ALP)
肝臓や腎臓、腸粘膜、骨などで作られる酵素。骨では骨芽細胞が活性化した際に産生され、全体の50%を占めるといわれる。本研究では高度な肝機能障害と炎症反応を伴う血液透析患者は対象から除外した。
研究内容の詳細
血液透析患者のALPの国際比較により予後との関連を発見-大規模国際コホート研究DOPPSデータの解析-(PDF:1.0MB)
論文情報
【掲載誌】Kidney International Reports
【論文タイトル】Alkaline phosphatase and parathyroid hormone levels: International variation and associations with clinical outcomes in the DOPPS
【著者】Suguru Yamamoto, Hanne Skou Jørgensen, Junhui Zhao, Angelo Karaboyas, Hirotaka Komaba, Marc Vervloet, Sandro Mazzaferro, Etienne Cavalier, Brian Bieber, Bruce Robinson, Pieter Evenepoel, Masafumi Fukagawa
【doi】10.1016/j.ekir.2024.01.002
本件に関するお問い合わせ先
広報事務室
E-mail pr-office@adm.niigata-u.ac.jp
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